イベント開催や出展が終わった後、上司や経営層から「成果報告書を作成するように」と依頼されたことはありませんか。多くのイベント担当者が頭を悩ませるのが、この成果報告書の書き方です。

単なる開催結果の羅列では、イベントの真の価値を伝えることはできません。投資した予算に見合った成果があったのか、次回の開催は継続すべきなのか、関係者が判断できる内容にする必要があります。

本記事では、イベント成果報告書の重要性から具体的な書き方、評価されるポイントまでを体系的に解説します。すぐに使えるテンプレートも提供するので、質の高い報告書を効率的に作成できるようになるでしょう。

Index

■イベント成果報告書を書く意義
■イベント成果報告書に書くべき必須項目
■周囲から評価される!イベント成果報告書の書き方のポイント
■次の成功につなげる「KPT」を使ったイベントの振り返り方
■イベント成果報告書のテンプレートと例文【コピペOK】
■まとめ

■イベント成果報告書を書く意義

イベント成果報告書の作成は、単なる事後処理ではありません。次回の成功に向けた改善活動や、関係者との良好な関係構築に不可欠なプロセスです。ここでは、その主なメリットを3つの側面に分けて解説します。

1. 未来の成果を生む「PDCAサイクル」の起点となる

イベント成果報告書は、イベントを「やりっぱなし」にせず、継続的に改善していくための第一歩です。参加者数や売上、SNSでの反響といった客観的なデータを基に成果を評価・検証することで、「何が成功し、何が課題だったのか」を具体的に洗い出すことができます。

この振り返りによって、次回に向けた明確なアクションプランが策定しやすくなり、イベントの品質を向上させるPDCAサイクルを回す起点となります。

2. チームの経験を「組織の資産」として蓄積できる

担当者の記憶の中にしかないイベントのノウハウは、異動や退職とともに失われがちです。成果報告書という形で実績や知見を記録として残すことで、個人の経験を組織全体の資産として蓄積できます。

これにより、担当者が代わってもスムーズな引き継ぎが可能になるほか、社内の他部署へもナレッジを共有しやすくなり、組織全体のイベント企画・運営能力の底上げにつながります。

3. 関係者との信頼を深める「コミュニケーションツール」になる

成果報告書は、社内外のさまざまな関係者との信頼関係を深めるための重要なコミュニケーションツールです。スポンサーや協賛企業に対しては、具体的な成果を示すことで投資対効果を伝え、継続的な支援を得るための根拠となります。

さらに、社内に向けても成果報告書は重要な役割を果たします。イベント運営に関わったメンバーにとっては、自らの努力の成果を数字や反響で実感できるため、大きな達成感と次へのモチベーションに繋がります。また、経営層や他部門に対しては、イベントの投資対効果を明確に示し、次回の予算確保やさらなる協力体制を築くための重要な意思決定資料となります。成功・失敗事例を形式知として組織に蓄積することで、会社全体のイベント運営ノウハウの向上にも貢献するのです。

また、イベントの盛況ぶりや参加者の好意的な反響をまとめたレポートを外部に発信すれば、企業のブランディングやPRに活用できるだけでなく、参加できなかった人々の「次回こそは参加したい」という意欲を高める効果も期待できます。

■イベント成果報告書に書くべき必須項目

「さて、報告書を作ろうにも、一体何から書けばいいんだろう……」

イベントの成果報告書は、単なる情報の寄せ集めではありません。読み手に正しく状況を伝えたり、今後の成果に繋げるための武器になるものです。

ここでは、その設計図の骨格となる、絶対に外せない7つの必須項目を解説します。

1. イベント概要

報告書の冒頭で、イベントの全体像を簡潔に伝える基本情報です。読み手が「ああ、あのイベントのことね」とすぐに理解できるよう、イベント名、目的、日時、場所といった基本情報を過不足なく記載します。

・イベント名(正式名称)
・開催目的、テーマ
・開催日時、場所
・主催者、共催者情報
・対象者、参加者の属性

2. 目標と結果(KPI達成状況)

報告書の中で最も重要な、成果の核心部分です。事前に設定したKPI(目標)と実績を対比し、達成度を明確に示しましょう(例:目標来場者数100名に対し、実績120名=達成率120%)。

イベントの目的に応じて、KPIは次の観点で設定されます。

集客・認知(規模・影響):来場者数/新規来場者比率、メディア掲載数、SNSインプレッション数・ハッシュタグ利用数
ビジネス成果(収益貢献):リード獲得数、商談化数・商談化率、イベント経由の契約数・売上高
満足・エンゲージメント:アンケート回答率・満足度スコア、NPS®、セッション参加率・平均滞在時間、継続参加意向
運営品質(任意):受付待ち時間、配布物回収率、タイムテーブル順守率、問い合わせ対応SLA
コスト効率(任意):CPA(1件当たり獲得単価)、CPL(1リード当たり獲得単価)、1来場者当たりコスト

3. 費用対効果(ROI)

イベントにビジネス的価値があったのかを測るために、費用対効果を明確化するのも重要です。投下した総費用と、それによって得られた売上や広告換算価値を示し、このイベントがビジネスとしてどれだけ価値のある投資だったのかを客観的に証明します。

イベントのROIは、以下の計算式で算出します。

ROI(%) = (イベントによる利益 – 投資額) ÷ 投資額 × 100

4. 当日の様子(写真・実施内容詳細)

会場の熱気や参加者の満足した表情は、イベントの成功を視覚的に伝える強力な証拠です。成果を象徴するような写真を厳選して掲載し、活気あるプログラムの様子や参加者の真剣な眼差しなど、文章だけでは伝わらない当日の雰囲気を伝えましょう。

5. 参加者の声(定性的成果)

「〇〇という話が聞けて、長年の課題が解決できそうです!」といった参加者からの好意的なコメントは、数値データと同じくらい、あるいはそれ以上に価値を持つことがあります。アンケートやSNSからポジティブな“生の声”を引用し、イベントが参加者にとっていかに有益であったかを伝えましょう。

・アンケート回答率と全体的な満足度
・印象的な参加者コメント(原文のまま引用)
・SNSでの言及・拡散状況
・継続参加の希望率

6. 外部からの反響(第三者評価)

メディア掲載やインフルエンサーによる紹介は、いわば第三者からの客観的な評価、すなわち「お墨付き」です。どのような媒体で、どのように取り上げられたかを具体的に示すことで、イベントの社会的価値と信頼性を高めることができます。

また、掲載実績を営業資料に反映することで、商談時の強力な武器となることもあります。

7. 総括と次回への提案

報告書の締めくくりは、単なる感想文ではありません。収集したすべてのデータを基にイベント全体を総括し、「だから次はこうすべきだ」という具体的な改善提案を行います。これが、今回のイベントを未来の成功へとつなげるための、最も重要な「約束」となります。

■周囲から評価される!イベント成果報告書の書き方のポイント

せっかく質の高い情報が詰まった報告書も、読んでもらえなければ意味がありません。特に、多忙な上司や経営層に目を通してもらうには工夫が必要です。

ここでは、あなたの報告書が「読まれ、伝わり、評価される」ための6つのポイントを紹介します。

1. 最初に「結論」を書く

忙しい読み手は、詳細なデータよりもまず「で、結局どうだったの?」という結論を知りたがっています。冒頭で「今回のイベントは目標を120%達成し、大成功でした」といった結論をまず提示し、その後に理由や具体例を続ける「PREP法」を意識しましょう。これにより、読み手は短時間で全体像を把握できます。

・Point(結論):イベント全体の成否判定
・Reason(理由):KPI達成状況、ROI実績
・Example(具体例):参加者の声、外部評価
・Point(再結論):次回への提案と継続判断

2. 客観的な「事実」と主観的な「考察」を分ける

報告書の信頼性を高めるために、「来場者数は120名でした(事実)」と、「この結果から高い満足度が推察されます(考察)」を明確に分けて書きましょう。事実は誰もが納得できる客観的なデータ、考察はあなたの分析や意見です。この2つを混同しないことが、論理的で説得力のある報告書につながります。

その上で次回への提案も加えると、より評価される成果報告書になります。

区分記載内容表現例
事実数値データ、アンケート結果「参加者満足度4.3/5.0を記録」
考察担当者の分析・判断「この結果から高い満足度が推察される」
提案次回への改善案「さらなる満足度向上のため○○を提案」

3. データはグラフで「視覚化」する

数字や文章の羅列は、読み手の頭に入ってきません。目標と実績の比較、参加者属性の割合といったデータは、棒グラフや円グラフを使って「一目瞭然」の状態にしましょう。成果が直感的に伝わるだけでなく、あなたのプレゼンテーション能力の高さも示すことができます。

・KPI達成状況:目標と実績の棒グラフ比較
・参加者属性:円グラフや積み上げ棒グラフ
・アンケート結果:横棒グラフやレーダーチャート
・経年推移:折れ線グラフでトレンド表示

4. 要点はA4用紙1〜2枚にまとめる

伝えたいことが多いのは分かりますが、まずは報告書の要点をA4用紙1〜2枚のサマリーに凝縮しましょう。詳細なデータは別紙にまとめるのが、忙しい相手への「配慮」です。特に経営層は、このサマリーだけで意思決定をすることも少なくありません。

5. 課題や失敗も正直に記載する

成功話ばかりの報告書は、かえって信頼されません。運営上のトラブルや目標未達だった点など、課題や失敗も正直に記載し、その原因分析と改善策をセットで提示しましょう。これは、あなたの誠実さと、次に活かそうという前向きな姿勢を示す絶好の機会です。

例えば、下記のようなポイントを明記していくと良いでしょう。

・運営面での課題とその原因分析
・参加者からの改善要望とその対応方針
・予算執行上の課題と次回への改善策
・スタッフ体制の課題と組織改善提案

6. 読み手に合わせた言葉を選ぶ

「誰に、何を伝えたいのか?」を常に意識しましょう。経営層には「費用対効果」や「事業への貢献」を、現場のチームには「具体的な運営ノウハウ」や「改善点」を、というように、相手の関心事に合わせて情報の見せ方や言葉遣いを調整することが、評価される報告書の最後の秘訣です。

■次の成功につなげる「KPT」を使ったイベントの振り返り方

「振り返りの場で、結局ただの感想や反省会で終わってしまった……」

そんな事態を避け、建設的な議論から具体的なアクションプランを生み出すためのシンプルで強力なフレームワークが「KPT」です。

KPTとは?

KPTとは、振り返りを「Keep(良かったこと・続けるべきこと)」「Problem(課題・問題点)」「Try(次に挑戦すること)」という3つの視点で整理するフレームワークです。この観点に沿って議論することで、チーム全員が同じ方向を向いて、客観的かつ前向きな振り返りを進めることができます。

項目内容着眼点
Keep
(継続)
良かったこと・続けるべきこと成功要因の特定と標準化
Problem
(課題)
課題・問題点・改善が必要なこと失敗要因の分析と対策検討
Try
(挑戦)
次に挑戦すること・新たな取り組み具体的なアクションプランの策定

KPTを使った振り返りの進め方

記憶が新しいうちに、チームで振り返りの時間を設けましょう。付箋などを使って、各自の意見をどんどん出していくのがおすすめです。

1. Problem(課題)の洗い出し:まずは「うまくいかなかったこと」「困ったこと」をすべて書き出します。※個人の責任追及ではなく、事実の洗い出しに集中する
2. Keep(良かった点)の整理:「うまくいったこと」「参加者から褒められたこと」を共有し、成功の要因を分析します。
3. Try(次の一手)の決定:「Problem」を解決し、「Keep」をさらに伸ばすための具体的なアクションを議論し、決定します。
4. 優先順位の設定:数ある「Try」の中から、効果の大きさと実行のしやすさを考慮して、取り組む優先順位を決めます。

報告書への落とし込み方

KPTで整理した内容は、そのまま報告書の「総括」や「次回への提案」パートの骨子となります。「Keep」は成功要因として、「Problem」は改善点として記載し、それに対する具体的な解決策として「Try」を「次回アクションプラン」として提示します。その際、「誰が」「いつまでに」「何を」やるのかまで落とし込むことで、提案が絵に描いた餅で終わるのを防ぎます。

・Keep項目の標準化:成功パターンをマニュアル化
・Problem項目の対策案:根本原因分析と改善策の提示
・Try項目の実行計画:担当者・期限・成果指標の設定
・次回KPIへの反映:改善取り組みの効果測定方法の設計

KPT活用時の注意点

KPTは非常に強力なフレームワークですが、その効果を最大限に引き出すためには、チームで共有しておきたい2つの「約束」があります。やり方を間違えると、せっかくの振り返りが逆効果になりかねません。

1. 「犯人探し」ではなく「仕組みの課題」に焦点を当てる
振り返りの場で最も避けたいのが、「誰が悪かったのか」という個人の責任追及です。KPTの「Problem」は、あくまで「仕組みの課題」を見つけるためのものであり、誰かを責めるためのものではありません。「個人」ではなく「仕組み」に焦点を当てるというルールを徹底することで、誰もが安心して本音を話せる心理的安全性が確保され、より建設的な議論が生まれます。

2. 「Try」を必ず「次への実行」につなげる
「良いアイデアは出たけれど、結局誰もやらずに忘れ去られてしまった…」では、振り返りの時間が無駄になってしまいます。KPTが「ただの話し合い」で終わらないために、「Try」で決まったアクションは、必ず担当者と期限を明確にしましょう。プロジェクト管理ツールにタスクとして登録するなど、「必ず実行される」仕組みにまで落とし込むことが、改善サイクルを回し続けるための鍵となります。

■イベント成果報告書のテンプレートと例文【コピペOK】

これまで解説いたしました7つの必須項目をすべて網羅し、ビジネスシーンでそのままご活用いただけるテンプレートをご用意しました。貴社のイベントに合わせて適宜カスタマイズの上、ご利用ください。

基本構成

本テンプレートは、ご多忙な読み手にもイベントの成果と要点が即座に伝わるよう、冒頭に「エグゼクティブサマリー」を配置しております。初めて報告書を作成される方でも、この構成に沿ってご記入いただくことで、論理的で分かりやすい報告書が完成します。

ページ項目内容詳細(必須7項目との対応)
1エグゼクティブサマリー報告書全体の要約(結論・主要成果・次回提案)
2-3定量的成果1. イベント概要、2. 目標と結果(KPI達成状況)、3. 費用対効果(ROI)を記載
4-5定性的成果と外部評価4. 当日の様子、5. 参加者の声、6. 外部からの反響を記載
6総括と次回への提案7. 総括と次回への提案をKPT分析などを用いて具体的に記載

以下、イベント成果報告書のテンプレートです。

エグゼクティブサマリー【例文】

報告書の要旨です。この1ページでイベントの全体像と成果、今後の展望をご理解いただけるよう、要点を簡潔に記載します。

件名:「〇〇(イベント名)」開催結果のご報告

報告日:2025年XX月XX日

報告者:〇〇部 〇〇 〇〇

1. 総括

2025年XX月XX日に開催いたしました「〇〇」は、主要KPIである「新規リード獲得数」において目標比150%を達成し、費用対効果(ROI)もXXX%と、高い成果を収めることができました。特に〇〇のセッションが好評で、参加者満足度も目標を上回る結果となりました。一方で、一部の集客チャネルにおいて費用対効果の改善が課題として挙げられるため、次回開催に向けてはWeb広告の予算配分見直しが重要です。

2. 主要な成果

新規リード獲得数:目標100件に対し、実績150件(達成率150%)
・商談化数:目標10件に対し、実績15件(達成率150%)
・費用対効果(ROI):XXX%
・参加者満足度:目標4.0に対し、実績4.5(5段階評価)

3. 次回への主な提案

集客施策:費用対効果の高かった〇〇(チャネル名)への予算を重点的に配分し、SNS広告のクリエイティブを改善。
・コンテンツ企画:高い評価をいただいた〇〇セッションのスピンオフ企画を検討。

1. イベント概要【例文】

・イベント名:〇〇(イベントの正式名称)
・開催目的:〇〇(例:新規顧客の獲得、既存顧客との関係強化など)
・開催日時:2025年XX月XX日(X)HH:MM~HH:MM
・開催場所:〇〇(会場名、またはオンライン)
・対象者:〇〇(例:企業のマーケティングご担当者様)

2. 目標と結果(KPI達成状況)【例文】

本イベントで設定したKPIの達成状況は、以下の通りです。

カテゴリKPI項目目標実績達成率
集客・認知総来場者数200名250名125%
ビジネス成果新規リード獲得数100件150件150%
ビジネス成果商談化数10件15件150%
満足度アンケート満足度4.04.5

3. 費用対効果(ROI)【例文】

イベントが事業に対し価値のある投資であったかを客観的に証明します。
本イベントの費用対効果(ROI)は、以下の通り算出いたしました。

総投資額:XXX,XXX円(内訳:会場費、人件費、広告宣伝費など)
・イベントによる利益:XXX,XXX円(内訳:イベント経由の受注額、創出商談からの見込み売上など)
・ROI:XXX%

※ROI(%) = (イベントによる利益 – 投資額) ÷ 投資額 × 100

4. 当日の様子【例文】

当日は開場前から多くの来場者様にお集まりいただき、特に〇〇のセッションでは立ち見が出るほどの盛況となりました。各ブースでも活発な質疑応答が交わされ、終始熱気に満ちた雰囲気でございました。

[写真:基調講演で満席となった会場の様子]

[写真:参加者の皆様が熱心に製品デモをご覧になっている様子]

5. 参加者の声【例文】

アンケートやソーシャルメディアに寄せられた、参加者の皆様からの貴重なご意見です。

  • 「〇〇氏の講演が非常に有益でした。明日からの業務に早速活かしたいと考えております」(40代・マーケティング部長)
  • 「これほど実践的な内容のセミナーは初めてです。長年の課題解決に繋がるヒントをいただきました」(30代・営業企画)
  • SNS(X)より:「#〇〇イベント 参加中。どのセッションも示唆に富んでおり、大変勉強になります」

6. 外部からの反響【例文】

メディア掲載など、第三者からの客観的な評価をご報告します。

  • Webメディア「〇〇(媒体名)」にて、本イベントの開催レポートが掲載されました。(2025/XX/XX)『(記事タイトル)』

7. 総括と次回への提案【例文】

収集したデータを基にイベント全体を総括し、具体的な改善提案をまとめました。

総括

全体として主要KPIを達成し、特に新規リード獲得の面で大きな成果を上げることができました。この要因として、〇〇というテーマ設定がターゲット層のニーズと合致したことが挙げられます。一方で、SNS広告のCPA(顧客獲得単価)が想定を上回り、集客コストの最適化に課題を残す結果となりました。

KPT分析と次回への提案

Keep(成果と評価点・継続すべき事項)Problem(課題・改善点)Try(次回への提案・アクションプラン)
・〇〇をテーマとしたセッションが参加者のニーズに合致し、高い満足度を獲得した点。・SNS広告におけるCPA(顧客獲得単価)が想定を上回り、費用対効果の面で課題が残った点。・今回の配信結果を分析し、より費用対効果の高いクリエイティブとターゲティングに絞ったSNS広告運用を行います。
・〇〇氏による基調講演がイベント全体の権威性と集客力を高め、成功に大きく貢献した点。・アンケートの自由記述欄における回答率が低く、具体的な改善に繋がるご意見を十分に収集できなかった点。・より多くのご意見をいただくため、アンケートにご回答いただいた方へのインセンティブ(特典)提供を新たに検討します。

テンプレートは以上です。

テンプレートを自社の「最強フォーマット」に育てる

このテンプレートは、あくまでスタート地点(雛形)です。一度使って終わりにせず、自社の文化やイベントの特性に合わせて改善を重ね、「最強のフォーマット」へと育てていってください。

まずは、自社のイベント目的や報告文化に合わせて項目を調整することから始めましょう。例えば、BtoB向けならリードの質を、BtoC向けならSNSでの反響を重視するなど、目的に応じてKPI項目を最適化します。具体的には、以下のような点を意識してカスタマイズします。

・業界特性に応じたKPI設定の調整
・社内報告文化に合わせた表現レベルの調整
・読み手(上司・経営層・協賛企業)に応じた内容の最適化
・グラフや表のデザイン統一と視認性の確保

そして、一度使ってみると、「このグラフはもっとこう見せた方が伝わりやすいかも」といった改善点がきっと見えてくるはずです。読み手からのフィードバックも参考にしながら、組織のイベント運営能力の成長に合わせてテンプレートも進化させていきましょう。

■まとめ

イベント成果報告書は、一過性のイベントを「点」から未来の成功につながる「線」へと変えるための重要なプロセスです。戦略的な視点で構成された報告書を作成することで、組織のイベント運営能力を継続的に向上させることができます。

本記事で解説した必須項目や書き方のポイント、そしてKPTフレームワークを活用すれば、きっとあなたの報告書は、周囲から評価され、次につながる価値ある一歩となるはずです。まずは提供したテンプレートを使い、今回のイベントの成果を形に残すことから始めてみてください。

とはいえ、「自社だけで戦略的な報告の仕組みを構築するのは難しい」「イベントの成果をもっと最大化するためのノウハウが知りたい」と感じることもあるかもしれません。

私たち博展は、長年の経験と実績に基づき、イベントの企画から制作、そして成果を可視化する効果測定までをワンストップで支援しています。データに基づいたイベント戦略にご興味のある方、次のイベントを絶対に成功させたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。