目次
1:あなたを取り巻く様々な“データ”
2:リアル行動データを活用した新サービス“イベシル”
3:精緻なイベント来場者数のカウント / リアルタイム混雑度可視化
4:来場者の属性・リアル行動分析
5:GPSを活用したターゲティング広告配信
6:イベント業界における“DX化”への挑戦

あなたを取り巻く様々な“データ”

今や自販機 / 電車 / 外食チェーン店など街の至る所に設置されているbeacon。
連携しているスマートフォンアプリからリアルタイムに提供されるGPS。

デジタル技術の進歩により、生活者の行動がデータとして記録され、”ビッグデータ”として蓄積されることで、ユーザーに最適な情報の提供が可能となるだけではなく、より高度なターゲット分析やOMOマーケティングへの活用など多方面での活用が期待されている。

”リアル行動データ”と呼ばれるこれらのデータに着目し、HAKUTENとunerryの2社でローンチした新しいサービス『イベシル』。
今回は株式会社unerryの星さんと弊社プランナー原口が、ローンチに至る背景とこれからのイベントの新しい在り方を紐解いていく。

リアル行動データを活用した新サービス“イベシル”

10月8日、体験価値を最大化するマーケティングパートナーである博展は、日本最大規模のリアル行動データプラットフォーム『Beacon Bank®』を運営する株式会社unerryと共同でイベントDX化を推進する新サービス『イベシル』をリリース

独自のIoT センサーや累計1.1億DLのスマートフォンアプリとの連携、さらには日本全国に210万個設置されたbeaconプラットフォームによって、以下の4つのソリューションを実現している。

 

 

精緻なイベント来場者数のカウント / リアルタイム混雑度可視化

今まで目視やアンケート調査を介して行っていたイベント来場者数カウントをIoTセンサーによる高精度な測定にできるだけでなく、滞在時間も計測可能というところが非常に魅力的である。

また、計測した数値を混雑度として可視化できるため、イベントのWebサイトに埋め込むことで、来場者は事前に混雑度を把握した上で密を避けて足を運んでもらうことにもつながる。
入場制限や混雑などマイナスなコミュニケーションが起きてしまいがちなイベントを、このようなソリューションを駆使しながら安心と安全を提供できる空間にしていくことが可能である。

導入事例:東京ミッドタウン様

2020年10月2日(金)~11月8日(日)まで東京ミッドタウンにて開催されていた『TOKYO MIDTOWN RETREAT GARDEN 2020 ~日常から離れて、ココロとカラダをリセットする庭~』でもこのサービスを採用いただき、混雑度の可視化に貢献した。

TOKYO MIDTOWN RETREAT GARDEN 2020

~日常から離れて、ココロとカラダをリセットする庭~
主催:東京ミッドタウン
開催場所:ミッドタウン・ガーデン
開催期間:2020年10月2日(金)~2020年11月8日(日)

イベント特設サイトには、曜日×時間帯別混雑状況がわかる「混雑ヒートマップ」を表示。
この「混雑ヒートマップ」はIoTセンサーと連動することで、5分おきに混雑状況を可視化しているため、イベントを訪れるお客様は「いつ行けば混雑を回避し楽しむことができるのか」「どのエリアに行けば、ゆったり過ごせるのか」をいつでも確認できる。

特設サイトに掲載された「混雑ヒートマップ」(カスタマイズ混雑マップforイベント)

来場者の属性・リアル行動分析

実数としての混雑具合だけでなく、”行動DNA”と呼ばれるイベント来場者の男女比 / 年代構成なども把握できるので、マーケティングデータとして活用することが可能だ。

会場に設置したセンサーにより、イベント来場者の全体傾向として趣味嗜好や年齢、居住地などのアンケートでは取れないような、ファクトに基づくプロファイルが把握できる

また、GPSによりイベント前後の行動も傾向を分析できるため、どこから来ている人が多いのか/前後に立ち寄っている傾向のある施設など、同日行動や近隣施設の相関もわかる。

導入事例:スイーツ系イベント

新宿で行われたスイーツイベントの事例では実際に店舗に来ている人とイベントへの来場者のギャップを男女や年齢比較 / 行動DNA分析を行うことで次回のマーケティングにおいてヒントとなる情報を得られた。

GPSを活用したターゲティング広告配信

事前施策としては類似イベントへの参加やペルソナと似た行動など、来場の可能性が高いターゲットにFacebook / Instagram / LINE / TwitterなどのSNSを通じて広告が配信できるだけでなく、beaconをリアルなイベントに設置することで、実際に来場したかどうかも判明できる。

また、SNS広告でのアフターフォローとして次回のイベントの告知やECサイトへの誘致など次のアクションへと繋げられることがこのサービスの特徴のひとつだ。

ピンポイントなターゲットに対してぴったりのメディアがない、SNS内のセグメントでの広告配信では成果が得られなかったなど、担当者の悩みを解決することができるため、やはりターゲティングの一つの方法として、こういったリアル行動データや位置情報などを活用することが非常に有効だ。

導入事例:ブラザー販売様 / オンライン展示会の集客施策

イベントの中止により、新規リード獲得ができなくて困っているとの相談が多数あるBtoB業界。
やはり自社でオンライン展示会を開催することがトレンドになっているが、いざ実際に開催するとなった時に、事前集客に関する不安を多く耳にした。

リアルな展示会では主催者が集客を担っており、他のブースを見に来る人たちの目に止まるなど、自然と来場者が集まることも期待できるが、自社でのオンライン開催になると自力での集客が必要になる。

そこで今回実施したのが、過去展示会の来場者を中心にSNSで広告を配信するという施策。

GPSによって昨年の展示会来訪履歴からターゲティングし、Twitterで広告を配信したところ、非常に高いCTRでの運用や直帰率の低下から、ターゲットに対してピンポイントで広告配信ができただけでなく、サイトも回遊していただけたということがわかった。

イベント業界における“DX化”への挑戦

センシング機器やアプリ連携などデジタル技術の向上によって、今までには得られなかった情報を簡単に収集することができるようになった。

例えば、イベントと店舗にbeaconを設置することで、イベントから店舗への来訪も確認できるだけでなく、広告を配信することによって得られたデータも組み合わせることで、さらにターゲティングの最適化を図り、まだ接点を持っていない潜在的な顧客にアプローチも可能になる。

さらにリアル行動データを活用することでリアル/デジタル双方のメリットを生かしたマーケティング活動をイベント業界全体で推進していく。

具体的にはコアなファンをリアルなイベントで熱量を高めつつ、そのファンの属性を分析した上で、類似したターゲットには広告配信からデジタル上で体験を届け、拡散していくというが非常に重要ではないだろうか。

イベントの価値をさらに拡大

従来のイベントの価値とは、来場者数やメディア掲載数、サンプルの配布数などの量的データ中心であったが、イベシルを活用することで、今回取り上げた施策のように事前事後のデジタル上のリーチや、コアユーザーのリサーチを目的とした“テストマーケティング”など価値を拡大することができる。

“リアル行動データによってイベントの価値を最大化し、マーケティングに活用していく”
これをイベントのDX化と定義し、HAKUTEN、unerryの2社でイベント業界の変革を進めていきたい。