CLIENT パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
PROJECT パナソニック汐留美術館ミュージアムショップ改修
LOCATION パナソニック汐留美術館

パナソニック汐留美術館は、2003年4月にパナソニックの社会貢献事業の一環として開館し、2023年4月に20周年を迎えました。
フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品約260点をコレクションし、調査・研究の成果に基づき、収蔵作品を企画展や世界で唯一その名を冠した「ルオー・ギャラリー」で公開しています。

【Strategy】
20周年を迎え、展示空間だけでなくエントランスとミュージアムショップを刷新し、これまで以上にお客さまに夢と感動をお届けできるような美術館へと進化し続けることが必要とされていました。
本施設は個性ある鑑賞空間の創出に定評がありましたが、お客さまを迎えるエントランス空間の「おもてなし感」に課題があり、また、ミュージアムショップとエントランスが併設であるという構造上の特徴があることで導線が複雑化しており、よりわかりやすいサイン計画の導入が必要でした。
今回、エントランスだけでなくミュージアムショップも掛け合わせた「ダイナミックなファサード」を創り出すことで来訪者に「期待感」「ワクワク感」を提供し、ストレスのないスムーズな導線計画により、20周年に相応しい「おもてなし空間」に進化させることを目指しました。

【Idea】
エントランス+ミュージアムショップ空間については既存建築のマテリアルや光環境を考慮しつつ、洗練さと温かみを兼ね合わせた「おもてなし空間」を創出。
さらに、誘導導線としてお客様が受付に到着する前にミュージアムショップが視界に入ることで雑多なイメージを与えてしまう恐れがあったため、アイレベル以下の「見せない商品展示」とアイレベル以上の「魅せるファサード」の見え方を計画しました。
この計画により、横長で奥行きのないコンパクトな空間でありつつも圧迫感のない美しいファサードデザインとなりました。
サイン計画についてはデザイン性と機能性のバランスをとることを主眼に提案し、美術館のメンバーと話し合いを重ねました。

【Design】
ダイナミックなファサードを演出するため、「横幅20mのディスプレイ兼商品展示棚」を設置。さらに、全ての棚背面には間接照明を設置しています。
外光の影響により内部空間が暗く見えてしまうことを考慮し、パナソニック㈱エレクトリックワークス社ライティング事業部協力のもと温白色の色温度器具でしっかりとメリハリをつけ、「洗練さ」と「温かみ」を演出する光環境を創出しました。
また、棚の「木色」は、天然木のナチュナル色にアップデートし「温かみ」を演出。
エントランスであり、かつミュージアムショップの機能をもつシンボリックな空間を創出しました。

CREDIT
プロデューサー 野田奈央樹
デザイナー 深谷昇吾、小坂浩三
グラフィックデザイナー 佐藤恭子
プロダクトマネジメント 小野寺悠太