目次
1:Withコロナ時代のいま、求められているオンライン化
2:オンライン化の現状と効果最大化に必要な3つのキーワード
3:ハイブリット型企画3つのパターン
4:オンライン化ではなく、ハイブリット化の時代へ

Withコロナ時代のいま、求められているオンライン化

昨今のコロナ禍を受けて社会にあふれているオンラインソリューション。
セミナーやインサイドセールス、オンライン展示会など多岐に渡るが、それらは果たしてこの先も効果が見込めるのだろうか。

博展は長年、オンライン / オフラインに関わらず、顧客体験を重視したコミュニケーションデザインを行ってきた。今回は弊社プランニング局長の田上より、オンラインとオフラインの融合によって顧客満足度を最大化させる”ハイブリットコミュニケーションデザイン”について話していきたい。

オンライン化の現状と効果最大化に必要な3つのキーワード

新型コロナウイルスの流行後、企業のマーケティングは2段階で進行している。
ファーストステップとしてイベント等の顧客接点機会におけるオンライン化。
そしてセカンドステップとしては、VRコンテンツの普及。

両者とも今までリアルで行っていたコンテンツをオンラインに移行しただけであり、それらはもうすでに世の中では一般化してきているように見える。
ほかにも多種多様な広がりを見せてきた今、マーケティングはオンラインとオフラインの連携へと変化を遂げた。リアルの体験を活かした上で、オンラインと融合させ、どう効果を最大化していくか。我々博展は顧客体験の軸となる3つのキーワードを掲げた。

#モーメント
イベントにおいて、オフラインとオンラインに関わらず、時系列に沿ってどのような意味を持たせるか。各ステップでどのように視聴者のモチベーションを最大化させるか、戦略的に設計する。

#コミュニケーション
イベント / 非日常の体験を活かしてどのようにターゲットとコミュニケーションを図っていくのか。

#コンテンツ
オフライン / オンラインの特性を活かしつつ、臨場感があり、型にはまらない魅力的なコンテンツにできているか。

この3つのキーワードがどのようにオンライン / オフラインを組み合わせたハイブリット型コミュニケーションデザインへと落とし込まれているのか。
多くのクライアントとの会話から見えてきた3つのパターンに分け、成功の秘訣を紐解いていく。

ハイブリット型企画3つのパターン

ファン育成型

時系列で顧客とのコミュニケーションを設計するパターン。
まずセミナーなどのインプットコンテンツやファン特設サイトなど、オンラインの特別コンテンツを作り、その終着点として直接的なファンミーティングやセレモニー等の集大成の場をオフラインで行う。
成功のカギとなるのは以下の2つのポイントである。

常時と違うターゲットをあらかじめ設定する
体験という非日常の拡張を狙っていくため、普段行き着かない新規層 / 地方の層など、普段おもてなしができていない上位のトップ層などにもアプローチすることができる。

一定期間時系列でゴールを決める
単発ではなく、シリーズ化をする等、長期的施策として企画を立てる。イベントを軸において各段階でコンテンツに意味付けをすることで、フィナーレのオフラインイベントまでグラデーション状にモチベーションを最大化させる。

言い換えればこの手法は、ファン育成の仕組みのようなものである。
会員登録やポイント制度を導入し、フィナーレのオフラインイベントにて達成の報酬のようなものがもらえる等の仕掛けを設けることで、顧客とより強いリレーションを築くことができるのだ。

VR / オンライン体験型

オンライン上にVRの空間コンテンツを作り上げ、製品のご紹介やコミュニケーションの場を設けるパターン。
ストーリー / ゲーム性があることが重要になるが、自由に空間を作れるため、将来的に製品のプロトタイプを発表することも可能かもしれない。

ここで重要になるキーワードは #コミュニケーション
VRコンテンツの中身も大切であるが、おさえるべきポイントは意思疎通を図るためのチャット / メール機能をいかに上手く運用した設計ができるか。顧客のセグメント別に案内の方法を分けるなど、ターゲットに繋げる活動をデザインすることで、従来のイベントのようにオンラインのコンテンツでありながら、KPIを商談数やその売り上げ見込みに設定できるだろう。

リアルイベントからの拡張型

近年盛んに行われているリアルイベントのコンテンツをオンライン配信に移行するというパターン。
しかしオンライン化が主流になった今は、コンテンツ内容に工夫を凝らし、来場者 / ファンとの間に密なコミュニケーションを築いていくことが効果を最大化させるカギになるのではないだろうか。

最近では人気アーティストグループが配信に力を入れているという事例も多く見られる。オンライン会員には、特典として他では販売されていない限定のオフショットをプレゼントするなどの仕組みが多数盛り込まれていたという。こうすることで単なるオンライン配信だけではない付加価値を見出すことができるのだ。

このように、VIPなユーザーのために特別な体験を用意することや、オンラインでの視聴者もオフラインの場に誘導することなど、限定感を上手に醸成することが効果的だ。

オンライン化ではなく、ハイブリット化の時代へ

これからのオンライン化は、単なる中継やそのアーカイブ化というわけではなく、その中での顧客の体験に付加価値を作っていかなければならない。
オンラインとオフラインを独立した事象として捉えるのではなく、オンラインとオフラインを融合させ、双方のメリットを最大限に発揮させる企画戦略設計をしていく”ハイブリットコミュニケーション”が重要である。