みなさんこんにちは!HAKUTENの太田と川津です。

【Quest ! 】は、都内を中心に話題のイベントや新しくオープンした商業施設をHAKUTENが運営するオウンドメディア『THINK EXPERIENCE』編集スタッフが実際に体験し、その様子をお届けするコンテンツです。

今回は特別編ということで、都内を飛び出して新潟県三条市でさまざまな体験をしてきました!

特別編第三弾の今回は、三条市に息づくものづくりを実際に体験できる「三条鍛冶道場」での鍛冶体験についてご紹介します。

目次
1:ものづくりの街ならではの体験施設!「三条鍛冶道場」
2:一本の釘が自分の手で「道具」に!ペーパーナイフ作り
3:伝統的な技術を体で学ぶ!和釘作り
4:ものづくりの現場で得られる「本物」の体験

1. ものづくりの街ならではの体験施設!「三条鍛冶道場」

新潟県中部に位置し、新幹線の駅名から隣の燕市とともに「燕三条」として知られる新潟県三条市。「ものづくりの街」「金属加工の街」としてご存知の方も多いのではないでしょうか。

包丁やカトラリーなど、食器を中心に有名な燕三条エリアですが、近年ではオープンファクトリーやワークショップなど、ものづくりを身近に体験できるスポットや、カフェ、図書館、書店など、新しいお店や施設が多数生まれてきている今注目のエリアなんです。

これまでは、「マルナオ オープンファクトリー」での工場見学の体験と、「ON THE UMAMI TSUBAME SANJO PORT」でのだしを中心にした食や農業の体験をお伝えしてきました。

過去記事はこちら▼

今回ご紹介するのは、伝統のものづくりを実際に体験できる施設「三条鍛冶道場」

「三条鍛冶道場」は三条市が運営している体験研修施設で、鍛冶技術やものづくりへの挑戦精神を伝えるために、2005年に開設されました。ここでは専門の指導員に教わりながら、鍛冶仕事を体験できるんです! 

歴史展示も施設内で行われていますが、私たちは時間の都合で足早に体験コーナーへ。ペーパーナイフ作りと和釘作りを体験しました。

2. 一本の釘が自分の手で「道具」に!ペーパーナイフ作り

まずはペーパーナイフ作りから。

体験とは言いつつも、燃え盛る炎で鉄を熱して、金床の上で叩いたり伸ばしたり、そしてまた熱して…と繰り返しながら本格的に鍛冶仕事の現場を体験できます。

①鎚(つち)で五寸釘の頭を平らにつぶす

②頭をつまんで伸ばしながらねじり、持ち手を作る

③釘の本体部分を潰し、斜めに叩いて刃部分を作る

④研磨して仕上げる(仕上げの工程は職人さんがやってくれます)

一番最後には「越後三条 鍛冶道場」の刻印も入れていただき、30分ほどで完成。

「もっと強く引っ張る!」「力入れすぎ!」「テンポよく叩いて!」など熱い指導を受けながら、どこにでもあるような1本の釘が、自らの手で、目の前で「道具」になっていくのが、なんとも不思議で楽しい体験でした。

ちなみに釘にはかなり柔らかい金属が使われているのですが、火を入れて叩いていくことで徐々に固くなり、刃として紙を切れるほどになるのだとか。鍛冶を通して形状が変わるだけではなく、性質まで変わっていくというのが興味深いですね。

3. 伝統的な技術を体で学ぶ!和釘作り

続いて体験したのが和釘(わくぎ)作り。和釘は寺社や城郭の建築に使われる日本古来の釘のことで、鉄の角材を折り曲げて「階折釘(かいおれくぎ)」と「巻頭釘(まきがしらくぎ)」の2種類の制作を体験できます。燕三条の金属加工は江戸時代、この和釘から始まったと言われており、基礎的かつ伝統的な鍛冶技法を体験できます。

これがなかなか大変で、ペーパーナイフの時は各工程に応じて職人さんにサポートしてもらったのですが、和釘の場合は一度職人さんが作るのを見て、その後は基本的には自分自身で作る、という流れでした。

見て学ぶ、体で学ぶ、ということを普段の生活であまりしていないな、ということを痛感しつつ、「地元産業の実体験で来る小学生の方が上手いかも?」と言われながら、鉄を熱して、叩いて、また熱して、を繰り返していきます。工程は「①頭部分を曲げる」「②先端を尖らせる」「③全体を叩いて歪みを直す」と言葉で書くと簡単なのですが、各工程の中でもそれぞれポイントがあり、一叩きごとに変わっていく形状を見極めながら作っていくのはなかなか難しい体験でした。

最終的にはなんとか完成までたどり着き、「上手くなったんじゃない?」とも言っていただき、一同一安心。

左が「階折釘」、右が「巻頭釘」。

ペーパーナイフのように一般的な用途があるものではありませんが、伝統の技術を体験できるということでこちらもとても興味深い体験でした。丹精込めて作った釘たちなので、インテリアとして使いたいと思います!

4. ものづくりの現場で得られる「本物」の体験

今回は、三条に息づく伝統的なものづくりの体験として、三条鍛冶道場での鍛冶体験について紹介してきました。

第1弾でお伝えしたマルナオ オープンファクトリーでのものづくりの現場に続いて、今度は自分で現場に足を踏み入れてものをつくるという体験。目の前で見たあとに実際に自分の体で体験することで、「ものづくり」という言葉の裏側にある、歴史、伝統、熱意、技術、誇りなど、本当に幅広いものを感じました。

人間は、道具を作ることで進化してきた、という話があります。箸や刃物といった道具が日常生活にあふれているなかで、100円ショップで売られている大量生産のものもあれば、マルナオの箸のように手仕事で作られる道具もあり、三条鍛冶道場のペーパーナイフのように自分自身で作る道具もあります。それぞれの良さがあるのはもちろんですが、手仕事で作られる道具は、作り手と使い手の個性とが混じり合う、人と人とのコミュニケーションの結晶のような存在だと言えるのではないでしょうか。それを人は「本物」というのかもしれません。実際に現場に足を運び、本物を目や体に焼き付ける、という唯一無二の体験ができました。

ペーパーナイフは実用性も高く、また料金もリーズナブルなため外国人や観光客にもとても人気な体験。ものづくりが好きな方はもちろん、最近あまり新しいことを覚えていないなという方も、ぜひ「三条鍛冶道場」に訪れてみてはいかがでしょうか?

次回、三条編最後となる第4弾は、新たな”まちの中心”として人々が集う図書館等複合施設、『まちやま』での体験をお届けします!お楽しみに!

施設概要

施設名
三条鍛冶道場
住所
〒955-0072 新潟県三条市元町11-53
営業時間
9:00~17:00
料金
和釘づくり:500円 ペーパーナイフづくり:1,000円 包丁研ぎ:300円 (中学生以下は半額) 
定休日
月曜日/12月29日から翌年1月3日まで

Quest! 特別編 -ものづくりの街・新潟県三条市-

第1回:燕三条伝統の木工技術を目の前で体感!『マルナオ オープンファクトリー』

第2回:ものづくりの街・三条ならではの”だし”体験!『ON THE UMAMI TSUBAME SANJO PORT』

第3回:ものづくりの街に息づく伝統的な鍛冶技術を自らの手で体験!『三条鍛冶道場』

第4回:6月中投稿予定

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