企業は今、『三方よし』の精神を改めて見直し、ビジネスを実行することが求められています。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」を基本とする『三方よし』の考え方に、我々は改めて学ぶべき点が多くあるのかもしれません。

博展では、社内のサステナビリティに関する知見の向上だけでなく、持続可能な事業をイベント業界全体で推進すべく、今年から「サステナビリティ・アンバサダー制度」を開始!

今回はサステナビリティ・アンバサダー活動日記 第1弾として、【2030 SDGs】というカードゲームを体験し、我々の日常生活やビジネス活動が与える世界への影響について考察します。

Agenda
三方よしって知ってる?
SDGsについて学べるカードゲーム【2030 SDGs】
実際に【2030 SDGs】を体験!
いま求められているのはGIVEの精神なのかもしれない
一人ひとりの意識がSDGsに向かない限り、持続可能な社会の実現は難しい

三方よしって知ってる?

近江商人が経営哲学の一つとして重視していた「売り手よし、買い手よし、世間よし」という思想を表す『三方よし』という言葉。
自分の利益だけではなく、相手やその先にある社会の幸せを追求する『三方よし』の考え方は、サステナビリティやSDGsが謳われるいま、改めて注目を集めています。

環境よし / 未来よし / 作り手よし / 働き手よし / 地球よし / 孫にもよしなど、独自の『三方よし』を企業理念として掲げ、社員一人ひとりの意識改革をおこなっている企業が増えています。

とはいえ、「ビジネスの場面において『三方よし』なんてきれいごとじゃない?」、「どうやって自分も、相手も、そして社会も幸せになるの?」と懐疑的に感じる方も多いはず。

今回は実際に模擬的にビジネスを体験し、『三方よし』を改めて考えることができるカードゲーム【2030 SDGs】に挑戦しました!

SDGsについて学べるカードゲーム【2030 SDGs】

今回は東京学芸大学 次世代教育研究推進機構 藤村様を講師にお招きし、2030年の私たちの世界がどうなっているかをシミュレーションするカードゲームを進行していただきました。

<2030 SDGs ルール>

使用画像 引用元:https://imacocollabo.or.jp/games/2030sdgs/

基本ルールとしては、
・チーム対抗戦(メンバーは何人でもOK。今回は2人1組で行いました。)
・最初にお金カード / 時間カード / ゴールカード(5種類あり、価値観の異なる最終目標を提示される)/ プロジェクトカードの4種類が配られる。
・チーム毎に異なるゴールカードが配られ、2030年までにプロジェクトを実行してゴールを目指す。
・条件を満たすと、お金と時間カードを消費してプロジェクトが実行でき、それに応じた達成報酬がある。
・「経済」「社会」「環境」という3つの世界の情勢メーターが設けられており、プロジェクトを実行ごとにそれぞれの状況が変化する。
▶社会情勢によってプロジェクトの可否も変化

と、いたってシンプルなもの。
他には決まったルールはなく、チーム同士でカードを交換 / 譲り合うことも可能。

つまり、このゲームは現実の世界を模していて、相手との合意があればどのようなやり取りも成立します。「今どうするべきだろう?」と悩んだときは、現実の世界で自分はどのような行動をとるだろうかと考えてみることが重要です。

<ルール説明を受ける様子>

今回は、サステナビリティ・アンバサダーメンバー+社内有志メンバーの計18人で2人1組の9チームを作りプレイをしました。

参加者全員で一つの世界を共有し、それぞれの立場からよりよい2030年の姿を達成することができるのでしょうか?

詳細なルールはこちら▼

https://imacocollabo.or.jp/games/2030sdgs/

実際に【2030 SDGs】を体験

〇個人の目標達成だけがすべて…?

ゲームは前半9分 / 後半15分の2部に分かれていて、前半が終了した時点で一度世界の情勢メーターと各チームのゴール達成状況の確認がありました。

各チーム、目標を達成するために数多くのプロジェクトを実行していきます。
また、プロジェクト実行に必要なお金や時間を集めるために、他チームとの交渉が盛んに行われていました。
「お金2枚と時間3枚交換して!」「それだとフェアじゃないなあ~」などといった会話が部屋のいたるところで聞こえてきましたね。

<チーム間で交渉を行う様子>

<プロジェクトを実行する様子…事務局に行き、報酬を受け取る様子>

あっという間に前半が終了。
ゴールを達成していたのは9組中6組で、内心「うまく進んでいるのでは?」と思っていたのですが、世界の情勢メーターをみると「経済」の項目だけが異常に増え、逆に「社会」はゲーム開始時よりもガクッと減っていて、かなりバランスが崩れていました。
自分たちの活動がこんな形で世界に影響を与えていると知り、驚きましたね。

ゴールを達成していないチームに話を聞くと、「社会のメーターが減ってしまっていることでプロジェクトカードを実行できず、ゴールを達成できない」とのこと。
とにかく自分のゴール達成だけを目指して動いていましたが、各々が全体を考慮していないことで世界の情勢メーターが崩れて不利になる立場があることを実感し、全員が少しクールダウンしたような印象がありました。

このままでは、持続可能な社会なんて作れるわけがありません…

アンバサダー同士が協働した後半戦

後半は前半と打って変わって、ゴール達成組を中心に世界の情勢メーターのバランスを取ろうというムーブメントが起こりました。

少しずつ世界の情勢メーターのバランスが取れていきましたが、それでもなかなか変わらなかったのが「カードの交換」に対するスタンスでした。
前半戦で双方にメリットがある交換が基本になっていたので、後半の手札が凝り固まってきた中で交換のハードルがどんどん高まっていました。自分にプラスになる対価がない交渉にはなかなか踏み出せないチームが多かったように感じます。
そうするとゴール未達成のチームは元々手札が少ないので交換が進まず、プロジェクトも実行できないまま硬直してしまいます。

逆にゴール達成済みの手札の多いチームは高いレートの交換を進め、より多くのプロジェクトを実行し世界の情勢メーターのバランスを取ろうとしていました。

両者ともゲームの世界を良くしようと動いていたのですが、なかなか噛み合わず、結果的にチーム格差
を生んでしまいました。

<悩む参加者たち>


いま求められているのはGIVEの精神なのかもしれない

最後に他の団体で行われたゲームの結果と比較しながら、今回博展が作った世界はどういったものになったのかを振り返ります。

最終結果は9組中7組がゴールを達成し、中盤に比べ世界の情勢メーターはかなり良いバランスで終了しました。  
早い段階で協力して情勢メーターを改善していけたのは、博展としては良い結果と言えるのではないでしょうか。

一方でゴール未達成のチームも残ってしまったのは、「カードの交換は損のないように」という暗黙のルールが抜けなかったことにありました。

<最終結果>

自分のどのような意識・行動がこの結果を創り出したのか考察を行います。
考察の結果、「交換には対価が必要」という概念はビジネスパーソンとしてある意味正しいことですが、このゲームを学校現場の教員研修で行うと、「いいよ!私には必要ないからあげるよ!」など当たり前のようにカードの譲渡があるそうで、参加者全員がかなり驚いていました。

博展という組織として“交換”に対して自然と同じルールを共有していたことは良いことであると同時に、無意識のうちに自分たちでルールを固めてしまい、状況転換が起こりづらい状態を生み出してしまっていたので、難しい一面もあると感じました。

また、どうしても自分たちの目標達成にばかり目が行ってしまいがちですが、それではSDGsの目標を達成することはできませんでした。
自分という人間、1社の企業と社会とのつながりがいかに深いか、私の意識・行動が社会にインパクトを与えている「私も起点」ということをゲームの体験を通じて再確認し、一人ひとりの意識が変わらない限りSDGsの目標を達成することは難しいのだと実感しました。

一人ひとりの意識がSDGsに向かない限り、持続可能な社会の実現は難しい

このゲームを通して学べたのは、SDGsに関する知識だけでなく「そもそもなぜSDGsが必要なのか」「それがどんな可能性を生むのか」ということでした。

ゲーム内で2030年までの世界を自分たちの行動で作っていくことをロールプレイングでき、身近な目標のために自分から行動することの大切さを感じました。
また、「経済」「社会」「環境」の3つのポイントを俯瞰して見ながら、全体の大きな流れを作っていくことの重要性を自然と理解できたように思います。
世界にはいろいろな価値観を持つ人がいて、それぞれが掲げる夢や目標も十人十色です。全員が「自分個人の幸福」を目指していては、”地球のバランス”はすぐに壊れてしまうのだと体感しました。
一人ひとりの意識が世界の目標であるSDGsに向かない限り、持続可能な社会を作ることは難しいでしょう。
世界の情勢を把握すること、相手の目標について理解し、協力して全員の幸せを目指していくことの重要性を体系的に学ぶことができ、非常に良い経験になりました。

また、このゲームはSDGsに関わらず、自分が実際に行動を起こした時にどういった基準で動くのかを知ることができるゲームでもありました。SDGsに関する知識をインプットし始めた人だけでなく、チームメイキングの側面からも是非一度プレイしてみると面白いかもしれませんね。