目次
1:あなたを取り巻く様々な”データ”
2:リアル行動データ/リアルな場におけるDXとは?
3:リアル行動データを活用した新サービス”イベシル”

あなたを取り巻く様々な”データ”

今や自販機/電車/外食チェーン店など街の至る所に設置されているbeacon。
連携しているスマートフォンアプリからリアルタイムに提供されるGPS。

デジタル技術の進歩により、生活者の行動がデータとして記録され、”ビッグデータ”として蓄積されることで、ユーザーに最適な情報の提供が可能となる。

それだけではなく、今までは知りえなかった範囲でのターゲットの分析やOMOマーケティングへの活用など、ビジネスにおいて多方面での活用が期待されている。

”リアル行動データ”と呼ばれるこれらのデータに着目し、HAKUTENとunerryの2社でローンチした新しいサービス『イベシル』。
今回は株式会社unerryの星さんと弊社プランナー原口が、ローンチに至る背景とこれからのイベントの新しい在り方を紐解いていく。

“リアル行動データ” 、“リアルな場におけるDX”とは?

 ーリアル行動データとは?

Webの行動履歴や決済情報など、昨今のマーケティングに活用されている”データ”は多岐にわたっているが、そのデータの種類は大きく4象限に分けることができる。

Web × 行動 =Web行動データ : GoogleやYahoo!など検索エンジンから取得するcookie情報
Web × 決済 =Web決済データ : Amazonや楽天などのネット通販サイトにおける購買情報
リアル × 決済 =リアル決済データ : QR決済/クレジットカードなどキャッシュレス決済の情報
リアル × 行動 =リアル行動データ : beacon / GPS / Wi-Fiによる端末の行動履歴の情報

市場が刻々と変化している現在において、ターゲットの特性を分析するためには決済情報やWeb上での検索のような瞬間的なデータではなく、日常的な行動のように継続したデータを掘り下げていくことが重要である。

例えば、決済情報だけでは登録されている属性と”何を買ったのか”というデータからユーザーの購買行動を分析することになり、そこに至るプロセスや日常的な行動傾向は不透明なままである。

また、現在ではQR決済だけでなく、クレジットカードや交通系の非接触決済など様々な決済方法が普及しつつあり、ユーザーはその時々において最適な決済方法で支払っているため、すべてを統合した分析でない限り断片的なデータとなってしまう。

一方でリアル行動データにおいては、自宅を出てから帰宅するまでの一連の行動をスマートフォンのGPSや連携しているbeaconなど、ユーザーから同意の上で提供されたデータを分析することで、“点”ではなく“線”の情報として捉えることが可能となり、日常的な行動傾向の理解につながる。

つまり、リアル×行動であるリアル行動データを活用し、ユーザーを理解していくことがマーケティングにおいて有効になってきている。

 

ーリアルな場における”Digital Transformation”とは?

近頃セミナータイトルなどでよく目にする”DX”という言葉。
類似するものとして” Digitization / Digitalization”という表現もあるが、これは単純にアナログからデジタルへのデータの変換やそれに伴う業務プロセスの効率化 / アップグレードを意味する。

一方、”DX”とは”デジタルトランスフォーメーション”の略であり、デジタル技術によって事業のあり方そのものを再構築していくことや、新たなビジネスモデルによって、今までにはなかった新たな価値を生み出すという意味も込められている。

様々な分野でこのDX化が進んでいるが、リテールなどリアルな場も例外ではなく、今回はその事例を一つ紹介していく。

※参考資料 

それが2020年にシリコンバレーから日本に初上陸した”b8ta”という体験型ショップである。
“Retail-as-a-Service (RaaS)”のパイオニア的存在で、市場からもかなり注目を集めたこのショップの一番大きなポイントは、店舗に置かれたセンシング機器によってユーザーから得られた情報を分析し、顧客にフィードバックするという点だ。

実際の来店者の人数 / 滞在時間、さらにはスタッフとの会話などのデータを収集し、解析することが提供価値であり、ここに出店しているメーカーは販売数や売上額だけではなく、このフィードバックされたデータに対価を払っていると言える。

小売店とメーカーの売る / 買うだけの考え方ではない、新しい関係性がデータを基に構築されていると言える。さらに、メーカーサイドもこのデータから、実際の新商品の開発やマーケティング戦略に反映し、フレキシブルに修正していくというような流れができているという。

この流れはリテールの分野だけではなく、ブランドにとって強力な顧客接点の一つであるイベントにも転用することで、顧客体験に新たな価値を提供できると確信している。

リアル行動データを活用した新サービス”イベシル”

10月8日、体験価値を最大化するマーケティングパートナーである博展は、日本最大規模のリアル行動データプラットフォーム『Beacon Bank®』を運営する株式会社unerryと共同でイベントDX化を推進する新サービス『イベシル』をリリース

このサービスはbeaconやWi-Fiなど複数のセンシング機能を搭載した独自のIoTセンサーをイベントに設置し、任意の範囲内で反応した端末を検知することで来場者の推計を行う。
さらに、累計1.1億DLされたアプリとの連携や日本全国に210万個設置されたbeaconプラットフォームによって、イベント来場者全体としての属性情報や日常的な行動傾向など、高度なユーザー分析が可能となる。

イベシルの具体的なソリューションは以下の4つである。

このサービスによってリアルとデジタルを融合させたイベント価値の最大化を目指す。

▶『イベシル』のソリューション紹介や導入事例 / “イベントDX”については後編をCHECK!