製氷機や冷蔵庫をはじめとしたフードサービス機器で国内シェアNo.1を誇るホシザキ株式会社(以下:ホシザキ)はフードサービスの商談専門展 国際ホテル・レストラン・ショー(以下:HCJ)、日本最大の食品製造総合展 FOOMA JAPANに出展。

2020年以降、状況が大きく変わった展示会において、博展は出展におけるコンセプト戦略からブースデザイン、施工までトータルサポートしています。

このSTORYでは本案件に関わった博展 桜本さん 矢島さん 喜多村さんが、ホシザキ 土谷さん 宮﨑さん 奥田さん 光城さんとともに、展示会で打ち出したかった想いとその背景を語ります。

左から、ホシザキ 土谷さん 宮﨑さん 光城さん、博展  喜多村さん 矢島さん 桜本さん

Index

コロナ禍やHACCPの義務化で不安になっている来場者を安心させてあげたかったんです。

– HCJ2021では過去最大規模でご出展されていましたね。

奥田:そうなんです。そのときはまだコロナ禍によって、多くの企業が展示会を縮小して出展したり辞退したりしていたんです。そのような状況だからこそ、足を運んでくださるお客様のために最大限のおもてなしをしたいという気持ちで、規模は縮小せず、感染症対策にも気をつけながら出展しました。

宮﨑:また、*HACCPが完全義務化された年だったので、HACCPに則って提供できるサービスやソリューションの展示をしたかったという理由もありますね。

ホシザキ 宮﨑さん

とは言え、まだまだHACCPの認知度が低かったのと、コロナ禍も相まって来場者である外食産業の方々は不安を抱えているだろうと思ったんです。そこで、ホシザキのブースにHACCPを啓発できるスペースを設けることによって、多くの来場者を安心させてあげることができるんじゃないかと思ったんです

*HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point / ハサップ)

食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。
この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたもの。
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html

単なるモノ売りのブースではなく顧客に寄り添い、背中を押してあげられる場所に。

矢島:そういったご依頼を受け、フードサービス機器のトップメーカーであるホシザキさんは外食業界のメンター的存在だと考え、単なるモノ売りのブースではなく顧客に寄り添い、いま抱えている不安や悩みを共有できる場所、そして新しい制度にも対応できるように背中を押してあげられる場所にしようと提案させていただきました。

企画書の一部

土谷:洗練されたデザインも良かったのですが、それ以上にホシザキの現状を理解・整理されており、企画書の導入部分から心を掴まれました。コロナ禍で外食産業が打撃を受けているなかで、「これを買ってください」と売りに行くのではなく「寄り添う」姿勢が大事だという意見が社内的にも多くなっていましたからね。

ですから、これまで目標にしていた動員数ではなく、一人ひとりのお客様としっかりお話を聞き、“どれほど寄り添い、背中を押してあげられるか”の充実度を重要視するようになりました

ホシザキ 土谷さん

奥田:新しいパートナーに変更するリスクを考えたこともありましたが、それを上回る企画力だったので博展さんにお願いしたいと思いましたね。
しっかりHACCPの展示ルートが確保されていたのもよかったです。

矢島:はい、実際にHACCPコーナーでは、展示品と壁、床、サインをすべて連動させ、理屈だけではなく視覚的なデザインも紐づけられた空間作りを意識しました。

光城:誰が見てもすごくわかりやすいですし、会場にいる社員も来場者に説明しやすいので助かりましたね。

特に外食業界の方はみんなネガティブになっていたと思うので、ホシザキのブースに来ることによって、少しでも前を向いていただけていたらいいですね。

ホシザキ 光城さん

新領域においてどのようにアプローチしていけばいいか悩んでいました。

– HCJの後はFOOMAの出展もご相談いただきましたよね。

土谷:はい。そこで、HCJのプランがとても良かったので、FOOMA(国際食品工業展)も博展さんに出展をお手伝いしていただきました。
FOOMAというのは、「食」に関する総合展示会なんです。これまでは主に外食業界に向けて出展してきましたが、そこに限定せず、「食」全体にアプローチしていきたかったんです。

ただ、どうしても「ホシザキ=外食業界」という印象が根強くありましたから、新領域においてどのように打ち出していこうか悩んでいました。

矢島:新領域に取り組みたいという依頼を受け、強みとなる軸を改めて整理するために、ホシザキさんについてすごく勉強しました。

企画書の一部


まるでホシザキの社員がその想いを持って制作したかのようなブースで驚きました。

博展 矢島さん

矢島:そうして勉強を重ねて知ったのが、ホシザキさんは業界トップの企業でありながら、対人サポートが本当に手厚いということです。これは新しい領域においても揺るがない強みだと感じたので、「伴走力」というキーワードを軸に企画をまとめていきました。

企画書の一部

「ホシザキ=飲食業界」から 「ホシザキ=食の伴走者」という印象に変えたかったので、来場者に「自分には関係ない」と思われないように、どういうワードでテキスト化するかは結構悩みましたね。

桜本:FOOMAは展示会のなかでもレギュレーションの制約が多いので、デザインで差別化するより、いかにテキスト化したメッセージを伝えられるブースになっているかを意識しました。

FOOMA 2021

土谷:私たちは、来場者にとって、“食”の分野でホシザキに声をかければなんとかしてくれる存在になりたいと強く思っていたんですが、まるでホシザキの社員がその想いを持って制作したかのようなブースで驚きました。よくここまでホシザキのことを理解してくれてるなと。相当研究されたことがわかりますね。

光城:「食」という新しい領域に入っていきたいというこちらの意図を汲んで、反映させてくれたブースだと思いますね。伴走力という、まさに私たちがやりたいことを、噛み砕いてアウトプットしてくれたので嬉しかったです。

宮﨑:これまで製品を並べるだけの展示会だったんですが、そこにメッセージを付加してくれるところが博展さんの特徴ですね。私たちの想いや強みをテキストにしてくれるんですよね。言葉の持つ強さをうまく表現してくれます

矢島:ありがとうございます。自分にとっても2021年のFOOMAはターニングポイントになっていますね。ホシザキさんのことを深く知っていきながら企画書をつくる過程は本当に楽しかったです。

博展さんは、骨格からととのえてくれる整体師のような存在なんです。

– 博展のどのような点を評価し、継続してご依頼いただいているのでしょうか。

奥田:僕の好きなデザインの言葉に、「本質を捉え、あるべき姿にして正しく伝える。」というものがあるんですが、博展さんはこの言葉のように実行してくれるんです。表面的なことだけではなく、骨格からととのえてくれる整体師のような存在ですね。私たちが気づかない点まで見てくれるのですごいなと。うちのメンバーはみんな同じように思っているはずですね。

土谷:本当にそのとおり。鍼灸師とも言えるかもしれませんね。(笑)

桜本:ありがとうございます。ホシザキさんのことは日頃からよく考えていますね。どこの飲食店に行っても、ホシザキのロゴを見掛けますし、つい探してしまいます。
矢島に関しては「ここまでホシザキさんのことを勉強しているプランナーは自分以外いない!」と言っていました。

博展 桜本さん

矢島:はい。もう、ロゴを見ただけで何年製のモデルか分かるくらいホシザキさんのことを好きになってますね。(笑)

自分はプランナーなので職種柄、日頃からいろんなことをインプットしようと意識しています。今ではホシザキさんから新しいプロジェクトのご依頼をいただく前から、「次はこういうコンセプトがいいかも」のように自然と考えていますし、お客様よりもお客様のことを考えるよう心がけていますね。

宮﨑:会期中は運営面でもしっかりフォローしていただけるので大変助かってますね。ワンチームで動けているなと。

光城:会期中の来場者の動きを見ながら、その場で臨機応変に運営を改善してくれるのもいいですね。
喜多村:ありがとうございます。説明員と来場者の皆様が、より円滑にコミュニケーションが取れるよう、現場で発生した細かい問題にも素早く対応しています。

博展 喜多村さん

– 今後、博展にどのようなことを期待していらっしゃいますか。

宮﨑:デジタルも含め、ホシザキの販促関連を手広くやっていただきたいですね。

奥田:お互いマンネリに陥らないよう、変化し続けていけたらと。

土谷:そうですね。変化は大事なポイントです。

“今”の現状維持は、衰退と同じだと考えています。変化し続けることが進歩に繋がります。

チャレンジを続けると、失敗をすることもあるかもしれませんが、後悔や謝罪ではなく、反省をして、次に活かしていく。これを繰り返して共に進歩していきたいですね。

矢島:はい!継続ではなく、進歩し続けていきたいです。

桜本:ホシザキさんのご期待以上のことを発揮できるよう努めていきます!

OVERVIEW

CLIENTホシザキ株式会社
PROJECT国際ホテル・レストラン・ショー / FOOMA JAPAN

ホシザキ株式会社はフードサービスの商談専門展 国際ホテル・レストラン・ショー、日本最大の食品製造総合展 FOOMA JAPANに出展しました。
博展は出展におけるコンセプト戦略からブースデザイン、施工までトータルサポートしています。

CREDIT

プロデューサー 桜本洸、喜多村佳奈
プランナー 矢島大