日本の大手総合機械メーカーとして、大型建設機械等を中心に世界的なシェアを誇るコマツ。同社は毎年、国内最大規模の建設・測量関連の展示会「CSPI(国際 建設・測量展)」に出展し、100小間超のブースを展開してブランドのPRを行っています。

博展は8年前から、本展示会におけるコマツブースの空間デザイン提案から制作・現場における施工、コンテンツの企画制作、当日の運営サポートまでトータルで支援をしています。今回は、本展示会の担当者であるコマツのお二人と博展のメンバー3人に、2026年6月に開催された「CSPI 2026」について振り返ってもらいました。


Index

・業界全体のフェーズ移行に伴い、展示会コンセプトをアップデート
・これまでのサイバー色が強い空間から、親しみやすい“公園”へ
・知見を活かし、重機4台を含む難易度の高い施工を安全に進行
・子どもたちが集う一般開放日にも、充実したコンテンツを提供


業界全体のフェーズ移行に伴い、展示会コンセプトをアップデート

-はじめに、貴社ではCSPIをどのような場として捉えているのか、教えてください。

王丸(コマツ 建機マーケティング本部):CSPIは毎年、当社のブランドおよび最新の製品、サービス等を発信していく重要な起点となっています。本展示会で用意した制作物や各種素材、講演資料などを、後に各地で開催される展示会やイベントで使用し、全国へと展開していきます。
開催時期に合わせて新製品をリリースすることも多いため、来場者の方からは「今年のコマツは何を見せてくれるのか」と、展示内容に大きな期待を寄せていただいているようです。

コマツ 建機マーケティング本部 王丸 省吾さん

-「CSPI 2026」に出展するにあたり、前年の展示内容からどのようなアップデートを検討されていたのでしょうか。

村上(コマツ ソリューション本部):今回のCSPIは、国土交通省が策定した建設DXに関するロードマップがちょうど次段階に進むタイミングで開催されました。2026年春から、建設現場でのICT実装が受注等に直接影響を及ぼすようになっています(※)。
当社では長年にわたり、ICT建機の開発および独自のソリューションである「スマートコンストラクション®」を展開してきました。2025年までは最先端技術を軸に近未来的なコンセプトで展示を行っていましたが、今回は現場の目線に合わせ、実際の業務で活用するイメージを具体的に伝えたいと考えていました。

※「i-Construction」:建設現場の生産性向上を目指し、国土交通省が2016年に始動した取り組み。ICT施工の導入等を推進している。2024年4月に「i-Construction 2.0」を策定・公表。2026年現在、「ICT施工Stage Ⅱ」の取り組みが進んでいる。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001085.html

コマツ ソリューション本部 村上 数哉さん

これまでのサイバー色が強い空間から、親しみやすい“公園”へ

-ブースを設計するにあたり、新たなコンセプトとして「FUTURE CONSTRUCTION PARK -建機と出会う、未来の公園-」を掲げた理由を教えてください。

中(博展 プランナー):コマツさんは業界におけるDXの先駆けとして、展示会でも10年以上前からスマートコンストラクション®を積極的に展開されています。今年はこのソリューションを「いつか実現する未来」ではなく、来場者の方に「自分たちがすぐに活用できる技術」であると認識してもらう必要がありました。
そこで、その技術を使って支えている街そのものや人々の暮らしへと視点を移行し、テクノロジーと実際の建機、そして自然が融合した場としての「公園」をコンセプトの軸に据えました。

福地(博展 デザイナー):デザインも、昨年の反省点でマンネリ化の懸念が挙げられていたこともあり、今年は思い切ってこれまでのイメージを一新することにチャレンジしました。
まず、コンセプトに合わせた植栽でグリーンを取り入れています。コマツさんが取り組まれているサステナビリティ経営にもつながるよう、デジタルと自然が融合したデザインを目指しました。ブランドのメインカラーである青・白とのバランスを調整しながら、改めて全体の調和を図っています。

村上:確かにこれまで、当社のブランドに関するレギュレーションを踏襲すると、表現の幅を広げにくいことが悩ましい課題の一つでした。
今回、博展さんからいただいた提案は、直線的かつデジタル的な印象が強かったこれまでのデザインに対し、曲線と植栽のグリーンを取り入れたアイデアで、とても新鮮でしたね。

王丸:会場で周囲のブースと並んだとき、かなり異彩を放っていたように思います。今回、特にアプローチしたかった来場者の方に対しても、強い印象を残せたのではないでしょうか。

福地:コマツさんのブースは、大勢の方が高い期待感を持って訪れる場所でもあります。だからこそ、たとえ細部であっても「本物を使っている」というこだわりを感じてもらいたいと考えました。植栽は、上部に設置されているものはフェイクですが、それ以外は私自身が専門業者を訪問し、一つひとつ丁寧に選んだ本物の植物です。

王丸:中には5mを超えるものもあり驚きました。細かい部分かもしれませんが、本物の植栽を使っていることで、私たち社員も来場者の方に対して胸を張っていられるような感覚がありましたね。


知見を活かし、重機4台を含む難易度の高い施工を安全に進行

-展示設計には、どのような工夫がありますか?

繁田(博展 プロデューサー):今回は、新製品である大型建設機械を4台展示することになっていました。それらの建機とソリューションを伝えるコンテンツを組み合わせ、現場における業務プロセスが効率化されていく具体的なイメージが伝わるよう、ブース全体を設計しました。

博展 プロデューサー 繁田大輝さん

王丸:コマツの場合、実物の建設機械と提供するソリューションをどのように融合させて表現するかが重要なテーマであり、担当者としていつも苦労するポイントなんです。その点、今回はスマートコンストラクション®の展示も含めた全体の回遊性、視認性が高い動線設計になっていたと思います。ブースで運営に携わった社員からも「展示がわかりやすい」と、好評でした。

-プロジェクト全体の進行に関してはいかがでしたか?

王丸:実は今回、同じ時期に他のイベントが複数重なってしまい、メインの担当者である私が十分に時間を割けない期間があったんです。でも博展のみなさんが、これまでの知見と限られた情報から最適解を導き出してくれて、いろいろと助けられました。

繁田:博展は昨年の出展時とほぼ同じメンバー、同じパートナー企業とチームを構成し、本プロジェクトを進めました。私たち3名のように、昨年以前から担当させていただいているメンバーも多くいます。そのためコンセプトと大枠のレイアウトが決定した後は、細かい指示をいただいてから動くのではなく、一人ひとりのメンバーができる限り先回りして対応することを意識していました。


子どもたちが集う一般開放日にも、充実したコンテンツを提供

-「CSPI 2026」では、昨年に引き続き一般開放日が設けられており、子どもたちを含む一般参加者の方へのコンテンツも展開しました。反響はいかがでしたか?

村上:かなり好評で、終日ブースがにぎわっていましたね。
子どもたちが色を塗った絵が大スクリーンで動きはじめる「塗り絵コンテンツ」や、その場で作って持ち帰れる「缶バッジづくり」、建機試乗、「なりきりフォトスポット。──昨年は初の取り組みだったため手探りだったのですが、今年は博展さんにサポートいただき、かなり充実したラインナップのコンテンツを用意することができました。

一般開放日は、大勢の家族連れでにぎわった

繁田:子どもたちが建設現場の仕事や大型建築機械そのものに触れる機会はなかなかありませんので、とても貴重ですよね。こうした場をつくることが、業界はもちろんのこと、社会そのものの未来につながると考えます。

左から、博展 プランナー 中彩乃さん、デザイナー 福地航大さん

昨年は私たちが想定した以上に大勢の子どもたちが来場してくれたので、今年はさらにチューニングを重ね、一般開放日は子ども向け企画に振り切ることにしました。「公園」というコンセプトが、業界向けと一般向け、双方にマッチしていたと思います。

中:昨年の経験を踏まえて、年齢の低いお子さんでも楽しめるようなコンテンツを提案させていただきました。特にコマツさんのブースでは、ステージに設置されているスクリーンがかなり大きいので、それをうまく活かしたいな、と。
でもただ映像を流すだけでは、小さい子はすぐ飽きてしまう…。そこで、自分がその場で色を塗った絵が動き出す仕掛けをつくることにしたんです。みなさんに楽しんでもらえたようで、ほっとしています。

子どもたちの塗り絵が、大きなスクリーンで動き出す
缶バッジの制作体験

王丸:一般開放日は、業界向けの展示とはまったくベクトルが異なりますし、短期的なビジネスの成果に直結する取り組みではありません。しかし業界全体の未来を考えると、こうして一般の方や子どもたちに私たちの仕事や取り組みに興味を持っていただくのは、非常に重要なことだと考えています。

村上:一般開放日に家族連れで来場していた社員も多く、当社にとっても良い機会になりました。私も来年は、ぜひ孫を連れて参加したいと思っています。(笑)

-最後に、今後の展望について教えてください。

村上:今回、空間デザインや造作などのハード面と、プレゼンテーションなどのソフト面が連動するブースを設計することができました。今後もさらに、スマートコンストラクション®の提供価値をより直感的にご理解いただくために、試行錯誤を重ねながら、分かりやすく伝わる展示内容へと改善を続けていきたいと思っています。

王丸:ブース内の混雑対策や、人気の高いコンテンツの実施頻度見直しなど、まだまだ改善の余地がありそうです。コマツのブランドを全国に発信していく起点として、さらに 今後も引き続き注力していきます。みなさんと盛り上げていきたいです。

繁田:年々アップデートを重ねているため、ハードルがどんどん上がっていくプレッシャーもありますが、みなさんの期待に応えられるよう、今後も“ワンチーム”で支援をさせていただきたいと思っています。

WORKS
https://www.hakuten.co.jp/works/komatsu_cspi2026

OVERVIEW

CLIENTコマツ
VENUE幕張メッセ

日本の大手総合機械メーカーとして、大型建設機械等を中心に世界的なシェアを誇るコマツ。同社は毎年、国内最大規模の建設・測量関連の展示会「CSPI(国際 建設・測量展)」に出展し、100小間超のブースを展開してブランドのPRを行っています。

博展は8年前から、本展示会におけるコマツブースの空間デザイン提案から制作・現場における施工、コンテンツの企画制作、当日の運営サポートまでトータルで支援をしています。今回は、本展示会の担当者であるコマツのお二人と博展のメンバー3人に、2026年6月に開催された「CSPI 2026」について振り返ってもらいました。