ニューノーマルの今、BtoBマーケティングにおいて展示会とオンラインセミナーを効果的に活用できずにお悩みの方も多いのではないでしょうか?

今回はインターパーク社(以下IP)COO 高井氏と博展グループ会社のスプラシア(以下SP)代表 中島が、リアル展示会の”今”とオンラインセミナーの”実態”を徹底解剖!
BtoBマーケター必見!展示会市場の実態から費用対効果、予算を決定するうえでのポイントまで網羅的にお話しします。

スピーカー紹介

Agenda
1:昨今の展示会事情って実際どうなの??
2:展示会の費用対効果はどう見るべき?
3:オンラインセミナー成功の秘訣
4:オンラインイベントはリアル展示会の代替になり得る?
5:アフターコロナにおける予算のかけどころは?

昨今の展示会事情って実際どうなの??

中島(SP):
高井さん、本日はよろしくお願いいたします。
さっそく1つ目のテーマに行きたいと思いますが、インターパーク様は昨年も多くの展示会のご出展なさっていたということで、出展した感想をお聞かせください。

高井(IP):
延期になってしまったものもありますが、ここ1年で私たちは3回展示会に出展しています。実際に出展した展示会では、コロナ禍以前と比べて来場者数は2〜3割まで減少していますが、リード獲得数はコロナ禍以前とほぼ変わっていません。
ソーシャルディスタンスを確保したうえで少数の方とのコミュニケーションには限定されてしまいますが、マーケティング視点で展示会への出展はありだなと感じていますね。

中島(SP):
来場者に直近で解決したい課題がある人が多いなど、リードの質が高いということでしょうか?

高井(IP):
そうですね。受注数の伸びも比較的良かったです。
今までの展示会は“ふらっと立ち寄った”来場者の数が多かったのですが、今は明確に課題感 / 目的をもって来場するケースが非常に多くなりました。マッチング精度が今までの展示会より高くなっていますね。

中島(SP):
インターパーク様は比較的小さめのコマでコンパクトに出展をし、高い成果を出している印象があるのですが、あえて小さいコマで出展する理由を教えていただけますか?

高井(IP):
今は小さいコマ数で頻度よく出展するのが一番効果的なのだと考えているからです。
来場者数が減っているので、大きいコマのブースを立てても人を入れきることができないですから。

リアル展示会の普遍的な価値とは?

中島(SP):
続いて、「リアル展示会の普遍的な価値とは?」というテーマでお話ししていきましょう。
事前にお打ち合わせをした際におっしゃっていた「リアルなマッチングとコミュニケーション。
コロナ禍を経て、その価値は高まる。」という言葉がとても印象に残っております。
この点についてご解説いただいてもよろしいですか?

高井(IP):
人になかなか会いづらい今、“人と人とが会う価値が高まる”のはどの分野にも言えることだと思います。展示会という対面でのマッチングの場は、その価値が高まるでしょう。
オンラインではどうしてもコミュニケーションが浅くなってしまうので、深い関係を築くという点で展示会というマーケティングチャネルはとても効果的だと思いますよ。
出展側としても様々な情報を深く伝えることができるので、参加者側もオンラインとはまた違う、濃い情報得られるということです。

中島(SP):
出展側は展示会に参加する価値を高める努力もしなくてはいけないですね。

高井(IP):
そのためにはオンラインとリアルの特性をしっかり理解し、適切な方法で活用しなくてはいけません。
オンラインでは、データを小分け且つ頻繁に提供してコミュニケーションをとる方法が一番有効。コンスタントに接点を持ち続けることで、自分という人間をよく知ってもらうことが可能になります。

対してリアルの場合は、顔を合わせてコミュニケ―ジョンが取れる分、一度で自分という人間や自社の商品について詳しく知ってもらうことができますね。
マーケティングチャネルに合わせて手法を再検討 / 再構築する必要あります。

中島(SP):
展示会とオンラインでは武器や適性が異なるため、そこを見極めながらコミュニケ―ションの設計をする必要があるんですね。

高井(IP):
今まで展示会は、一方的な発信という広告的な印象が強かったのですが、どちらかというとSNSのようなコミュニケーションの考え方のほうがフィットすると感じています。
展示会の在り方自体が、コミュニケーションの場に変容していくのでしょう。

中島(SP):
かつては展示会の主催企業がレギュレーションに商談スペースを設けることを記載していましたからね。
Withコロナの今は、長時間コミュニケーションをとることは感染のリスクもありますし…どうやって効果を出すべきなのか未だに答えが出せずにいます。

高井(IP):
BtoBマーケティングにおいては、接点の数が最も重要です。
展示会で社員と話したということは、たとえそれが1分という短い時間だったとしても1つの接点になります。
コミュニケーションのバランスは社会情勢を見ながら調整すべき内容なので、Withコロナとアフターコロナによってその扱いは変わってくるのかもしれません。

展示会の費用対効果はどう見るべき?

高井(IP):
展示会の費用対効果は、長期的に見たほうが良いです。
展示会は、マーケティングのチャネルで考えると効果を出しやすいものだと思っています。

やはり、人が動けるマーケティングチャネルは1番リッチなんです。

展示会は人が動いて説明したり臨機応変に対応したりできるため、
他の商品と比較した自社の商品の詳細な魅力を訴求しやすいのです。

マーケティングにはリード獲得 / イメージ獲得の2種類の考え方があります。
リード獲得の場合は0.5小間程の小さい小間で、イメージ獲得の場合は最低1.5小間以上で出展するなど、その目的に合わせて使い分けをした方が良いですね。

しかし、0.5小間→1.5小間に拡大しても展示会の費用対効果にほぼ違いはありません。
費用対効果が同じでは1小間分無駄なのではないかと思いがちですが、イメージ獲得ができると顧客単価を上げることができます。1小間分でブランド認知度を向上し、単価をあげることも可能になるということですね。

中島(SP):
実は展示会の効果を短期的に出していくことは難しく、
インサイドセールス / MA / 他のマーケティングチャネルを絡めたフォローが前提であり、
長期的な視点が必要だということですよね?

高井(IP):
これは完全にセットですね。

中島(SP):
そのうえで、リードチャネルを重ねて受注に近づけることが重要ですね。
オンライン / リアルに関わらず、なるべく多くの接点をクライアントと作るべきなのですね。

高井(IP):
バント効果で受注に至ることも意外と多いです。
ウェブ問い合わせから展示会に参加いただいて、そのあと受注に至ったとか。

頭をやわらかく、様々な手法を活用することが大事ですね。
短期の話になると難しいですが、接点数を重ねていけば案件化を押し出していけると思います。
今の時期は接点をいろんなところで重ねるのが得策だと思いますよ。

オンラインセミナー成功の秘訣に迫る!
インターパーク社におけるオンライン施策の捉え方とは

中島(SP):
ここまでリアル展示会のお話をしていただきましたが、ここからはオンライン側のお話をお伺いしていきたいと思います。
インターパークはウェビナーを行っていると思いますが、どのような内容 / 目的でしょうか?

高井(IP):
ウェビナーにはブランディング系 / マーケティング系の2種類あります。
今回ご紹介するのはブランディング系のウェビナー。

ウェビナーを開催するときはメディア的な視点を意識しています。
テレビマンとして働いていた経験を活かして、ニッチメディアとしてのウェビナーを企画。
1つのテーマを立て、それにまつわる人物を集めたトークセミナーを基本に企画を設計していますね。

<BtoBマーケティングのチャネルにおける各ウェビナーの役割>

中島(SP):
インターパークが開催するセミナーはコンテンツとして質が高く、とても面白いセミナーが多いですよね。
ブランディング系セミナーにおいて、集客から成果の計り方ってどのように考えていますか?

高井(IP):
正直ブランディング系のセミナーはたくさん見てもらえればいいかなと考えています(笑)

中島(SP):
なるほど(笑)
それでは社内でKPIを設計していないということですか…?

高井(IP):
ウェビナーでKPIは決めていないですね。
そのあとの営業のフェーズには設けていますが。
ウェビナーは、1000〜2000人集客して受注数1という程度だと考えていますし。

中島(SP):
なるほど、、
少し話が変わりますが、先ほど「メディアの視点」というお話がありましたが、具体的にお話しいただけますか?

高井(IP):
“メディアの方を巻き込んでやる”意識が非常に重要だということです。
以前セミナーを開催した際は、ウェビナー後に作成いただいた記事を更にNews Picksにもっていきました。News Picksでも400pickくらいついたかな?

中島(SP):
やはりメディアからお問い合わせにつながるまでのスピード感は早いですか?

高井(IP):
すぐリード化したい、すぐに受注したいという視点ではやる意味が本当にあるのかな?と思ってしまうかもしれません。
その時点でウェビナーをやめてしまう企業が多いようにも感じます。

我々はブランディングの文脈でメディアを活用しているので、リードの獲得というより認知の獲得が目的であり、顧客単価を上げるために活用していますね。

中島(SP):
確かに、BtoBマーケティングにおいてもブランディングの視点は重要になりますね。
そういえば、高井さんはTwitterでもキャンペーンをされてましたよね。

高井(IP):
BtoBマーケティングでTwitterをどう活用するかを検討する中で、変化球の施策としてTwitterキャンペーンを行ってみました。「RTで資料配布します」というキャンペーンを頻繁に行っているのですが、今回はそれとウェビナーを掛け合わせてみました。

ウェビナー前に「BtoBマーケティングってどういったものなの?」という事前知識をまとめた資料を作成し、RTしてくれた方にDMで資料を送付。
DMで「ウェビナーに来てね」というメッセージを添えていましたね。
950RTをいただいて、50〜60人の参加を促すことができました。

インターパークでは、ウェビナー / Twitter / PRをそれぞれ単独で行うのではなく、全て繋げています。例えば、僕はよくnoteを書くのですが、それをそのまま営業活動としてメディアに持っていきます。メディア側もリソースが足りていないことも多く、記事にして下さることも多いですよ。

ウェビナーで行った集客方法を「ウェビナーで700人集客した方法」とnoteで紹介するなど、ずっとぐるぐる巡らせている感じですね。

中島(SP):
巡らせながらも、効果 / 成果を長期的に考えていくことが重要なのですね。
受注したデータを確認すると、“ウェビナーに3回参加してから受注”といったパターンも多くありますし、いろいろなチャネルで接点数を多く持つと、案件は押し出されてくるのかもしれませんね。

オンラインイベントはリアル展示会の代替になり得る?

高井(IP):
ここ1年でMQL(Marketing Qualified Lead) / SQL(Sales Qualified Lead)という言葉が流行っていますよね。
MQL手前のMQL、SQL手前のSQLなど、リードの質がさらに細分化されています。

展示会はどちらかというとMQL 、もしくはSQLにそのままなる場合もありますね。
対してオンラインイベントはMQL の手前のMQLが多いと思います。
つまり、オンラインの施策はリードをたくさん集める役割になりますね。

展示会よりも予算をかけずに、そこそこ頻度よくオンラインイベントに参加できる状態を保つことができたら、展示会とオンラインイベントはうまく機能するのではないかと考えています。

私はオンラインイベントというとウェビナーのイメージが強く、オンライン展示会にまだ参加したことがありません。オンライン展示会って実際どうなんですか?

中島(SP):
オンライン展示会も同様に、出展して得たリードに対して営業をかけに行くのですが、リアル展示会に比べると次につながる割合が低いのが現状です。
リードの数は取れますが、次につながりにくいという課題があるのかもしれません。

ウェビナーと展示会のちょうど真ん中がオンライン展示会のポジションなのかな、と思っています。

高井(IP):
なるほど。
では、オンライン展示会と展示会ってどうやって使い分けていったらいいのでしょうか?

中島(SP):
オンライン展示会の成功方法や決まった型を確立できておらず、まだ見極められていないのが現状です。個々の展示会のリード獲得におけるルールを正しく理解していないと損するものもあれば、想像以上のリードがあることも…難しさを体感しています。

対して、ウェビナーと展示会の組み合わせは成功事例が着々と増えてきています。
展示会ブースでデモをしている様子を撮影し、事後報告として「アフターウェビナーやりますよ」と広報すれば様々な要因で来場できなかった層がウェビナーに参加する傾向にありますね。

このように事後報告的にウェビナーを行う“ハイブリット”と呼ばれる型は成功実績も多く、スタンダード化していますね。

高井(IP):
オンラインを活用した“ハイブリット型”は、コンサルティングとかHRなどの無形商材との相性がいいなと感じています。確実に売り上げにコンバージョンできますし。

対して食品関係などの有形商材は相性がイマイチなのではないかと感じました。
ウェブはチャネルによって相性が顕著に分かれますからね。

中島(SP):
そうなんですよね。
どうやってアプローチできるかを我々としても考えていきたいと思っています。
例えば、食品系のメーカー様であれば、参加者に事前にサンプルを送付し、そのあとにセミナーを行うという形にしてみたり、製造業様では主催者が出展者の製品をしっかりキュレーションしてあげたり。

普段プロダクトアウトで謳っていることを違う目線 / 切り口で参加者に伝えることでオンラインコンテンツの価値を高めようとしています。

高井(IP):
なるほど。プロの介入余地が数多くありそうですね。

リード獲得から受注までのチーム作り

中島(SP):
リード獲得から受注までのそれぞれのフェーズでオンラインの介入が起きています。
それに伴い、企業内のマーケティング / インサイドセールス / フィールドセールスは組織の在り方から変わってきたと感じていますが、インターパーク様としてはどのようにお考えですか?

高井(IP):
ここ1年でオンラインシフトはかなり急激に進行しているので、状況の変化が起きているのは間違いないでしょう。最近、インサイドセールスと営業は同化しており、明確な区分けが難しくなっていますね。

<BtoBマーケティングフロー>

また、今までまとめられていたMQLですが、実際はMQLとその手前のMQLに細分化されています。ウェビナーに参加者と展示会参加者は種類が全然違うということですね。
オンライン化でリードはたくさん獲得できるようになったけれど、その状態は複雑化したということを念頭に置くべき。
アプローチを根本から変えて最適化することが必須です。
どこからがマーケティングでどこからが営業か、チーム一丸となって、認識を共通化していく必要があるでしょう。

中島(SP):
見込み顧客の需要が細分化していることを社内の共通言語として認識し、各々の役割でアプローチしていくことが重要ということですね。

アフターコロナにおける予算のかけどころは?

中島(SP):
最後に最も気になるであろう“予算”についてお話ししていきましょう。

高井(IP):
マーケティングの予算の捉え方は“お金”と“コミュニケーション”の2種類あります。

BtoBマーケティングはお金を用いたマーケティングが多いですが、昨今はコミュニケーションの需要が高まっています。
例えば展示会は“お金”と“コミュニケーション”の両方が必要ですが、一方でSNSは“コミュニケーション”だけしかかからないですよね。つまり、SNSは“お金”ではなく、“コミュニケーション”を投資して活発化しています。

ですから、BtoBマーケティングの全体も予算をお金だけだと考えず、労力を含むコミュニケーションも投下するという意味だと捉えていただくと、その棲み分けは分かりやすくなると思いますよ。

このように、チャネルごとにお金とコミュニケーションの割合を加味しながら予算を決めていくべきだと感じていますね。

BtoBマーケティングにおいてもコミュニケーション設計はとても重要です。
リードの質に対する認識が一致していないと施策が進まなくなりますからね。

中島(SP):
マーケターに求められる役割が増えているのですね。

高井(IP):
予算はお金だけではなく、コミュニケーションも加味なければいけないですからね。
難易度は高まっているかもしれません(苦笑)

中島(SP):
本日はオンラインイベントとリアル展示会というテーマでお話を進めていきました。
高井さん、本日はありがとうございました!