ここでは主にBtoB製造業(メーカー)の営業戦略について、課題とその対策、戦略を立てるために必要なことを解説します。事例も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
Index
・製造業(メーカー)の営業における課題
・製造業に合った営業施策を一覧で紹介
・製造業における営業戦略の立て方
・営業活動のなかで自社の良さを伝えるには?
・製品の魅力を伝える! HAKUTEN流ショールーム・展示の事例
製造業(メーカー)の営業における課題
最初に、製造業(メーカー)の営業における課題について整理していきましょう。
課題1:製品の価値や技術が伝わりづらい。
カタログや資料では、スペックや仕様の説明がメインになってしまいますし、部品、素材、香料などを取り扱っている場合、製品単体では魅力が伝わりづらいです。
機械の場合だと、購入後のイメージを持ってもらうためには試運転などが必要になってきます。
製品がもたらす価値やベネフィットを伝えるためには、効果的なコンテンツがないと営業パーソンの口頭説明に頼ることになってしまいます。
そうなると結果的に、属人化やパフォーマンスのバラつきの原因になりかねません。
課題2:デジタル×リアルを融合した営業戦略が必要。
製造業における機械加工品の購買・調達の実態調査で「あなたは、購買・調達する商品について何で情報収集していますか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「商品の資料請求・ダウンロード」が60.6%、「商品のサービスサイト」が53.8%、「商品の比較サイト」が46.2%という回答があったというデータがあります。(引用:【製造業調査】約7割が情報収集段階で本命導入商品を決める。機械製造業の現場担当104名から調査。)
結果をみると、製品を購入する前にサービスサイトや関連サイトなどで情報を集めている割合が高いことがわかります。
そういったなかで、オンライン施策の拡充や、リアル施策の見直し、両者を組み合わせたデジタル×リアルの融合など、営業戦略を見直す必要性に迫られていると言えるでしょう。
製造業に合った営業施策を一覧で紹介
ここでは製造の営業施策について、それぞれの特徴やメリットを簡単に紹介します。
リアル施策
リアル施策の特徴やメリットは、体験や実感をともなう説明が可能である点です。
つまり、顧客体験の向上につながりやすいのです。
施策例としては下記が挙げられます。
《リアル施策例》
・展示会
・ショールーム
・自社イベント(工場見学、ワークショップ、リアル限定セミナー)
・商談
オンライン施策
オンライン施策は、情報収集中の幅広い見込み顧客と効率よく接点を持てるというメリットがあります。
《オンライン施策例》
・ホームページ、ブログ、お役立ち資料
・カタログDL
・Web広告
・DM
・オンラインセミナー
・メールマガジン
・オンライン商談
・オンライン無料相談
・アーカイブ動画
・PR
製造業における営業戦略の立て方
続いて、製造業の営業戦略の立て方について紹介します。
ここでは人と社会のコミュニケーションを「体験」によってつなぎ、お客様のビジネスを次へ動かすクリエイティブカンパニーHAKUTENが独自で作成した「コミュニケーションフレームシート」を使いながら説明していきます。
こちらに関してはどなたでも無料でダウンロードできるのでぜひ営業戦略を立てる際にご活用くださいませ。
HAKUTEN独自のコミュニケーションフレームシートをダウンロードいただけます!
こちらから無料で保存ください。
ステップ①:顧客ステータス(Who)を書き出す。
まずは顧客の現状のステータスを整理しましょう。
顧客が現在、自身の課題について認識しているか、もしくは課題が顕在化しているか。
さらには、課題に対して具体的な解決策を模索しているか。
それぞれのステータスに合わせて、考えられる情報ニーズを書き出してみましょう。
また、顧客が自社の製品名/企業名を知っているか、すでに接点があるのか、という部分もあわせて見ていきましょう。
ここで忘れてはいけないポイントとして、BtoB製造業の場合、製品を選ぶ人・買う人・使う人が異なる点も留意しましょう。
ステップ②:訴求メッセージ(What)を書き出す。
続いて、先程の顧客ステータスに合わせて訴求メッセージ(What)を書き出してみましょう。
顧客の抱えている課題や情報ニーズによって、訴求するメッセージは変えていく必要があるので、どういったメッセージを伝えてどういう印象をもたせるかという点は、施策を考える前の重要な作業です。
ステップ③:コンテンツ(How)を書き出す。
訴求メッセージが固まったら、それに合わせたコンテンツ施策を考えましょう。
顧客ステータスや打ち出したいメッセージによってコンテンツは変わってきます。
例えば、企業名や製品名を認知していない顧客に向けては、短い時間で社名ロゴや製品の特徴が理解できるようなコンテンツを打ち出す場合もありますし、関係性が構築されている顧客に向けては、直接ヒアリングできる相談会などの場をつくるといったこともあるでしょう。
ステップ④:タッチポイント(Where)を決める。
最後に、それぞれの具体的なタッチポイントを決めましょう。
オンライン/リアルの大きくふたつに分けて、どの場所で展開していくかを定めたら、コミュニケーションフレームシートを活用した営業戦略はある程度固まったかと思います。
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営業活動のなかで自社の良さを伝えるには?
営業活動のなかで、自社ブランドや自社技術、自社製品の強みや価値を伝えるための方法について解説します。
▶各タッチポイントで企業イメージを統一する。
顧客とのタッチポイントが多様化するなかで自社のブランドイメージを確立するには、
各タッチポイントにおけるコミュニケーションの中で、ブランドイメージを統一することが重要です。
▶ショールームなどの常設展示を効果的に活用する。
製品や技術を伝えるのに、展示はとても有効な手段です。
これまでショールームは、主にクロージングの場として活用されてきました。
しかし、それに限らず、販売活動の中で幅広く活用できるのです。
たとえば、興味関心・情報収集フェーズの顧客向けに、見学会やイベントを実施したり、オンラインセミナーの撮影などにも使えます。
比較検討・購入フェーズの顧客向けに、プロトタイピングや試運転などにも使えますよね。
製品がコモディティ化していくなかで、自社や自社製品の価値を伝えるには、スペックや仕様の説明だけではなく、顧客に成功イメージを体験してもらうことが重要です。
顧客とのコミュニケーションの場として、製品の展示だけを行う「ショールーム」から、顧客が成功イメージを体験できる「ショー“ケース”」への移行が求められていると言えるでしょう。
ショー「ケース(case)」とは、製品や素材そのものではなく、それを活用した事例やプロトタイピングなど、具体的な事例=ケースを見せながら対話する場所を意味しています。
その変化を、HAKUTEN独自の目線で、「ショールーム → ショーケース」と捉えています。
ショールーム | ショーケース | |
展示 (EXHIBITION) | 役割 | 対話 (COMMUNICATION) |
クロージング 実物を見て、最終確認する | 目的 | スタート 事例を見て、アイディアを膨らます |
部品、機械 企業の歴史・沿革 | 展示物 | 活用事例、ソリューション プロトタイピング、R&D 企業の将来像・パーパス |
製品の性能が伝わる 細かい仕様や使い方がわかる | 効果 | 自社の課題を相談できる 共創のイメージが沸く |
顧客目線で展示を設計し、自発的に情報を得られる仕掛けや価値を肌で感じられる演出などによって、来訪の価値を高めることが重要なのです。
企業のショールームについて、効果的な事例を交えた解説ブログを公開中!
製品の魅力を伝える! HAKUTEN流ショールーム・展示の事例
製品の魅力を伝える展示事例について紹介します。
1.【製鉄】日本製鉄株式会社|名古屋製鉄所ショールーム
日本製鉄株式会社は、工場見学者の体験をより高めるために、“鉄の魅力を伝えられる空間”をコンセプトにショールーム全体を改装しました。
鉄が持つフレキシブル性・拡張性・リサイクル性などの強み、名古屋製鉄所の歴史・多様性・能力、そして企業全体としてのチカラを、シンボリックな空間デザイン・グラフィックで表現。
実物展示・模型展示・デジタルコンテンツを用いて能動的に学びのアクションを起こせる、わかりやすく体験的に訴求しました。
空間設計を担当したHAKUTENのプロジェクトチームが、“鉄の魅力”に着目した名古屋製鉄所リニューアルの裏側について語ったブログも公開中。
どんなストーリーを描いて来場者の方々に向けた体験設計をおこなったのか。ぜひご一読ください!
「日本製鉄株式会社 名古屋製鉄所ショールーム」のプロジェクトストーリー
2. 【機械】菊川ソリューションセンター|スター精密株式会社
工作機械メーカーであるスター精密株式会社の静岡県工場内にある、工作機械事業部としてのソリューションセンター「菊川ソリューションセンター」を紹介します。
3階建の施設はオフィススペースだけでなく、製品の導入を検討しているお客様をご案内し、企業理解を深める展示や製品のデモをご覧いただけます。
導入前にお客様と共に試作を行ったり、お客様に直接体験いただく施設製品のデモや機械操作講習を行ったりするスペースも併設しているショールームです。
展示のこだわりとしては、自動旋盤の実機を象徴的に置き、“モノ”の存在を強調。
工作機から生まれる部品サンプルを並べ、製品がもたらす価値を象徴的に展示しています。
この施設においてHAKUTENは、スター精密がお客様をご案内する際に触れる全ての空間、コンテンツに企画段階から関わり、空間デザイン、デジタルコンテンツ、映像制作、サイン計画など幅広く担当しています。
また、国際的なデザイン賞であるRed Dot Design Award 2021においてBrands & Communication Design部門でRed Dot賞を受賞しています。
そんなHAKUTENのプロジェクトチームが、プランニングのプロセスや受賞の要因などについて、成功の舞台裏に迫ったブログも公開中です。
「スター精密株式会社 菊川ソリューションセンター」のプロジェクトストーリー
いかがでしたか。
ここでは先程ご紹介したHAKUTEN独自の顧客コミュニケーションフレームシートやショールーム展示のホワイトペーパーなど、製造業における営業戦略のヒントにお役立ちできる資料を無料でダウンロードいただけますので、ぜひダウンロードしてチェックしてみてくださいね。