INTRODUCTION

夏の夜、音と光のインタラクティブな体験ができる憩いの場

2019年8月から10月末までGINZA SIX屋上ガーデンで開催されたインスタレーション。

博展は空間設計 / 光の演出を担当し、 サカナクション・山口一郎氏が発起人である『NF』がサウンドプロデュースを担当しました。

地上約56mに位置し、銀座最大の面積を誇る屋上庭園を、来場者が主役となる“作曲者がいないオーケストラ” をコンセプトに、音と光とテクノロジーがミックスした空間に演出。

さらには、ローンチイベントとして、『NF』メンバーである山口一郎氏、黒瀧節也氏、青山翔太郎氏によるDJイベントを開催しました。
今回は担当したプロデューサー 吉川/プランナー 真崎/デザイナー 高橋/プロダクトマネジメント 中塚の4人が語ります。

<左からプロデューサー 吉川/プランナー 真崎/デザイナー 高橋/プロダクトマネジメント 中塚>

OUTLINE

銀座という街の特色を生かした体験へのアウトプット

本文です。親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。

吉川 : GINZA SIX様からは、屋上で光を使ったインスタレーションの企画をやりたいというお話をいただきました。

PLANNING

真崎 : 

元々は観賞型の体験を求められていましたが、単に受動的にアートを享受するのではなく、来場者も参加できるインタラクティブな体験型展示のほうがこの場所には相応しいのではないかと考え、人の動きや作用が相互に影響する様な空間になるよう、体験の設計を行いました。

高橋 :

デザインを進めるために、銀座という場所が持つ背景や特徴についても深く調べました。

銀座は伝統性と革新性が交差する場所であり、さらにGINZA SIX様の屋上には、水盤エリアと芝生エリア、森エリアの3つで構成された和と洋の庭園様式があります。

そこで、日本文化の飛び石を西洋文化であるオーケストラのように指揮者を中心に放射状に配置し、和と洋が調和するデザインにしました。

また、GINZA SIXという名前にちなんで6つのキューブを指揮者の位置に設置し、体験者がそのキューブを叩くことで、目の前のオブジェクトが音とともに光って演出されます。

それぞれのキューブには飛び石と椅子があり、体験者はそこに座って聴くこともできるため、体験者と鑑賞者が互いに気持ち良く過ごせる空間になっています。

水盤エリアでは実際に水が流れており、水上に設置された飛び石と椅子に座り、そこで奏でられた音や水面に反射する光を鑑賞していただけるため、真夏の夜の屋上で清涼感溢れる体験をしていただけます。

さらに、サカナクションの山口一郎氏率いるNFというチームに参加いただき、どのようにキューブを叩いても聞き手が気持ち良くなるようなサウンドを設計していただきました。

KEY FACTOR

中塚 : 

私はデザイナー、プランナー、プロデューサーが考えている理想の形や、やりたいことを聞いた上で、それを実現させるべく施工を管理するプロダクトマネジメントを担当しました。

クオリティ高く、かつご予算内で目的にあったものを実現できるかを考えながら、関係各所と連携し、安全に実現させることが主な仕事です。

今回は3ヵ月間真夏の炎天下の中、スタッフが常時待機できない状況で、多くの来場者に体験いただくというかなりチャレンジングな案件でした。

また、実施時期を踏まえると台風の影響も考慮する必要がありましたが、過去の気象データや風力計算をもとにした構造設計だけでは、どこかで意匠や体験を犠牲にしなければなりませんでした。

そこで、耐えられる風速限度をあえて引き下げてデザイン性を維持しつつ、その上限を超える場合には撤去するという運用方法でGINZA SIX様にも合意いただきました。

空間の美しさや体験の気持ち良さと安全性の両立は、私の大きなミッションのひとつだったので、結果として事故がなかったことにホッとしています。

吉川 :

 真夏の3ヵ月間を通じ、安全面などいろいろな事が予想される中で一度の事故もなく会期を終えられたという点も、非常に高評価いただけました。それによって冬のイルミネーションもご依頼いただきました。

真崎 :

このインスタレーションを開催したことで、それまであまり足を運ばない年代層の方や、遠方からも多くの方が来られただけでなく、居心地良さそうに本を読んだり、思い思いの使い方をされているのを目の当たりにし、空間だけでなく、そこでの過ごし方までデザインできたと非常に嬉しく感じました。

吉川 : 

このプロジェクトはGINZA SIX様、博展、パートナー各社だけでなく、NFという異なる強みを持ったチームを迎えてプロジェクトを進めたため、それぞれがプロフェッショナルな専門性を発揮し、空間の新たな可能性を広げられたのではないかと思います。

私たちは空間作りですが、NFというチームを交えてアウトプットすることで、また新たな空間の可能性を広げることができたのではないかと思います。

プロデューサーやプランナー、プロダクトマネジメント、デザイナーなど専門性の高いメンバーが社内に在籍しているため、圧倒的なスピードで安全かつクオリティの高いクリエイティブを発揮できたのだと思います。

CREDIT

プロデューサー 吉川紘平・圷祐樹・秦星璃南
クリエイティブディレクター 桑名功
プランナー 真崎大輔
デザイナー 高橋匠・堀田純希・中榮 康二
デジタルディレクター 石田将也・石川空
映像ディレクター 古田 克
グラフィックデザイナー 佐藤恭子
プロダクションディレクター 中塚智幸・高橋大輔・奥村 幸之介