みなさんこんにちは!HAKUTENの太田と川津です。

【Quest ! 】は、都内を中心に話題のイベントや新しくオープンした商業施設をHAKUTENが運営するオウンドメディア『THINK EXPERIENCE』編集スタッフが実際に体験し、その様子をお届けするコンテンツです。

今回は特別編ということで、都内を飛び出して新潟県三条市でさまざまな体験をしてきました!

特別編第一弾の今回は、ものづくりの街「三条」ならではの体験として、「マルナオ オープンファクトリー」での工場見学の体験についてご紹介します。

目次
1:ものづくりの街「新潟県三条市」
2:箸づくりの現場を目の前で体感!「マルナオ オープンファクトリー」
3:一膳一膳に向き合える空間づくり「FACTORY SHOP」
4:ものづくりの現場から学べること

1. ものづくりの街「新潟県三条市」

新潟県中部に位置し、新幹線の駅名から隣の燕市とともに「燕三条」として知られる新潟県三条市。「ものづくりの街」「金属加工の街」としてご存知の方も多いのではないでしょうか。

包丁やカトラリーなど、食器を中心に有名な燕三条エリアですが、近年ではオープンファクトリーやワークショップなど、ものづくりを身近に体験できるスポットや、カフェ、図書館、書店など、新しいお店や施設が多数生まれてきている今注目のエリアなんです。今回の特別編では、東京から上越新幹線で90分程度、燕三条駅から丸一日かけて周ってきた三条市のおすすめスポットを4箇所を各施設ごとにご紹介していきます!

特にオープンファクトリーは、大きな工場を順路に沿って見学する「工場見学」とはまた異なり、小規模の工場で職人の手作業を間近で見れるとあって人気な施設。燕三条エリアに数あるオープンファクトリーのうち、今回は、木工製品を生産するマルナオ株式会社のオープンファクトリーをご紹介します。

2. 箸づくりの現場を目の前で体感!「マルナオ オープンファクトリー」

マルナオ株式会社は、1939年に創業した木工製品を製造する会社です。職人の技術と最新の加工技術とを融合し、箸を中心に、カトラリーや文房具といった高品質の道具を提供しています。

2014年に移転して開業したマルナオ オープンファクトリーは、緑あふれる田んぼと山の境に位置するのどかな立地。燕三条駅から車で20分ほどで訪れることができます。

こちらは本社工場とショップを併設していて、オープンと名がつく通り、一般の人も自由に見学できる施設になっています。シンプルながらも現代的で美しい建築で、「工場見学」というよりも「オープンファクトリー」という言葉が似合う雰囲気。

オープンファクトリーに入ると、右側ではガラス越しに実際の製造現場を見ることができ、左側ではマルナオの歴史や製品の作り方の解説が展示されています。黒を基調にした洗練された展示スペースで、空間を通したブランディングへのこだわりを感じます。

1939年に創業し、もともとは神社の彫刻の制作を請け負っていたマルナオですが、時代情勢に合わせて大工道具、そして箸やカトラリー、文房具へと、製造するものを変えてきました。

三条という街は、街中を流れる五十嵐川という川が氾濫を繰り返していたため、農業だけではなく鍛冶や商売にも手を広げていったことから現在の工業や商業の発展に至っているとのこと。

伝統の技術は保ちながらも、時代に合わせて作るものを変えるという柔軟な考えや、オープンファクトリーや徹底したブランディングといった新たな展開は、こうした地域性から生まれているのかもしれないですね。

工場に目を向けると、多くの職人さんが手作業で箸を製作しています。

大理石と組み合わせる「組立」、原型を作る「荒削」、手作業で行う「研磨」、表面をなめらかにする「仕上」など、一膳の箸を作るのになんと98工程も必要で、1日に生産できるのは数十膳程度。最終的には手作業になるため、職人一人ひとりの個性も現れてくるのだとか。

木の個性が色や質感に現れています

そんなマルナオの箸は、塗装をせずに木の手触りがそのまま感じられるようになっており、黒檀、紫檀、スネークウッド、リグナムバイタなどの原料による違いはもちろん、一本一本でも表情が違ってきます。メンテナンスも可能で、長く愛用する人も多いとのこと。

八角形の形状や先端の細さなど使いやすさにもこだわるマルナオの箸は、パリやロンドンを始めとして世界各地でも愛用されており、東京・表参道とパリ・7区に直営店が存在。目の前で作られている箸が、どこの国で、どんな家庭やお店で使われるのか、と思いを馳せずにはいられません。

入口の取っ手が箸になっているなど、細かい部分のブランディングにもこだわりが!

3. 一膳一膳に向き合える空間づくり「FACTORY SHOP」

続いて、併設されているFACTORY SHOPへ。

ショップに入るとたくさんの種類の箸やカトラリーが所狭しと並べられており、実際に手に持って触り心地や使い心地を試してみることもできます。最高級の「極上箸」は箸先が1.5mmと非常に細くなっており、実際に触ってみると、確かに普段使っている箸とは異なり、まるでピンセットのように2本がぴったり重なり合う感触がありました。

そして思わず、「上 八角箸 紫檀」を購入させていただきました。すると、トレーのうえに二膳お箸が並べられました。一膳一膳に表情があるため、同じ商品であってもどの箸を持ち帰るかを実際に手にとって選ぶことができます。

マルナオの商品としては一番お手頃な価格のものではありますが、実際使ってみると軽さ、持ちやすさ、つまみやすさなどに優れていて、これから末永く使っていきたいと思える箸でした。

4. ものづくりの現場から学べること

今回は『マルナオ オープンファクトリー』での工場見学の体験をお伝えしてきました。

職人の方が一膳一膳手作りで箸を作る様子を目の前で体感でき、「身の回りの道具、身の回りのものは人が作っている」というあたりまえのことを改めて感じさせられました。ものに溢れ、ものに囲まれた生活をしている現代社会ですが、どんなものを使うのか、誰が作ったものを使うのかによってその生活も変わっていくのだろうと感じました。

また、空間全体はもちろん、取っ手や箸を入れる箱など、細かい部分にまでブランディングがなされていることにも驚きました。海外にも積極的に展開しているため、海外からも多くの旅行者が訪れるとのこと。日本人がまだ気付いていない日本の魅力がここにもあるんだろうな、と感じる体験でした。

ちなみに、今回ご紹介したマルナオ以外にも、燕三条エリアには他にも多数のオープンファクトリーがあり、予約をせずともふらっと訪れられるところがたくさんあります。毎年10月・11月には「工場の祭典」として街全体で工場や地場産業を盛り上げるイベントも行われており、毎年新たな取り組みも行われているので、カトラリーや生活雑貨に興味がある方、地場産業やまちづくりに興味がある方はぜひ注目してみてください。

次回、三条編第2弾は、「おだし」の魅力を存分に味わえる新スポット、『ON THE UMAMI TSUBAME SANJO PORT』での体験をお届けします!お楽しみに!

施設概要

店舗名
マルナオ オープンファクトリー
住所
〒959-1107 新潟県三条市矢田1662-1
営業時間
11:00~19:00
入場料
入場無料
定休日
年末年始

Quest! 特別編 -ものづくりの街・新潟県三条市-

第1回:燕三条伝統の木工技術を目の前で体感!『マルナオ オープンファクトリー』

第2回:ものづくりの街・三条ならではの”だし”体験!『ON THE UMAMI TSUBAME SANJO PORT』

第3回:ものづくりの街に息づく伝統的な鍛冶技術を自らの手で体験!『三条鍛冶道場』

第4回:6月中投稿予定

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