CLIENT 株式会社 資生堂
PROJECT 生きる地層-LIVING STRATA-
VENUE 資生堂パーラー銀座本店

「生きる地層」は資生堂創業150周年を記念した資生堂パーラー銀座本店のウィンドウアートプロジェクト。
「資生堂」という社名の由来である易経(えききょう)※の一節「至哉坤元 万物資生」(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる)という言葉に着想を得て、創業から積み重ねてきた年月と大地の雄大さを本物の地層を用いて表現。地層を大地が生きてきた時間そのものと捉え、その生命力を表現することで、見る人の根源にある心を震わせるようなウィンドウアートにしたいと考えた。地層と対峙した時に感じられる自然の力を表現するために、本物の地層をマテリアルとして使用した。博物館で地層を保存する際に用いられる接状剥離という技術を取り入れて地層の表面を実際に剥ぎ取り、大地本来の姿をウィンドウ
に落とし込んだ。地層のマテリアルはウィンドウアートとしての役目を終えた後も廃棄されることなく、博物館の研究材料として大きな価値をもたらした。日本の国立科学博物館を初め、複数の博物館に地層のマテリアルを寄贈した。博物館の展示品や地質学の研究材料として今後も人々に大地の偉大さを伝えていく。

「力強いバックグラウンドがあるプロジェクト」「大地の美徳を賛美するブランドの価値観を反映している」など、FRAMEの審査員から背景にあるストーリーや、本物の地層で表現した大地の生命力などが高く評価された。

※易経(えききょう):中国古典の儒教四書五経の一つ。五経の筆頭に置かれる儒教の経典。

AWARD受賞実績
・FRAME Awards 2023 Window Display of the Year
・日本空間デザイン賞 銀賞
・サステナブルデザイン賞

credit
Creative Direction:信藤洋二 / 資生堂クリエイティブ
Pastry Chef:加藤峰子 / FARO
Art Direction:金内幸裕 / 資生堂クリエイティブ

CREDIT
Design 布川光郷 / 藤原慧茉 / 中榮康二 / 中里洋介 / 伊藤愛希 / 鈴木慧 / 諸戸里帆
Produce 楯誠志郎
Technical direction 熊崎耕平
Construction 新宮海生 / Chiawen Lin