CLIENT 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
PROJECT 産総研常設展示施設(サイエンス・スクエア つくば)リニューアル
VENUE 産業技術総合研究所つくばセンター中央事業所内

日本最大級の公的研究機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)の常設展示施設「AIST-Cube(アイストキューブ)」を、「“ちょっと先の未来” と出会える共創の場」としてリニューアル。
博展は空間の設計施工にとどまらず、企画・空間デザインをはじめ、デジタルコンテンツおよびシステム構築、Webサイト制作まで総合的に担当しました。

【産総研が本施設のリニューアルにおいて設定した目的と空間づくりのポイント】
1.「社会課題解決」と「日本の産業競争力強化」という産総研のミッションを体現し、研究の世界の奥深さを来場者に伝えること。
2.日々進化する「現在進行形の研究」を発信するため、常設空間でありながらも「更新性」と「可変性」を持たせること。
3.単なる展示ではなく、来場者との関係性を深めるための「体験のデザイン」を構築すること。

業務のポイントと解決策
産総研がミッションに掲げる「社会課題解決」と「日本の産業競争力強化」を伝えるため、日々進化し続ける“現在進行形の研究”をタイムリーかつ魅力的に発信できる空間が求められました。 これに対し、博展は空間のハード(内装・什器)とソフト(デジタルコンテンツ・CMS)の両面からアプローチし、長期的な運用を見据えた「更新性」と「可変性」の高い体験設計を実装しました。

1. 日々の研究成果をタイムリーに発信する「更新性(Updatability)」
約2,200名もの研究員が生み出す多種多様な最新情報に対応するため、運営側が持続的にコンテンツをアップデートできるシステムを構築しました。
CMS(コンテンツ管理システム)と空間の連動: 専門的な知識がなくても、施設の運営担当者や研究員自身が最新の研究成果(テキスト、画像、動画データ)を容易に登録・編集できるデータベースを構築しました。
Webとリアル空間のシームレスな同期: 館内に設置されたデジタルサイネージ等の体験型コンテンツとWebサイトの情報を一元管理。Web上で更新された最新の研究ニュースが、即座にショールーム内のデジタル展示にも反映される仕組みを実装し、常に「今、ここにある最新の研究」に触れられる状態を実現しています。

2. 多様な展示物やイベントに柔軟に対応する「可変性(Variability)」
物理的な実物展示からデモンストレーションまで、研究分野によって大きく異なる展示スタイルに最適化できる空間デザインを設計しました。
フレキシブルなモジュール式什器の導入: 微細なデバイスから大型のプロトタイプまで、あらゆるスケールの展示物に対応できるよう、レイアウト変更や組み替えが容易なモジュール式の展示台を開発。企画展や研究員によるプレゼンテーションイベントなど、用途に合わせた空間の用途変更(トランスフォーム)を可能にしています。
デジタル空間演出によるテーマの切り替え: 物理的な展示の入れ替えだけでなく、映像設備や照明システムをコントロールすることで、空間全体のトーンを変化させる設計を採用。来場者の属性や、その時々にフォーカスする研究テーマに合わせて、空間の印象やコミュニケーションのプロセスを動的に変化させることができます。

3.「ちょっと先の未来」を想像させ、来場者との対話を生む「体験デザイン」
産総研のビジョンを体現し、単なる研究成果の「展示(見せる場)」にとどまらず、来場者との新たな共創を生み出す場へと昇華させることが重要でした。専門的で難解になりがちな研究内容を来場者が「自分ごと」として捉え、研究者との対話のきっかけを作るため、以下のアプローチで体験を設計しています。
社会課題を起点としたインタラクティブな情報探索(UI/UXの工夫): 来場者が専門用語から研究を探すのではなく、デジタルサイネージ等を用いて「身近な社会課題」や「未来の生活の疑問」をタッチ操作で直感的に選べるUIを設計。そこから産総研のどの研究が解決に繋がっているのかを紐解く導線を作ることで、来場者が研究を自分ごととして捉えやすくなるよう翻訳しました。
「未来の社会実装」を疑似体験する映像・空間演出: 技術そのものの解説だけでなく、「その技術が実装された少し先の未来で、社会や生活はどう変わるのか」をイメージできる映像コンテンツや没入感のある空間演出を実装。来場者の想像力を刺激し、「こんなことにも使えるのではないか」という新たな発想を引き出します。
コミュニケーションを誘発する「問い」と「余白」の設計: 情報を隙間なく詰め込むのではなく、あえて来場者が疑問を持ったり、自分の意見を重ねたりできる「余白」を持たせた展示構成にしました。また、展示エリアの周辺に研究者と来場者がフラットに意見交換できるコミュニケーションスペースをシームレスに配置することで、展示を見て生まれたインスピレーションをそのまま「共創の対話」へと繋げる空間を実現しています。

CREDIT
プロデューサー 三澤 幸由 , 西村 恵子
プランナー 長田 詩織
デザイナー 福山 駿太 , 神田 結衣 , 中村 なぎさ , 矢野 吉昭 , 川口 周二
グラフィックデザイナー 佐藤 恭子
プロダクトマネジメント 野口 和哉 , 助成 健二 , 渡邉 芳博 , 市川 将大
テクニカルディレクター 藤本 遼太郎 , 三浦 光梨 , 竹島 千尋
クリエイティブエンジニア 山田 翔一 , 中川 丘 , 吉原 悠人
WEBサイト制作・展示システム構築 水間 音文 , 山本 陸

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