「ショールーム」の定義や役割、また、企業ミュージアムとの違いについて解説します。
さらに、近年のショールームのニーズ変動、ショールームの自社事例もご紹介!

Index
ショールームとは?
ショールームの目的や役割
ショールームのメリットや効果
ショールーム活用の課題と対策とは?
体験重視で魅力を伝える!ショールームの活用事例
「展示」のショールームから、「対話」のショーケースへ。

ショールームとは?

スター精密株式会社 菊川ソリューションセンター

ショールームとは、企業が自社製品を展示し、顧客との接点を持つための場所です。

製品価値の訴求や企業理解の促進、顧客体験の向上などに役立ちます。
企業活動においては、マーケティング、広報・PR、営業、人材育成など、活用できる範囲は多岐にわたります。

ショールームの目的や役割

ショールームは、経営においてマーケティングや広報、営業、人材育成など、さまざまな役割を担っています。

ここでは、大きく4つの目的にわけて解説していきます。

①認知獲得・理解促進(マーケティング)

ひとつ目は、マーケティング活動の場として役立てられるということです。
魅力的な展示を行うことで、自社や自社製品を知らなかった見込み顧客からの認知の獲得が期待できます。

また、展示に興味を持った顧客に対して、自社や自社製品の理解を促すこともできます。
昨今では、デジタルコンテンツとして動画やオンライン見学会などに活用することも可能なので、遠方からショールームの様子を届けるケースもあります。

②ブランディング・PR(広報)

ショールームは企業のブランディングや広報活動にも役立ちます。
自社のビジョンやパーパス、世界観を体験できる空間にすることで、ブランドイメージをダイレクトに訴求できます。

また、イベントや企画展を行うことで、プレスリリースの配信などにつながる機会を創出できます。さらに、SNS企画など、デジタルマーケティングとの連動も考えられます。

同じくブランディングを目的としている施設では、企業ミュージアムのように、見学施設として開放し、地域の人々との交流を図るケースも多く存在します。

③商談・クロージング(営業)

また、顧客との接点の場になるので、営業活動にも役立ちます。
営業プロセスのなかで、商談やクロージングの場としても重要な役割を担っています。

ショールーム内では実物を用いての説明が可能なので、製品の魅力を直接伝えられる点でも有効です。
例えば、機械の場合だと、試運転などの操作を直接おこなうことで、稼働イメージを持ってもらえます。

④採用・研修(人材育成)

最後に、ショールームは採用活動・人材育成としても活用されます。

例えば、自社の会社説明会やインターンシップ、社員研修など、社員が自社の事業や製品を深く知るという意味でもショールームは大きく役立つと言えるでしょう。

ショールームのメリットや効果

住友電気工業株式会社
横浜製作所光機器ショールーム

続いて、企業が自社のショールームを活用・運用することで得られるメリット・効果について解説します。

1.製品の価値や魅力を伝えられる。

ショールームを活用することで、カタログだけでは説明できない製品の価値や魅力を伝えることができます。

ショールームにおける一番大きなメリットではないでしょうか。

2.企業のビジョンや世界観を体感してもらえる。

ショールームの空間デザインによって、企業のビジョンや世界観を表現でき、顧客に体感してもらえます。

言葉だけでは伝わらない企業のイメージ、ブランドの雰囲気を空間全体を通して伝えられる点もショールームの特徴です。

3.顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を向上できる。

感性に訴えるようなショールームを運用し、顧客接点や営業フローに組み込むことで、顧客体験を向上できます。

また、競合との差別化にもつながります。

※顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)・・・顧客が製品に興味を持ち、購入/利用し、継続する一連の体験のこと。

企業のショールーム展示アイデア集 資料ダウンロード

もっとわかりやすく伝えたいBtoBショールーム展示アイディア集

ショールーム活用の課題と対策とは?

ショールームはつくって終わりではありません。継続的に活用することが重要になってきます。
しかし、「ショールームを上手く活用できていない……」という課題感を持つ企業は少なくありません。

ここでは、ショールームを活用するうえで、よく挙がる課題点とその対策について解説します。

課題①伝えたいことが抽象的で、来場者に伝わりにくい。

開発者メッセージや企業ビジョンなど、伝えたいことが抽象的で、一方的な情報発信になっていませんか?一方的なコミュニケーションだと、会社の想いやメッセージが伝わりづらくなってしまいます。

A:来場者が自発的に情報を得られる仕掛けを

この課題の対策では、一方的に伝えるだけではなく、双方向のコミュニケーションが鍵となってきます。

例えば、自分の動きや行動が展示・映像と連動するコンテンツやタッチパネルなど、顧客にアクションさせるような体験型の展示を心がけましょう。

HAKUTEN流 体験コンテンツ事例集ダウンロード

ユーザーの心に残る体験コンテンツ最新事例集

課題②自社の技術力を見せたいのに、製品だけの展示になってしまった。

完成した製品ではなく、その過程にある技術や工程を見せたい。しかし、製品だけの展示になっていて技術の見せ方がわからない・・という課題をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
例えば、実際に稼働状態でないとパフォーマンスの高さを実感してもらえないような製品・サービスもあります。

機械・部品や素材などは、置くだけの展示では本当に伝えたかった価値や魅力が伝わりませんよね。

A:見るだけでなく、「体感」できる演出展示を!

この課題にはデジタルコンテンツの導入が大きなヒントとなります。

例えば、実物展示と映像を組み合わせる、壁や床へプロジェクションマッピングを行う、立体音響、香りなど、ショールーム空間全体を使った演出を行い、特別な体験を作り出すことが重要です。

ここ数年でビジネスにおける体験価値が高まっており、デジタルニーズとして顕在化しています。

デジタルコンテンツを駆使した顧客とのインタラクティブなコミュニケーションは、目で見るだけでは伝わらない価値や魅力を引き出せるのです。

さらに近年の動向として、コロナ禍の移動制限や人数制限により、企業活動のオンラインシフトが進むなか、ショールームを取り巻く環境は変化しています。

今後もショールームが価値を発揮するには、来場満足度の向上や、リモート見学やオンラインセミナースタジオなど発信拠点としての活用、デジタルマーケティングとの連動が必要となっています。

顧客の体験価値を最大化するためには、デジタル要素は必須と言えるでしょう。

ショールーム展示アイデア集 無料でダウンロード

もっとわかりやすく伝えたいBtoBショールーム展示アイディア集

体験重視で魅力を伝える! ショールームの活用事例

最後に、体験設計を重視したショールームの活用事例について解説します!

1.【製鉄】日本製鉄株式会社|名古屋製鉄所ショールーム

日本製鉄株式会社は、工場見学者の体験をより高めるために、“鉄の魅力を伝えられる空間”をコンセプトにショールーム全体を改装しました。

鉄が持つフレキシブル性・拡張性・リサイクル性などの強み、名古屋製鉄所の歴史・多様性・能力、そして企業全体としてのチカラを、シンボリックな空間デザイン・グラフィックで表現。

実物展示・模型展示・デジタルコンテンツを用いて能動的に学びのアクションを起こせる、わかりやすく体験的に訴求しました。 

空間設計を担当したHAKUTENのプロジェクトチームが、“鉄の魅力”に着目した名古屋製鉄所リニューアルの裏側について語ったブログも公開中。

どんなストーリーを描いて来場者の方々に向けた体験設計をおこなったのか。ぜひご一読ください!

「日本製鉄株式会社 名古屋製鉄所ショールーム」のプロジェクトストーリー

鉄の魅力とストーリーに“さわる”ショールーム の記事はこちら

2.【自動車】マツダ株式会社|マツダミュージアム

  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム
  • マツダミュージアム

続いて紹介するのは、世界的な自動車メーカーであるマツダの歴史や技術を一覧できる、マツダ本社にある「マツダミュージアム」。
創立100周年に合わせてリニューアルした、オフィス併設の企業ミュージアムで、主にブランドの発信拠点として活用されています。
歴史の蓄積やその重みと向き合い、ミュージアム内の「体験」をデザインしています。

ブランドとしてどういった発信を行うべきかという視点と、来訪者の心に響くものは何かという両面から、コミュニケーションを設計しました。

HAKUTENが担当したマツダミュージアムでは、プロジェクトチームがどのような議論を重ね、その「歴史」の輪郭をつかんでいったのか。
そんなプロジェクトの背景を対談形式でインタビューしたブログも公開中しております!

「マツダミュージアム」のプロジェクトストーリー

ブランドの歴史を体現した企業ミュージアムの体験をデザイン の記事はこちら

「展示」のショールームから、「対話」のショーケースへ。

これまでのショールームは、製造業やメーカーが自社の部品や機械の実物を見せながら、商談をクロージングしてくための製品展示の場所でしたが、モノ(製品)からコト(情報・ソリューション)へ商材が変化したことによって、そのあり方が大きく変化しています。

その変化を、HAKUTEN独自の目線で、「ショールーム → ショーケース」と捉えています。

ショー「ケース(case)」とは、製品や素材そのものではなく、それを活用した事例やプロトタイピングなど、具体的な事例=ケースを見せながら対話する場所を意味しています。

ショールームショーケース
展示
(EXHIBITION)
役割対話
(COMMUNICATION)
クロージング
実物を見て、最終確認する
目的スタート
事例を見て、アイディアを膨らます
部品、機械
企業の歴史・沿革

展示物
活用事例、ソリューション
プロトタイピング、R&D
企業の将来像・パーパス
製品の性能が伝わる
細かい仕様や使い方がわかる
効果自社の課題を相談できる
共創のイメージが沸く

このようにビジネスの変化に伴って、場所に必要な機能が大きく変化しました。

ショーケースの設計には「展示物をどう見せるか」ではなく、「顧客とどのような対話が起きる場所にしたいか」というCommunication Designが必要になっています


人と社会のコミュニケーションを「体験」によってつなぎ、お客様のビジネスを次へ動かすクリエイティブカンパニーHAKUTENは、ショールームにおける企画メソッドをまとめたお役立ち資料を公開中!

無料でお役立ち資料ダウンロード!

もっとわかりやすく伝えたいBtoBショールーム展示アイディア集
ショールームを最大限に活用する10のアイデア集