目次
1:今までとこれからの”当たり前”
2:マーケティングはコミュニケーション
3:withコロナの時代における、顧客体験のあり方とその変容
4:新時代でのコミュニケーション〜プロモーションはブランディングへ〜

今までとこれからの”当たり前”

Withコロナが叫ばれる今、コミュニケーションのカタチは変化している。

消費者の私たちも日々、様々なことに細心の注意を払って生活することが当たり前になってきた。
今まで“当たり前”だったのコミュニケーションのカタチが大きく変容し、慣習や経験の上に引かれていた無自覚的な“当たり前”の境界線が今、大きく変化を遂げようとしている。

その兆しに着目し、次の時代に必要な顧客体験をリデザインしていくという観点で、弊社クリエイティブプランナーの南・桑名が私たち博展の考えや取り組みを、シリーズで紹介していく。

第一弾は、コロナ禍を受けて変容を遂げた“プロモーションの在り方”について考察。
プロモーションからブランディングへの変容、その過程で顧客とのコミュニケーションのカタチはどのように変化しているのだろうか?

マーケティングはコミュニケーション

プロモーションとコミュニケーションの違いは何か、という声を頻繁に耳にする。

プロモーションとは、企業が自分たちの商品や価値を顧客に宣伝する活動のこと。

やはりマーケティングはコミュニケーション。
プロモーションは企業が顧客に一方的に情報を伝える行為。
今のマーケティングのトレンドは、企業と顧客が綿密にコミュニケーションをとり、ブランドとして愛される存在であること。

“コミュニケーションを軸に置いたプロモーション活動”
この言葉がこれからのスタンダードになるのではないだろうか?

withコロナの時代における、顧客体験のあり方とその変容

南:
Withコロナにおいて、“顧客体験”は大勢の人が一同に同じ場所に集まり同じ体験を共有する“集客密集型”から、時間と空間を分散しながらコミュニケーションをとっていく“時空分散型”のコミュニケーションへと変化していく。
この流れ自体は昨今高まっていたが、コロナによって進む速度がさらに早まっているように感じる。
オフラインであった施策をすべてオンラインにシフトしていくというより、デジタルxフィジカルの特性を理解した上で体験設計を作っていくということが非常に重要。

オンラインには、今まで届かなかった潜在顧客へのアプローチが可能になり、裾野が広がるというメリットがある一方で、リアルイベントにはその場に行かないとわからない身体的五感を通じた実体験を味わうことができるという醍醐味がある。それは、より”自分ごと化”ができるという、オンラインにはない強みである。

物理的に行動が制限される今、安全を担保しつつも、質も担保しなければならない。フィジカル体験で得られる実体験の深さ / 快適さ / 自由さを失わないというポイントも忘れてはいけない。

両方をしっかりと意識しながら“顧客体験”を構築していくということが大切。
情報も制限も溢れている現代社会の中で、顧客が求めるものは研ぎ澄まされていく。

さらに、社会全体で段階的に制限が解除していく中で、厳しい制限ができ、人々が自由に動けなくなってしまったことにより、今までの”当たり前”に半強制的に安全要素が入ってしまっている。

桑名:今まではなかったことやものと突如共存しなくてはいけなくなってしまい、今一番必要な安心安全が“仮設”状態になってしまっている。

さらに、今までなかった価値観が人々の中に芽生え、これからもそれらと付き合って行かなくてはいけない。予測できないスピードや内容で変化していくので、その都度見直していく必要がある。

つまり、“顧客体験をしっかりとデザインしていく”ことが、今までの当たり前だった環境や安心感をより一層深いものにし、より快適に心地よいものにしていくことができる。

博展が掲げている”コミュニケーションデザイン”というのはアウトプットだけの話ではなく、“顧客の行動や感情を動かす空間をデザインする”という意味も含まれている。
今までの当たり前だと決めていたことに対して今一度見直し、改良していくことがこれからのキーポイントになるのではないだろうか。

新時代でのコミュニケーション
〜プロモーションはブランディングへ〜

桑名:
長い在宅期間で芽生えた“自制”という新しい日常。
自分では気づかない深層心理で生まれた意識の変化が如実に出てくる。

南:
新しい生活の中で見つけた課題感を持っている箇所に、どれだけコミットしていけるか。
今はコロナの影響で、自分自身の生活に見つけた課題感と世界の課題感とが一致してる状態。社会問題の解決がそのまま自己実現のようになっている。

“自分のため=周りのため=世界のため”と変化していく時代で、それぞれできることを周りに共有 / 発信し、一緒に作り上げていくというマインドへと変化していく
コロナの影響で、世界の中の自分というマインドセットができた今、人々は共創 / 共生していく

そのマインドでは、ブランディング要素がかなりメインになっている。
商品の直接的なセールス活動も大事ではあるが、ベースとしては企業のブランディング要素 / メッセージが重要。

消費者にとって、商品やサービスの価値だけではなく、活動やメッセージが入り口であるべき。
商品 / サービスの提供する価値は、企業の姿勢や考えを表現できる活動であり、そのようなことへの共感が消費者とのエンゲージメントを構築し、そして維持していく。
このような物理的な要素だけだった流れが、言葉にできない感情的な部分でつながりを持ち、ストーリーになっていく。

桑名:
感情的な部分でつながりを持っていく姿勢を表現する。
消費者に寄り添い、言語化できないエモーショナルな部分を企業としてのメッセージで体現しながら、どれだけ長くしっかりとした絆で、消費者とつながりをもっていけるか。

これは企業と消費者という関係だけでなく、人間と人間の間におけるコミュニケーション。

桑名:
“コミュニケーションデザイン”として最終的に作りたいのは、その人間性や社会の美意識などそういったものを自然にお互いが共有していけるような環境の入り口。
博展は、理念として”コミュニケーションデザイン”という言葉を掲げていて、今まではその場 / 瞬間にコミュニケーションが活発的であることを目的にしていた。

今の状況や環境下において、消費行動をはじめとする様々なものが同時多発的に様々な変化を遂げているので、博展としては、その変化させている要因をちゃんと紐解いていきたい。
やはりマーケティングはコミュニケーション。コロナに影響されているのは、行動だけではなく心理的な影響も非常に大きいので、企業が発信していくメッセージも大切。

A “Beautiful Distance” can be offensive

桑名:
“妙な違和感”を感じるコロナ対策。
無理やりに安全要素を入れ込まれており、仮設的な”とりあえず”の要素が多く感じる。
長い目でみた快適さを消費者 / 働く人たちの両方に感じさせ、その間に齟齬や障壁があってはいけない。美意識をもったソーシャルディスタンス

ツールを置くことで、”美しい防御が 攻めになる”時代へ。
様々なシーンにチューニングした安全・安心の境界線を再構築する。
これまではオンライン / オフラインということを意識して使い分けていたが、これからはその繋ぎ目がわからないような状況に変わってくるので、時代に順応する俊敏性が大切。

博展はやはり作り上げていくことを得意としており、必要なものにフォーカスを当て新しいものを作り出していく、業界の最前線 / 最初の一手になりたい。

ーWELCOME DIFUSER

お客様を出迎えるウェルカムフラワーのような存在を消毒とともに
フレンドリーな存在としてのコロナ時代の象徴的なものに。

ーPRINTING BEAUTY

受付の衣装と柄を統一することで美しいものに。

ーCLEANSE ONE’S MIND

もともとは別の案件で施策として実施していたハンドプロジェクション。
その手法を使い、手にメッセージを。
消毒するのが楽しめるように、来場者に楽しんでもらえるような工夫を。

ーWIND AID

風が吹き抜けている様を可視化できるような表現。
通気性を肌だけでなく、視覚でも確認できるアートワーク。