みなさんこんにちは!
THINK EXPERIENCE編集部の小林と松本です。
【Quest ! 】は、都内を中心に話題のイベントや新しくオープンした商業施設をTHINK EXPERIENCE編集スタッフが実際に体験し、レポートしていくコンテンツです。

 今回は横浜・みなとみらいに2019年4月にオープンした資生堂グローバルイノベーションセンター「S/PARK (エスパーク)」内にあるビューティーとサイエンスをテーマにした美の体験型ミュージアム「S/PARK Museum」を体験してきました。

目次

美の複合体験ミュージアム「S/PARK Museum」とは?

「S/PARK」は資生堂の最先端の研究を行っている施設で、その1Fと2Fは“美のひらめきと出会う場所”をテーマとして「Cafe」「Beauty Bar」「Studio」「Museum」の4つのコンテンツで構成されています。

ちなみに「S/PARK」という名前の由来には、「世界中から人々が集う“資生堂のパーク(公園)”」と「その出会いから生まれるインスピレーションが“スパーク”する場所」という2つの意味が込められているんです。

今回体験したそんな「S/PARK Museum」は、「SCIENCE × ART」「LIFE OF BEAUTY」「INNOVATIONS IN BEAUTY 」「FUTURE」の4つのゾーンで構成分けがなされていました。

今回はその中で、私たちが印象に残った「S/PARK Museum」の4つの魅力をご紹介させていただきます!

感じてもらう仕組みの「Q」を通して、「美」のヒントに出会う。

入口でまず目に止まるのはMuseumのコンセプトである「Q」という文字。
このMuseumでは来場者への問いかけ「Q」を散りばめ、展示を見て触れながら自分なりの答えを見つけることのできる仕掛けになっているそうです。

「展示製品はなぜ開発されたのか。」
「どんな人に向けて作られたのか。」
「どこが優れているのか。」などなど
思わず自分の中にたくさんの「?」が生まれるような問いかけばかりでした。

ただ展示物を見るだけではなく、自分の中で「なんでなんだろう。」という疑問を抱えて、その答えを探すように展示が設計されていたので、見終わった後には納得感と美容に詳しくなったような気がして非常に満足感の高い施設でした。

この「Q」のおかげで、普段何気なく使っている化粧品の役割や、太陽光が及ぼす肌への影響など、美を基点としていままで当たり前だったものの新たな一面に出会える瞬間が多く、自分の生活圏内を改めて考えることができる良いきっかけでした!

生活者の声と視点を大切にする資生堂のアートへのこだわり

資生堂製品における大きな特徴の1つが、使うたびにワクワクするようなパッケージデザイン。S/PARK Museumでは、そんな資生堂の化粧品づくりにおけるアートへのこだわりを存分に体感できます。

 例えばこちらのエリアは、資生堂が最初に作った化粧液「オイデルミン」にフォーカスした展示エリア。

いまでは日本の化粧品業界を牽引する資生堂ですが、その歴史は調剤薬局が起源だったそう。医薬品事業を元々生業としていた資生堂が化粧品業界に参入した1897 年から現在もなお、時代に合わせてオイデルミンをリニューアルさせている様子を見ることができます。

ボトルデザインの変遷では、今ではなかなか見ることのできない発売開始当時のボトルが展示されており、思わずうっとり見つめてしまいました。。。

また壁面の展示エリアも、色、形、遊び心、使い心地といった資生堂が大切にしているパッケージデザイン(アート)の要素を体験できます。

こちらでは、パッケージの「色」に込められた思いや仕掛けを、赤/白/黒/金/銀の5つのコーナーで展示しています。

例えばコーポレートカラーである赤の中でも、ワクワクする高揚感を表現した赤、血の巡りを表現した赤、女の子らしさを表現した赤など、同じ色でもその質感で差別化を図りながら様々な思いやこだわりを込めていることがうかがえます。

また実は、透明ではなく中身が見えないパッケージになっているのは、品質を守る理由も1つとしてあるのだとか。
 ちなみに金色のパッケージの化粧品は日本ではあまり見かけませんが、金色は縁起がいい色として中国のお客さまに人気のようです!

 そしてアートゾーンの中でも特に印象に残ったのが、こちらのリップの形やキャップの重さ、ブラシの毛並みなどに実際に触れながら、資生堂の「使い心地」へのこだわりを体験できる展示。

特にリップのキャップは1日に何度も使うアイテムだからこそ、愛着をもって使ってもらえるように「高級車の扉を閉めるような重厚感」を再現することで高級感を演出しているそう。

実際に軽いタイプのものと比べて開け閉めしてみると一層そのこだわりを感じます。キャップ一つとっても、製品のブランディングや培ってきた世界観を崩さないようにこだわり抜かれているのだと驚きました。

また、S/PARKの施設全体の天井にはアイデアを連想させる付箋がモチーフの照明が吊り下げられていました。

 これは、上層階に資生堂の最先端研究室があることから、「S/PARKで来場者のアイデアや声を拾い上げ、上層階で研究に活かし、製品開発で来場者還元する」というサイクルを表しているそうです。

こういった施設全体のデザインからも、資生堂が生活者の声をいかに大事にしているかがうかがうかがえますね。

五感で化粧品のしくみを理解できるサイエンスな体験設計

このミュージアムで一番特徴的だったのは、来場者が五感を使って化粧品の不思議を実体験できる展示であふれていたところ。
 ただ文字や映像で情報を得るのではなく、自分の手を動かした結果見え方や感じ方が変わったり、今まで当たり前のように起こっていた現象のしくみに気づけたりと、ワクワクしながら化粧品のしくみを学べる演出が多く仕掛けられていました。

 島にわかれた展示エリアでは、洗顔/スキンケア/サンケア/ファンデーション/メイクアップ/香りの6カテゴリーを通して、理科の理論がそれぞれの化粧品にどのように用いられるか、というサイエンスの要素を実験や映像を交えて体験できるゾーンとなっています。

 私たちが一番印象に残ったのが「香り」のエリア。
 まずはパネルを通して香りを感じる体のしくみや、およそ40万種類存在する香りのもととなる「香り分子」について知ることができます。そして隣にある試験管が並ぶ展示では、バラやオレンジなど代表的な5つの香りがどの「香り分子」で構成されているのか、スイッチを押すことで目で見て体験できます。

 例えば「紅茶」の香りは9種類の香り分子で構成されているのだそう。9種類それぞれの香りも個別に嗅ぐことができたのですが、全く印象の違う香り同士がかけ合わさって「紅茶」が構成されていることにとても不思議な感覚になりました。
 その他にも自分で香りを調合する体験や、同じ重さの容器でも香りによって重さの感じ方が変わる体験など、大人でも新発見が多い内容が沢山詰まっていました。

 そのほかにも「サンケア(日焼け止め)」のエリアではスイッチを押すと日焼け止めが塗布された皿に水滴が落ち、皿を傾けても水がそのままの形を保ったまま動き回るという、日焼け止めが水を弾く技術を観察できたり、「メイクアップ」のエリアではテレビの撮影風景でよく見かける”レフ版”の仕組みを体験できたりと、お子さんが自由研究などで題材に出来るような興味深い展示が数多くありました。

 ただ文字や映像で情報を得るのではなく、自分の手を動かした結果見え方や感じ方が変わったり、今まで当たり前のように起こっていた現象のしくみに気づけたりと、ワクワクしながら化粧品のしくみを学べる演出が多く仕掛けられていました。

 また、理科の原理原則仕組みだけでなく、「なぜ香りにこだわるのか」、「なぜパッケージの形や質感こだわるのか」、なぜ筆などの小物にこだわるのかなど、資生堂のこだわりや遊び心まで感じることができ、資生堂の着眼点と努力の理由を自分で考えながら見て回れる空間でとなっていました。

美しく生きることに対して広く取り組む、資生堂の姿勢

 「SCIENCE × ART」を抜けた先にあるエリアは、資生堂の文化発信やライフクオリティー事業に関する展示。ここでは資生堂パーラーや花椿、ミス・シセイドウ(現ビューティーコンサルタント)など、化粧品だけでなく時代ごとの生活文化を牽引してきた取り組みの歴史が展示されています。

 資生堂の「美しく生きることに対して広く取り組む姿勢」は視覚障がいの方のための点字による美容テキストの作成や、障がいを持つ方への美容講座を開くなど、今もさまざまな場面で受け継がれています。

見終わった後はそれぞれの考える美に必要なモノ・コトを研究員に届けよう!


 ミュージアムの最後には、「美しく生きるために欲しいと思うモノ、コトは?」と問いかけてくれるデジタルコンテンツも。

 名前と欲しいモノ、コトを入力すると、まるで実際に働く施設上層階の研究員たちに届くようなアニメーションの後に、名前の入ったかわいらしいオリジナルのマスキングテープをゲットできました。

ミュージアムの最後で私たちの声が研究員に届くような設計は、資生堂というブランドが身近なものに感じられ、親近感が湧きますよね。

「美しく生きる」きっかけを見つける

 アート、サイエンスと言った普段自分1人ではなかなか見ることのない視点から化粧品をじっくり体験でき、全体を通じて、資生堂がいかにして生活者に寄り添う化粧品開発をしているのかがうかがえる空間となっていました。
 また、香りや肌ざわりなど五感を使う展示を通じて自分なりの「Q」の答えを導かせる仕掛けを通して「そういえばなんでだろう?」と当たり前になってしまっている認識を改めさせてくれたり、化粧品の枠にとらわれずにさまざまな形で「美しく生きる」文化を発信し続けたりと、来場者にキレイになるきっかけをさまざまな角度から与えてくれる施設となっていました。
  
 みなさんもぜひ子供から大人まで全ての人が楽しめる体験施設、S/PARK Museumに足を運んでみてください!

【施設情報】

店名:S/PARK Museum(エスパーク ミュージアム)
所在地:〒220-0011 神奈川県横浜市西区高島一丁目2番11号
営業時間:11:00~18:00 (定休日:日曜)
入場料:無料
アクセス:みなとみらい線「新高島」駅 1・2番出口すぐ
     JR/市営地下鉄「横浜」駅 東口から徒歩10分
Instagramアカウント名: @shiseidospark
URL:https://spark.shiseido.co.jp/museum/

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