INTRODUCTION

埼玉県は2021年11月20日と21日の2日間、大宮公園(埼玉県さいたま市大宮区)で埼玉県の「和文化」の魅力を楽しむイベント「埼玉WABI SABI大祭典2021」を開催。

埼玉県庁主催の人気企画「高校生『和』動画祭」を軸にしたSNSキャンペーンを行うなど事前集客を強化したことで、イベント当日は10,000人を超える来場者数を記録し、多くの人に和文化を楽しんでいただきました。 

博展は本イベントにおいて企画から集客、運営までトータルでサポート。
今回は担当したプランナーの大橋とプロデューサーの山村が、イベント成功のポイントを語ります。

山村華穂
2019年入社。イベントプロモーション部に配属後、toB系の新規営業に従事。2021年から官公庁や自治体をクライアントに自治体の大型主催イベントや主催イベントブース/シンポジウム/WEB制作など商材の垣根を越えて活躍。周囲のweb会議に山村の笑い声が入り、クライアントから「陽気なひとがいるんですね」と言われる。

大橋礼奈
2019年博展に中途入社。プランナーとしてBtoB、BtoCに関わらず幅広いクライアントを担当。 本プロジェクトでは、イベント全体のプランニングを担当し、事前/事後を含めた長期的なPR施策、リアル/オンライン双方のハイブリッドなコミュニケーションを設計。新しい体験を求めて年に4回は海外旅行へ、今は国内の魅力再発掘中。

OUTLINE

中止、無観客の過去を乗り越え、
ついにハイブリッド型で開催を決行

山村:
2017年から開催している「埼玉WABI SABI大祭典」は、台風による中止(2019年)や新型コロナウイルスによる無観客開催(2020年)によって過去2年間、会場に観客を迎えたリアルでの開催ができませんでした。

5年目となる今回は、現地イベントとその様子をオンライン配信する“ハイブリッド型”で開催。イベント当日は天候に恵まれ、たくさんの来場者に「和文化」を体験していただくことができました。

イベント当日は、甲冑や着物を実際に着られるコーナーや、水引・盆栽などの和文化を体験できるワークショップを実施。また、会場に設営された2つのステージでは、書道家や和楽器奏者など埼玉県にゆかりのある方々に「和文化」にまつわるパフォーマンスを披露していただきました。

他にも埼玉県の有名な飲食店が出展した飲食ブースや、「和文化」の発展に取り組む団体の展示ブースも出展。イベント当日は老若男女に来場いただき、大盛況でした。

PLANNING

「和文化の魅力を多くの人に伝えたい」
参加型キャンペーンでイベントまでの盛り上がりを醸成

大橋:
今回のイベントは「和文化」の魅力を多くの人に発信することが目的だったため、事前施策もイベントを知ってもらうための広告施策ではなく、和文化に興味を持っていただくための参加型キャンペーンをプランニングし、その集大成がイベントになるような設計にしています。

具体的には新型コロナウイルスの影響で活動の成果発表の場を失ってしまった高校生たちを埼玉県が応援し、活動の成果を世界中に発信する「高校生『和』動画祭」をより盛り上げるためのSNSキャンペーンを実施。応募動画作品を埼玉WABISABI大祭典ウェブサイトに一般公開し、再生回数やいいね!の数に対応して受賞作品を決定しました。

お笑い芸人の「すゑひろがりず」をスペシャルサポーターに迎え、イベントPR動画への出演だけでなく、当日のステージイベントにも出演してもらい、受賞作品を制作した高校生とのトークショーでさらに和動画祭を盛り上げました。

KEY FACTOR

メディアを巻き込んだ広報活動で認知拡大に成功

大橋:
今回のイベントを成功に導いた要因は3つあります。

1:潜在層にアプローチし、インタラクティブな仕組みでイベントへの盛り上がりを作る

今回は埼玉県内在住かつ和文化系の習い事に通う人を位置情報からターゲティングし、SNSで広告を配信。広告のクリック率は約30%を記録し、届けたい層にリーチしながら、たくさんの方に「高校生『和』動画祭」のキャンペーンに参加していただきました。

また、特設サイト上の動画には多いもので50,000回も「いいね」がつくなど、WABI SABI大祭典2021当日までにイベントに対する期待感を醸成できたと感じています。

2:メディアを巻き込んで広報活動を強化

コロナ禍でも逆境に負けずに活動に取り組む高校生を応援するという文脈で、ラジオやテレビ埼玉の番組などの各種メディアに「高校生『和』動画祭」を取り上げていただき、裾野を広げながらイベントの認知を高めることができました。 今回のイベントは広報施策をかなり強化しましたが、イベントのコンセプトに賛同してもらうことの重要性を再確認。メディア側にもこのイベントやコンテンツを取り上げることのメリットを感じてもらうことが重要でしたね。 

テレビ埼玉「#アオハルのむこうがわ」に放送された様子

3:100以上もの出展者や出演者とのやりとりを集約する事務局機能を社内に設置

社会情勢がなかなか読めない中、リアルでのイベント開催が決定したのは11月に入ってからでした。博展では社内に事務局を設置できるため、タイトなスケジュールにおいても100を超える出展者や出演者とやり取りを重ね、必要な手続きを円滑に進めました。また、会場である大宮公園には電気・ネット回線が無いため、パートナー企業と協力し、出展者ごとに必要なライフラインを1つずつ整備しました。

山村:
結果として今回のイベントには、2日間で10,000人を超える方に来場に来場していただきました。また、過去の開催では若年層の参加率が低いことが課題でしたが、web/SNSを活用した参加型のキャンペーンや、位置情報から精度の高いターゲティング広告など若年層へのアプローチ強化が功を奏し、来場者のうち10~30代の方が50%以上を占める結果になりました。

今回は検温や消毒はもちろん、感染症対策の一環で入場前に個人情報の提出もお願いしていたのですが、イベント会場に入るためにたくさんの人が並んでくださっていたことも嬉しかったです。

今回のイベントは最初にご提案した企画からかなりアップデートした形で実現しましたが、SNSキャンペーンでは埼玉県庁のご担当者様が毎日ツイッターを更新してくださるなど、多大なるご協力をいただいただけでなく、埼玉県庁様とディスカッションしながらより良いものを追求し、一緒にイベントを作り上げられたことも成功の要因だったと思います。

NEXT TRY

生活者に寄り添った”できごと”を作り続けたい

山村:
2019年から今回のような一般の方々に向けたイベントは開催できていなかったので、こうしてお子さんから大人まで楽しんでいただいている光景にとても達成感を味わいました。また、一般の方々からも、今回のようにみんなで楽しめるイベントを待ってくれている雰囲気を感じました。

今回は体験を通じて「和文化」の魅力を伝えられただけでなく、思い出に残るようなイベントを作り上げることができたと感じています。今後もたくさんの笑顔があふれるイベントを増やしていけるよう、努めていきます。

大橋:
私は改めてリアルイベントの楽しさを実感しました。
「百聞は一見に如かず」ということわざがありますが、イベント自粛期間を経たことで、その先の「目で見るだけよりも、1度の体験によって、より深く記憶に刻まれる」と感じさせられるイベントでしたね。不安が絶えない社会情勢ではありましたが、今回のように体験することで、少しでも前向きな気持ちになる。そんな生活に寄り添った “できごと”を多く生み出していけるように、今後も努力していきます。

そのためには土地柄・地域柄を踏まえたコンテンツ制作がすごく大切なので、今後も意識的にプランニングに反映していきたいですね。

左から大橋(プランナー)、山村(プロデューサー)

OVERVIEW

CLIENT埼玉県庁
VENUE埼玉県さいたま市大宮区大宮公園

CREDIT

プロデューサー 山村 華穂、政田 凌、坂井 貴史、二宮 和哉、美澤 亮
プランナー 大橋 礼奈
空間デザイナー 岡本 悠花
プロダクトマネジメント 長谷川 皓一
事務局 柿崎 織夢、新関 優子、塩畑 沙央里