BtoB業界においても、2020年上旬からは対面での営業活動ができなくなり、商談や展示会、セミナーなどの様々な顧客接点のオンラインシフトが急激に加速しました。
今まで顧客リード獲得を目的とした接点は展示会や主催セミナーが中心となっていましたが、今後はそこにオンラインセミナーも加わり、カスタマージャーニーの設計がさらに難しくなってきています。

展示会などリアルな顧客接点も徐々に再開している現在において、これから描いていくべきカスタマージャーニーはオンラインだけ、オフラインだけではなく、その双方の特徴を理解したハイブリットなジャーニー設計が求められます。

そこで今回はオンラインセミナーと展示会を活用した顧客接点の最適解を描く秘訣をご紹介!BtoBマーケティングにおいて新規リード獲得にお悩みの方必見です!

目次
1:BtoBマーケティングにおける顧客接点のトレンド
2:オンラインセミナーのメリット/ デメリットとは?
3:デジタルシフトで変化した展示会の特徴

1.BtoBマーケティングにおける顧客接点のトレンド

2020年のBtoB市場動向

2020年、BtoB市場においてもオンラインシフトは急速に進み、顧客接点の多くがオフラインからオンラインへと移行しました。

緊急事態宣言が最初に発令された当初は全てのビジネスイベントが中止となりましたが、その後にはIT業界を中心にオンラインセミナーが開催されるようになったことを契機に、他業種にも新規顧客との接点をオンラインシフトする流れが増加し、今ではオンラインセミナーが乱立している状態です。

規制レベルとB to B市場動向

しかし、展示会や商談会など従来あったオフラインでの顧客接点全てをオンラインによって補完することは難しく、今後はオンラインとオフラインを組み合わせたいわゆるハイブリッドな顧客接点が求められると予測されます。

展示会などのイベントが再開し始めた今、ハイブリットな顧客接点を設計する動きが高まっていますが、単にオンラインセミナーと展示会両方を実施するだけでは効果はなかなか出ません。

では、効果を最大化するためには何が必要なのでしょう?
ハイブリットな顧客接点を設計する際のポイントをご紹介します。

ハイブリットな顧客接点の狙いと設計のポイント

オンラインとオフラインをシームレスに繋ぐハイブリットな顧客接点を設計する最大の目的は顧客接点の数を増やし、顧客関係性をさらに高めることです。

そのためにはオンラインセミナーと展示会それぞれの特徴を理解した適切なコミュニケーション設計が重要です。

例えば、今までは展示会で獲得したリードはテレマーケティングに回してアポイントへと繋ぐことが主流でしたが、オンラインセミナーで獲得したリードをテレマーケティングへ回すと、熱量のミスマッチによりうまく商談へつながらないケースも発生します。

このようなケースを防ぐためにも、
展示会とオンラインセミナーの性質の違いを理解したうえで営業フローを再構築することが必要です。

では、展示会とオンラインセミナーの性質の違いとはどのようなものでしょうか?
まずはオンラインセミナー視聴者の特性から説明します。

2. オンラインセミナー視聴者の特性

弊社セミナー認知経路調査結果

弊社が運営するメディアで開催したオンラインセミナーのアンケート結果では、
“知人からの紹介”という認知経路が2位にランクイン!

およそ80名が“口コミ”でセミナーに登録をしています。

オンラインセミナー視聴目的 (ファストマーケティング社によるリサーチ結果より)

また、ファストマーケティング社によるリサーチによると役立つ情報や業界のトレンドを学ぶことを目的とした視聴が多いという調査結果もあります。

オンラインセミナーの最大のメリットは“少ないリソースで同時に多くの顧客と接点を創出できる”ことですが、一方でセミナー参加に対する心理的ハードルが下がったことにより、オンラインセミナーの視聴者は「熱心にそのセミナーを視聴する」というよりは、「何かしら有用な情報があればいい」くらいの気軽な視聴が増えています

引用元:https://fastmarketing-pro.com/btob-research-200919/

つまり、オンラインセミナーの視聴者はややCoolな顧客であるという認識が必要です。

では、次に展示会の変化について考察していきましょう。

3. デジタルシフトで変化した展示会の特徴

まずは展示会の来場者数推移を見てみましょう。

展示会における前回比来場比率(2020年2月~2021年2月)

こちらは開催された全ての展示会の来場者数を前回を100%として表したものです。
展示会は3-7月まで開催中止していましたが、8月以降は再開し、第2波 ・第3波の状況下でも対策を講じて実施。
来場者数も第3波では落ち込んだものの、昨年比50%程度まで回復傾向にあります。

上記グラフをもとに展示会主催者が発表している展示会来場者数の推移をみてみると、年末の第3波を除くと、10月ごろから作対比来場者数が40−50%程度で推移しており、以前の賑わいとまではいかないまでも来場者が戻ってきていることがわかります。

出展している企業のご担当者はどのように考えているのでしょうか?

弊社で展示会出展企業のご担当者を対象にアンケートを行ったところ、
「出展の効果を見込めると判断したから」
「アピールしたい製品がある」
というポジティブな動機から出展を決意した方が約83%という結果になりました。

さらに、出展した感覚も「悪かった/非常に悪かった」という回答が2割程度だったことから、多くの出展社にとっては期待通りの出展効果が出ていることがわかりました。

また、展示会担当者へのインタビューでは、
「来場者に目的や課題を明確に持った人が多く、商談になりやすい。」
「来場者は例年の半数程度だが、商談につながるリード獲得数はほぼ変わらない」
「展示会のリード数はやはり減少しているのでオンライン等の補完手段を考えなくては…」
などといった“来場者層の変化”を実感する声や、“オンラインとの組み合わせ”を検討する声が多く上がりました。

4.オン/オフラインを組み合わせたハイブリッドな顧客接点の描き方

来場のハードルが上がり、獲得できる新規リード数は減ったものの購買意欲の高いHotな顧客と出会う機会が増えた展示会。
裾野を広げ幅広い顧客との接点を持つことは可能になったものの、購買意欲の低いCoolな顧客も多く、商談につなげるのは難しいオンラインセミナー。

顧客の購買意欲を各接点でしっかり見極め、展示会とオンラインセミナーの性質をおさえたうえで効果的に活用することが求められる時代に突入しています。
展示会とオンラインセミナーを分けて考えるのではなく、目的や顧客の温度感に合わせてセレクトする手法で新規リード獲得を促進しましょう!