「プライベートショーを開催して売上拡大につなげたい!」

コロナ禍を経てリアルな体験の価値が改めて見直される今、そんなふうに考える企業が増えています。しかしながら、プライベートショーは、もはや単なる商品紹介や商談の場ではありません。顧客との絆を深め、長くファンでいてもらうための大切な機会へと進化しているのです。

この記事では、「良いプライベートショーを開催するにはどうすればよいだろう?」とお悩みの担当者様に向けて、プライベートショーを成功させる具体的なノウハウを、実際の事例と合わせて分かりやすく解説します。

Index

■【結論】プライベートショー(自社展示会)を成功に導く秘訣は「WoW体験」
■プライベートショーを成功させるWoW体験とは?
■プライベートショーに求められる「3つの変化」
■事例から学ぶ!人を惹きつけるプライベートショーの作り方
■成功の確率をグッと上げる!WoW体験を企画する4つのコツ
■まとめ

■【結論】プライベートショー(自社展示会)を成功に導く秘訣は「WoW体験」

ただ製品を並べるだけのプライベートショー(自社展示会)では、顧客の記憶に残ることは難しくなっています。

プライベートショーで来場者の心を動かし、「来てよかった」と感じてもらうための鍵は、驚きや感動、そして新たな発見を伴う「WoW体験」です。

そもそもWoW体験とは?

「WoW(ワオ)体験」とは、顧客が文字通り「ワクワクする体験」を指します。これは単なる楽しさだけでなく、ブランドの在り方やそのブランドらしさを体現し、共有できるコンテンツでもあります。

このような体験は顧客の態度変容を生み出す力を持っており、その態度変容こそがプライベートショーなどが目指す「長期視点での成果」を達成するための鍵となります。逆に言えば、WoW体験がなければ顧客の態度変容は起こりにくく、結果として長期的な成果を得ることは難しくなります。

プライベートショーでのWoW体験とは?

プライベートショーにおけるWoW体験とは、単に製品やサービスを展示するだけでなく、来場者がブランドの世界観や理念を深く体感し、心を動かされるような驚きや感動を伴う体験のことを指します。

企業やブランドの世界観やストーリーは、ただ一方的に発信するだけでは顧客や生活者には共感されにくいという課題があります 。この課題を解決する鍵が、プライベートショーのような場で提供される「体験」です 。体験は、抽象的な理念を「自分ゴト化」させ、深い理解と共感(腹落ち感)を生む強力な手段となります。

WoW体験は、この「体験」の効果を最大化し、来場者をブランドの熱心なファンへと導くための重要な仕掛けと言えるでしょう。

■プライベートショーを成功させるWoW体験とは?

WoW体験と聞くと、何か派手な演出をイメージするかもしれません。しかし実際には、来場者の心をグッと掴み、「なるほど!」や「すごい!」といった感情を引き出し、ブランドへの見方を変えるほどの体験のことを指します。

効果的なWoW体験は、以下の3つの要素で成り立っています。これらを意識するだけで、企画内容がもっと魅力的になります。

要素1:期待を超える「驚き」

来場者の予想を良い意味で裏切る「驚き」は、WoW体験の入口です。大切なのは、奇抜さではなく、自社のブランドらしさが伝わる創意工夫です。

例えば、新製品の発表会で、難しい技術説明の代わりに、その技術がある未来の暮らしを再現した部屋を用意するなど、ちょっとした発想の転換が来場者の心を掴みます。

要素2:思わず誰かに話したくなる「感動」

感動は、理屈を超えて人の心に直接響きます。自社の歴史や製品開発に込められた想いをストーリーとして伝えることで、「この会社、素敵だな」という共感を生み出します。そんな風に心を動かされたお客様は、きっとあなたの会社の強力な応援団になってくれるはずです。

要素3:明日からのヒントになる「発見」

「こんな使い方があったんだ!」「この製品が私たちの悩みを解決してくれるかも」—。来場者にそんな「発見」を提供できれば、イベントはさらに有意義なものになります。製品やサービスの新たな可能性に気づいてもらうことで、お客様はただの情報を受け取る側から、未来を一緒に創るパートナーへと変わっていくのです。

■プライベートショーに求められる「3つの変化」

プライベートショーを取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わりました。単に製品を売るだけでなく、もっと大きな視点での価値提供が求められています。

この変化の波を乗りこなすために、WoW体験がいかに重要かを見ていきましょう。

変化1:「やっぱりリアルがいい!」体験重視への回帰

オンライン会議やウェビナーが当たり前になった一方で、「デジタル疲れ」を感じる人も増えています。そんな今だからこそ、五感で感じる「記憶に残る体験」の価値が急上昇しています。

歩き回り、直接会話し、実物を触って試したりと、デジタルでは決して真似できない体験こそが、リアルイベント最大の武器です。

変化2:「一緒に未来をつくりたい!」共創マインドの高まり

今のお客様は、ただ製品を買うだけでは満足しません。「この会社と一緒に何か面白いことをしたい」——そんなパートナーとしての関係を求めています。

だからこそ、プライベートショーでは、お客様と対話し、共に未来を考えるような場作りが不可欠です。

変化3:「この会社らしさが好き!」個性の共有

世の中には良い製品やサービスが溢れています。その中で選ばれるためには、機能や価格だけでなく、「この会社ならではの魅力」、つまり「らしさ」を伝えることが非常に重要です。WoW体験は、言葉だけでは伝わらないその会社独自の空気感や価値観を、肌で感じてもらうための絶好の機会なのです。

■事例から学ぶ!人を惹きつけるプライベートショーの作り方

「WoW体験の設計って、具体的にどうすればいいの?」

そんな疑問にお答えするため、実際に多くの人を魅了した3つのイベント事例をご紹介します。これらの事例から、プライベートショーにおける費用対効果の高いWoW体験の設計方法を学ぶことができます。

業界や目的は違えど、成功のヒントは共通しています。自社の企画に活かせるアイディアがきっと見つかるはずです。

事例1:野村不動産株式会社様 あなたの未来のくらしと時間展

野村不動産の住宅事業60周年とマンションブランド「プラウド」20周年を記念して開催された、マンションオーナー様向けのプライベートショーです。来場者への感謝を伝えるという目的のもと、「野村不動産が描く未来の時間」を体験してもらうというコンセプトで、5つの時間をテーマにしたコンテンツが実施されました。「過去~現在そして未来へ」と続く構成で、ヒストリー展示から未来展示エリアへと来場者を導き、ブランドが描く未来の豊かさを共有しました。

このイベントの体験設計は、単に未来の技術を見せるだけでなく、それが「くらしの時間をどう豊かに変えるか」という具体的なシーンに落とし込んでいる点が特徴です 。来場者が自分たちの未来の生活を想像しやすくなるよう5つのテーマが設定され、各コーナーで未来のくらしを感じられるWoW体験を提供しました。

未来の「会う」時間:マンションの中庭を模したリアルな模型とモニターを組み合わせ、来場者が仮想的にコミュニケーションを体験できる展示です 。モニターにはリアルタイムで映像が合成され、新しいコミュニティの形を直感的に伝えています 。
・未来の「学ぶ」時間:壁一面をキャンバスに自由にお絵かきができる体験です 。実物大の動物などをスタンプで登場させることができ、子どもが遊びながらリアルなサイズ感を学べる工夫がされています 。
・未来の「楽しむ」時間:スイッチ一つで家具が自動で動き、部屋のレイアウトが「シアターモード」や「パーティモード」などに変化します 。これにより、一つの空間が多様な楽しみ方を提供できる可能性を示しています 。
・未来の「食べる」時間:キッチンの正面にレシピの調理工程が映し出されるという、料理体験をよりスムーズで楽しくするアイディアです 。
・未来の「休む」時間:床が全面柔らかい素材でできた空間で、天井に映し出される映像を見ながらリラックスできる体験です 。ただ寝るだけでない、新しい休息の形を提案しています 。

事例2:タカラベルモント株式会社様 TWBC2022

TWBCは、理美容機器の総合メーカーであるタカラベルモントが主催した体験型の展示イベントです。会場では体験型展示ブース、ヘアショー、基調講演、ビジネスセミナーなど多くのコンテンツが展開されました。

イベントテーマである「WHAT IS BEAUTIFUL?」を来場者と共に考え共有する参加型の施策や、オリジナルシャンプーづくり体験などを通じて、業界の未来創造に向けた「共創」を印象づけ、顧客との関係性強化を図りました。

このイベントでは、来場者が主体的に関われる多様な体験が用意されているのが特徴です。「WHAT IS BEAUTIFUL?」というテーマを来場者と共に考え、共有する参加型の施策として、SNS投稿が会場中央のタワーに投影される「BEAUTY TOWER」が企画されました 。

その他にも、来場者が「美しい」をテーマに言葉やイラストを自由に描けるメッセージコーナー 、楽しみながら製品への期待感を高めるオリジナルシャンプーづくり体験 、天井の映像とアロマで五感に働きかける非日常的なヘッドスパ体験 など、記憶に残るWoW体験が多数展開されました。

「美しい人生を、かなえよう」という企業のパーパス(存在意義)を発信するなど 、ブランド価値向上につながる施策も盛り込まれています 。

■成功の確率をグッと上げる!WoW体験を企画する4つのコツ

人を感動させる体験は、単なる思いつきだけでは生まれません。ここでは、企画を成功に導くための大切なコツを4つご紹介します。

これらのコツを意識するだけで、企画の精度が格段にアップします。

コツ1:イベント全体を1つの「物語」として考える

WoW体験をイベントの一部分(点)ではなく、招待状が届く前からイベントが終わった後まで続く一つの物語(線)として設計しましょう。
来場者が会場につくまでのワクワク感、会場での体験、そして帰宅後の心地よい余韻まで、すべてが一貫したストーリーでつながっていることが理想です。

コツ2:「自分ごと化」させる3つの魔法をかける

ただ見るだけの体験では、人の心には残りません。来場者が「これは私のための体験だ!」と感じられるように、以下の3つの魔法をかけてみましょう。

・インタラクティブ:来場者のアクションに反応する、打てば響くような手ごたえのあるコンテンツ
・パーソナライズ:「自分だけ特別に」を感じさせる
・参加型:他者と体験を共有する

コツ3:思わず「シェアしたくなる」仕掛けを用意する

体験した感動や驚きを、来場者が思わず誰かに話したくなったり、SNSで自慢したくなったりするような仕掛けを用意しましょう。これにより、体験価値が拡散され、イベントの効果を最大化できます。

素敵な写真が撮れるフォトスポットはもちろん、「こんな面白い体験したんだ!」と語りたくなるようなストーリー性のある体験が、口コミの輪を広げ、イベントの効果を何倍にもしてくれます。

コツ4:体験の先に「ブランドの顔」が見えるようにする

これが最も重要です。どんなに楽しい体験でも、それが「どこの会社のイベントだったっけ?」と思われては意味がありません。体験の驚きや感動が、最終的に「この会社は、こういうことを大切にしているんだな」というブランドの存在意義(パーパス)への理解と共感に繋がるように設計しましょう。これこそが、お客様が長くファンでいてくれる理由になります。

■まとめ

これらのプライベートショーに求められるのは、単なる商品紹介ではありません。来場者の期待を超え、心と心が通い合うようなコミュニケーション、そして「この会社と出会えてよかった」と思えるような戦略的な「WoW体験」です。

成功の鍵は、全体ジャーニーの設計、インタラクティブ要素の織り込み、シェア環境の整備、そしてブランドパーパスの体現という4つのコツにあります。

本記事で紹介したヒントや事例などを参考に、ぜひ貴社のプライベートショーを、お客様の記憶に深く刻まれ、未来へと繋がる特別な一日にしてください。

もし、「何から手をつければいいか分からない」「自社ならではのWoW体験のアイディアが欲しい」とお悩みでしたら、ぜひ一度、博展にご相談ください。リアルイベントにおける体験価値創造のプロフェッショナルとして、企画立案から空間デザイン、当日の運営まで、ワンストップで貴社のプライベートショー成功をサポートします。

また、プライベートショーを成功に導くWoW体験についてより分かりやすくまとめた資料をご用意しました。ぜひこちらからダウンロードしてみてください。