マーケティングやブランディング施策の一環で、イベントを企画する流れになったものの、思うように集客できるか不安という方も多いのではないでしょうか。せっかく時間と費用をかけて準備したイベントも、来場者が少なければ期待した効果は得られません。実は、集客に成功しているイベントには共通するポイントがあると言われています。
本記事では、イベント集客を成功させるための具体的なコツを5つ紹介し、実際に集客面で成果を上げた3つの事例を詳しく解説します。
Index
■ イベント集客成功のための5つのコツ
■ 事例1:日本フェレロ株式会社様 Nutella Morning Slot
■ 事例2:Spotify Japan株式会社様 Spotify Sessions
■ 事例3:バカルディ ジャパン株式会社様 Dewar’s 12年リニューアルイベント
■ 集客効果を最大化するための追加施策
■ まとめ
■イベント集客成功のための5つのコツ
効果的なイベント集客を実現するためには、戦略的なアプローチが不可欠です。ここでは、多くの成功事例から導き出された5つの重要なコツを詳しく解説します。これらのポイントを押さえることで、集客数の大幅な向上が期待できます。
明確なターゲット設定と価値提供
イベント集客の第一歩は、誰に向けたイベントなのかを明確に定義し、その人たちが求める価値を提供することです。ターゲットが曖昧なまま企画を進めると、どの層にも響かないイベントになってしまいます。年齢、性別、職業、興味関心などを具体的に設定し、そのターゲットが抱える課題や欲求を深く理解しましょう。
例えばBtoBイベントであれば、参加者の業界、役職、抱えている業務課題を明確にし、それらを解決する具体的なソリューションや知識を提供することが重要です。価値提供が明確になれば、自然と集客メッセージも刺さりやすくなります。
デジタルマーケティングの効果的活用
現代のイベント集客において、SNSやWeb広告、メールマーケティングなどのデジタルツールを組み合わせた多角的なアプローチは必須です。各プラットフォームの特性を理解し、ターゲットに合わせて最適なチャネルを選択することが成功の鍵となります。
Instagram やTikTokは視覚的なインパクトを重視する若年層に効果的で、LinkedInはビジネスパーソンへのリーチに適しています。また、リターゲティング広告を活用することで、一度興味を示したユーザーに対して継続的にアプローチできます。さらに、イベント専用のランディングページを作成し、申込みから当日まで一貫したユーザー体験を提供することも重要です。
話題性のあるユニークな演出と体験設計
競合他社のイベントとの差別化を図るためには、記憶に残る特別な体験や最新技術を活用した演出を取り入れることが効果的です。没入感のあるイベント空間、パーソナライズされた特別な体験など、参加者が「友人に話したくなる」要素を盛り込みましょう。
体験型コンテンツは特に効果が高く、参加者自身が主体的に関わることで満足度が向上し、口コミによる拡散効果も期待できます。また、SNS映えする演出を意識することで、当日の参加者による自発的な情報発信も促進できます。
段階的なプロモーション戦略
イベント集客は一度の告知で完結するものではありません。開催1~3か月前から当日まで、情報を小出しにしながら期待感を高めるプロモーション設計が重要です。初期の認知獲得から、興味喚起、申込み促進、リマインドまで、それぞれの段階で最適なメッセージと手法を使い分けましょう。
また、早期申込み特典や限定コンテンツの予告などを活用することで、継続的な関心を維持できます。インフルエンサーや業界の有識者との連携により、第三者からの推薦という形で信頼性を高めることも効果的です。
参加しやすい、したくなる環境づくり
どれだけ魅力的なイベントでも、参加への障壁が高ければ集客は困難です。申込み手続きの簡素化、アクセスの良い会場選択、参加費の適正化など、参加しやすい環境を整備することが集客成功の基盤となります。
また、来場特典や記念品、限定情報の提供など、参加することによる具体的なメリットを明示することで申込み率を向上させることができます。特典の内容はイベントの性質や参加者層に合わせて設計することが大切です。
BtoBイベントの場合は、参加者の業務に直結する資料やツールを、BtoCイベントの場合は日常生活で活用できるアイテムや体験を特典とすることで、それぞれのターゲットに価値を感じてもらいやすくなります。

■事例1:日本フェレロ株式会社様 Nutella Morning Slot

博展が支援したプロモーション事例として、ココア入りスプレッド「ヌテラ」のイベントが挙げられます。このイベントは、ヌテラのおいしさや楽しみ方をアピールするために企画されました。
イベント概要
日本フェレロ株式会社様は、「ヌテラ」のおいしさや様々な楽しみ方をアピールする目的で、巨大な朝食スロットマシンを用いたユニークなイベントを開催しました。このイベントを核として、媒体タイアップ、SNS広告、SNSキャンペーン、TVCMなど、一貫したコミュニケーションが展開されました。
成果に繋がった取り組み
巨大な朝食スロットマシンという新規性と話題性の高い企画をイベントの中心に据えたことは、多くの関心と話題を呼びました。また、イベントで生まれた体験を、SNSや広告など他の媒体と連携させた一貫性のあるプロモーション戦略として実行したことが、成果(フォロワー獲得)に繋がりました。ユーザーの感情や感覚に訴えかける「体験」を施策に織り込んだことも本イベントの要と言えるでしょう。
■事例2:Spotify Japan株式会社様 Spotify Sessions

ビジネス層をターゲットとしたカンファレンスイベントであっても、参加者の業界や職種に特化した専門的なコンテンツを提供すれば、高い集客効果を実現することが可能です。続いては、明確なターゲット設定から参加者のニーズに合致した企画内容と適切な告知チャネルの選定に繋げ、効率的な集客を実現した事例を紹介します。
イベント概要
Spotify Japan株式会社様は、事業者や広告会社といったビジネスパートナー向けに、Spotifyへの理解を深め、Spotify広告のビジネス活用を促すためのカンファレンスイベント「Spotify Sessions」を開催しました。このイベントは、オンラインでの配信イベント(博展オフィススタジオ)と、リアルイベント(BLUE NOTE PLACE)の2日間にわたって実施されました。
ブランドを感じさせる空間やコンテンツの中で、参加したゲストは楽しみながらSpotifyについての理解を深め、Spotify広告をビジネスに活用するきっかけとなりました。ターゲットを明確にし、オンラインとリアルを組み合わせることで、より多くの関係者にリーチし、深いエンゲージメントを創出しました。
成果に繋がった取り組み
この成功は、ターゲット(事業者・広告会社)を明確にし、そのターゲットにとって有益かつ魅力的なコンテンツを提供したことにあります。また、オンラインとリアルイベントを組み合わせることで、より多くのターゲットにリーチし、深いエンゲージメントを生み出すことが可能となりました。ゲストが「楽しみながら」理解を深められるよう工夫されたプログラムも、イベントの成功に貢献しています。
■事例3:バカルディ ジャパン株式会社様 Dewar’s 12年リニューアルイベント

スコッチウイスキーのブランドリニューアルを記念した、体験型イベントも博展が手掛けた事例です。ブランドの世界観と製品体験を組み合わせた取り組みです。
イベント概要
バカルディ ジャパン株式会社様は、スコッチウイスキー「デュワーズ 12年」のリニューアルを記念し、2024年3月に六本木ヒルズカフェにて『Dewar’s 12年 DISCOVER YOUR HIGHBALL』を期間限定でオープンしました。このイベントでは、ブランドの歴史と世界観、そして特別なハイボールを体験できる機会を提供し、「お客様の『発見』を生む、プレミアムな体験」を提供しました。
このイベントは、製品のリニューアルに合わせたブランド体験の提供を通じて、ターゲット顧客との接点を創出し、ブランド理解と愛着の向上を図りました。
成果に繋がった取り組み
期間限定のポップアップ形式で、特定の場所(六本木ヒルズカフェ)を選んだことが、プレミアム感と話題性を創出し、「行ってみたい」という気持ちを強く刺激する集客効果を生み出しています。ブランドの歴史や世界観の展示と、製品であるハイボールの体験を組み合わせることで、単なる商品紹介ではない特別な体験を訴求ポイントとして打ち出し、顧客が楽しみながらブランドへの理解を深め、「発見」を得られるような構成としました。
この体験価値を前面に出した集客アプローチが、来場者の満足度向上とエンゲージメントにつながったと考えられます。

■集客効果を最大化するための追加施策
基本的な集客コツを押さえた上で、さらに効果を高めるための追加施策があります。これらの施策を組み合わせることで、イベントの成功確率を大幅に向上させることができます。継続的な改善と最適化により、長期的な集客力向上を目指しましょう。
定量データによる集客効果の測定
イベント集客の成功には、各施策の効果を数値で把握し、次回に向けた具体的な改善点を見つけることが重要です。Google Analytics、SNSインサイト、申込み数の推移などの定量データを分析し、どの告知チャネルや集客手法が最も効果的だったかを検証しましょう。
集客経路の分析により、次回以降費用対効果の高いチャネルに予算を集中投下することで、効率的な集客が実現できます。また、時系列での申込み状況や流入元の変化を追跡することで、集客施策のタイミングや配分の最適化も可能になります。
参加者アンケートを活用した集客改善
数値では見えない参加者の本音や詳細な意見を収集するため、アンケートやヒアリングの実施が効果的です。参加のきっかけや決め手、情報収集の方法、イベント後の満足度などを聞き取ることで、次回の集客戦略をより精緻に設計することができます。
特に「どこでイベントを知ったか」「参加を決めた決定的な理由」「どんな情報があればより早期に申込みしたか」といった質問により、効果的な訴求ポイントや告知方法が明確になります。
リピーター獲得のための仕組みづくり
一度のイベントで終わらせるのではなく、継続的な関係性を構築してリピーターを増やすことが長期的な成功に繋がります。イベント終了後のフォローアップメール、次回イベントの優先案内、参加者限定のコミュニティ形成などにより、継続的なエンゲージメントを維持しましょう。
また、参加者からのフィードバックを積極的に収集し、次回イベントに反映させることで、より満足度の高いイベントを企画できます。顧客満足度の向上は、自然な口コミ拡散にも繋がり、新規集客にも好影響を与えます。
■まとめ
イベント集客を成功させるためには、明確なターゲット設定から始め、デジタルマーケティングの活用、話題性のある演出、段階的なプロモーション、参加したくなるような環境づくりなどの組み合わせることが重要です。
成功の鍵は、参加者にとっての価値を明確にし、その価値を効果的に伝える仕組みを構築することです。今回紹介したコツと事例を参考に、多くの参加者に愛されるイベントの実現に向けて企画を練っていきましょう。
博展では、これまで数多くの企業のイベントをサポートしてきた実績と知見を活かし、イベントの集客をお手伝いしております。企業イベントを検討されている方、より効果的な出展方法をお探しの方は、お気軽にご相談ください。
