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INTRODUCTION

1920年に創立され、世界的な自動車メーカーであるマツダの歴史、技術を一覧できる博物館「マツダミュージアム」。創立100周年にあわせて大々的なリニューアルが行われ、2022年5月にOPENしました。
マツダ様と博展のプロジェクトチームは、過去100年の歴史、そして次の100年に向けたマツダの想いや活動を、ストーリー性を持って多くの人に感じていただくため、歴史の蓄積やその重みと向き合いながらミュージアム内の「体験」をデザインしていきました。

プロジェクトチームがどのような議論を重ね、その「歴史」の輪郭をつかんでいったのか。そして、どのようなアプローチを行い、それを「空間」の中で表現していったのか。博展チームのプロデューサーの三澤、クリエイティブチームを統括した桑名、プランナーの福坂、デザイナーの川口の4人が本プロジェクトの背景をお伝えします。

三澤 幸由
2004年博展入社。製作/PM/設計と約7年間の現場経験を経た後、商環境部署の立ち上げに係わる。 以後現在に至るまで常設案件プロジェクトのディレクションを担当。大のクルマ好きで新車情報や業界動向のチェックを欠かさない。本プロジェクトではプロデューサーとして全体のマネジメントを担当。

桑名 功
2013年博展入社。クリエイティブディレクターとして企業のプロモーション拠点となる施設設計、ブランディングイベント、インスタレーションなど空間を軸とした体験のデザインを多岐にわたり手掛ける。仕事を契機に、ブランドに惚れ込みマツダ車を購入。本プロジェクトではクリエイティブチームの統括を行う。

川口 周二
2009年博展入社。展示会ブースデザインの経験を経た後、商環境部署の立ち上げ初期からショールーム、オフィス、店舗など商空間のデザインを担当。本プロジェクトでは空間デザインとディレクションを担当。クライミングが趣味で、15年間週末のボルダリングは欠かさない。

福坂 済
2005年博展入社。グラフィックデザイナーを経て、8年目からプランナーへ転向。 イベント・常設空間・グラフィックなど、様々な領域のコンセプトメイクを中心としたプランニング業務に携わる。本プロジェクトでは、展示ストーリーのプランニング、グラフィックコンテンツのディレクションを担当。

PLANNING

「ブランド」の発信基地となるミュージアムを設計する

桑名:マツダミュージアムは、マツダ本社というブランドの中心地に設立された展示空間です。ブランドとしてどういった発信を行うべきかという視点と、来訪者の心に響くものは何かという両面からミュージアムをアップデートするプロジェクトでした。

三澤:プロジェクトを進めていくにあたって主な要件が3つありました。施設内のVI刷新、技術展示エリアおよび未来展示エリアのコンテンツを新たに作成するというもの。これらの要件をそれぞれ満たした上で、ミュージアムのコンテンツを一つのストーリーとして提示するようにコミュニケーションを設計していきました。

福坂:一連のストーリーの中で、「体験にどのようなコントラストをつけていくか」はこのプロジェクトの重要なポイントでした。マツダの100年の歴史と今・これからを伝えるために、膨大な情報の中から何を提示するのか。マツダ様と博展のプロジェクトメンバーを中心に多くの人と対話を重ねながら進めていきました。

川口:展示物のボリュームが多く、要件も複雑。予算と納期も決して余裕があるとはいえない中でプロジェクトを成功に導くために、初期段階から具体的な提案を行っています。リソースをどこに集中していくか、どのようなマテリアルを用いるべきかなど、クリエイティブと予算の両面において具体的なビジョンを示すことを意識しました。

<作成した感情曲線>

桑名:初期提案時のプランに共感をいただき、当初の想定から大きな変更点はなくプロジェクトを進行出来ました。また、「感情曲線」を用いて展示空間でどのような体験を提供するのかというイメージをあらかじめ共有していたので、プランに変更が生じた際にもスムーズに軌道修正が出来ました。

三澤:博展側のメンバーも現場の経験が豊富で、且つプロジェクト全体を見渡せる少数精鋭のスタッフが揃い、このプロジェクトのハンドリングが出来ました。

ブランドメッセージと美しさを両立させるために

桑名:ミュージアム内はエントランスを通り抜け、大きく4つの展示エリアへと展開していく設計です。マツダの歴史を語る上で外せない車両や、エポックメイキングなエンジンなどが並ぶメインの展示スペースに続いて、マツダの特出した生産技術を紹介するエリア、そこから実際の生産現場が見られる工場見学ルートを渡り、最後はマツダのデザイン思想である「魂動デザイン」を体現するテストプロダクトが並ぶ未来展示のエリアへと繋がっていきます。

福坂:ミュージアムは、マツダの挑戦の軌跡を未来へと繋ぐ場所であり、同時に企業とユーザーを繋ぐ場所でもあります。歴史や思想を色濃く、そしてストレートに伝えながらも来場者にとって分かりやすい表現をしていく。そのバランスはとても繊細で、その伝え方、手法についてマツダ様と多くの協議を重ねて作り上げていきました。

桑名:各部を繋ぐ導線などに設置されたサインを含めて、施設内全てのUI・UX体験をデザインしています。

川口:また、空間の意匠を考えていくに当たり、現在のマツダブランドを表現するガイドライン「ブランドスタイル」を基にしながら、「マツダのブランド思想を新しいミュージアムに落とし込むにはどうすべきか?」を徹底的に話し合いながらマツダデザインチームの方たちと共に設計を行いました。

三澤:メインの展示空間には36台の車両が並んでいます。例えば、そのうち1台が変更になるだけでも、全体の配置や照明の調整が必要となる。かなり繊細な設計ですよね。

川口:ブランドが表現したいことを伝えるためにはどのような配置が良いかに加えて、展示物単体としても美しさが担保できるのかなど、常に複眼的な思考が求められる作業でした。

桑名:配置と照明に加え、展示物のグラフィックは全て博展で制作・出力を行っています。特にグラフィックに関しては、壁紙にプリントしたものを直接壁面に接着していくという工法を採用しています。スケジュール、コストの観点からこの方法を選択しましたが、弊社での自社制作としては初めての取り組み。技術的なチャレンジもありながら、全ての進行をまるでパズルのピースを組むように管理していく。これは一筋縄ではいかない部分でしたね。

会社同士でありながら、個人の顔の見える関係性を結ぶことがクオリティを担保する

三澤:弊社としても、この規模での常設のミュージアムの設計は初めての試み。制作物のボリュームはもちろんですが、設計施工に入るまでの情報の整理が本当に大変でした。

桑名:ブランド100年の蓄積を形にするということは、歴史と向き合い、紐解いていく作業。マツダ様の社内でもまさに社史編纂中の時期で膨大な資料の整理が完了出来ていなかったため、関連するそれぞれの部署とコミュニケーションを取りながら必要な情報を集めていきました。

福坂:数多ある挑戦のアーカイブとして、何を伝えるべきか。マツダ様内には同社の膨大な歴史が頭に入っている生き字引のような方々がいらっしゃるのですが、その方々に何度もヒアリングをしながら伝えるべきことの認識をすり合わせていきました。このヒアリングと提案の繰り返しに時間をかけたことは、展示の精度と密度を上げるためにとても重要なプロセスでした。

桑名:先に申し上げた通り、マツダ様のデザインチームと一緒にミュージアムデザインを行うにあたって、さまざまな部署との連携が必要でした。プロジェクトの活動は徐々に様々な部署に広がり、且つ深く結びついた。その中で、抽象的な表現になりますが、会社同士の結びつきでありながら、しっかり個人個人の顔が見える関係性が築けたと実感しています。それによって、クリエイティブで実現したいこと、各部署の実現したいことを深く理解した上で進めていくことが出来ました。
これらは全て、複雑なものをまとめあげるという要件に対しては必要なプロセスだったと感じます。

KEY FACTOR

歴史を形にする仕事の骨格となったチームメンバーの「熱量」

川口:桑名の言うように、クライアントとの対話は本プロジェクトの重要な部分を占めています。特にプロジェクトチームのマツダデザイナーチームの方々と高い解像度でコミュニケーションを取り進めたことは、私自身、非常に楽しく、印象に残っています。

例えば、「この壁は数mmエッジを勝たせることで影を落とさせ、壁面全体のシルエットを際立たせます」、のような細かい議論が行われるのですが、こうしたやりとりは、基本的に初期に起こしたパース(現状とは異なることが多い)とマテリアル、それを言葉で補いながら進めていくことが通常です。しかし、今回はそれ以上のレベルの会話でコミュニケーションを取る必要がありました。

都度進化していくデザインを、即座にパースというヴィジュアルへ落とし込みながら対話する。言葉を通してデザインを磨き上げていくのではなく、ヴィジュアルを通した感覚的なレベルでの認識をすり合わせていく。そんな場面が何度もありました。これらはもちろん、深くマツダデザインの思想を理解するというプロセスを踏んだ上で可能になることですが、こうして時間をかけて高いレベルでクライアントと議論できたこと自体がアウトプットのクオリティに直結したのだと思います。

三澤:そして、展示する製品を提供していただく際に、ただ製品を受け渡すだけではなく、わざわざ各開発部門のご担当の方が足を運んで、「これはどういうもので」と熱っぽく話をしてくださったのも印象的です。プロジェクト担当者だけでなく、マツダ社内の様々な方々が自分たちの想いをファンに届けたいという気持ちの大きさを感じました。

そして、私自身もクルマという好きな業界、好きなブランドのコンテンツを形にするということで、プロジェクトのスタートから凄くワクワクしていたのですが、博展メンバー全員が熱い想いで取組んだプロジェクトでしたし、特にクリエイティブチームの進行中の提案には、自分の仲間ながら毎回感動していました。

桑名:博展はもちろん、マツダ様全員の熱量が素晴らしいプロジェクトをつくったというのは間違いないですね。

福坂:クライアントからはここには到底書ききれない量の、マツダが歩んできた歴史・挑戦・想いを教えていただき、そしてさらに対話を重ねていくことで、一緒につくり上げることができました。本当に貴重な経験をさせてもらいました。

桑名:マツダミュージアムはコロナウィルスの影響で開館日が数度延期になりましたが、5月にOPENしてからは待ちに待ったファンや地域の方々が多く来場されています。そして、新しいミュージアムの体験後は非常に高い評価の声を頂いているともお聞きしています。

三澤:そんなお客様の熱のこもった評価を聞くことが出来るこのプロジェクトに参画出来た事に改めて感謝したいです。これからもマツダミュージアムはブランド発信基地として進化を続けていく場所かと思いますので、引き続きそのお手伝いを出来たらと思っています。

OVERVIEW

CLIENTマツダ株式会社
PROJECTマツダミュージアム
LOCATION〒730-8670 広島県安芸郡府中町新地3番1号
WEBhttps://www2.mazda.com/ja/onlinemazdamuseum/

CREDIT

プロデューサー 三澤 幸由
クリエイティブディレクター 桑名 功
プランナー 福坂 済
デザイナー 川口 周二