INTRODUCTION

マリオット・インターナショナルは、2022年3月、株式会社読売新聞東京本社および積水ハウス株式会社と共に、「コートヤード・バイ・マリオット名古屋」を開業しました。

ザ・リッツ・カールトン、シェラトンなどのブランドを擁する「マリオット」は139ヵ国の国と地域に展開する世界的ホテルチェーン。コートヤード・バイ・マリオット名古屋は、日本国内では大阪本町に続く6軒目のコートヤードブランドのホテルです。

博展はホテルの開業に際し、オープニングセレモニーの企画運営と、事前の広告戦略の立案から実装を担当。ホテルのコンセプト設計をより強固に表現するプランニングを行いました。

今回はプロジェクトを担当したプロデューサーの桜本、プランナーの茂澤、プランナー兼アートディレクターの矢島が、その舞台裏を語ります。

桜本 洸

プロデューサー

2013年博展に入社。営業として5年間本社勤務後、2018年に中部営業所開設メンバーとして名古屋へ転勤。営業メンバーのマネジメントをしつつ、プロデューサーとして多領域に渡る案件を担当。

茂澤 琢人

プランナー

2019年に博展に入社。元々はプロモーション企画を得意領域としつつ、現在はBtoBマーケの上流にプランニングを拡大。最近は子供と一緒に布団の中に隠れてキャッキャ言う事にはまっている。

矢島 大

プランナー/アートディレクター

2020年に博展にプランナーとして入社。前職のグラフィックデザイナーとしてキャリアを活かしつつ、「一回全部やってみる」というスタンスで様々な領域にチャレンジを続けるオールドルーキー。週末は奥さんとお酒を飲みながらゲームをするのが日課。

OUTLINE

マリオットブランドの品格とホテルの機能、両者を伝えるイベントの企画運営。

桜本:「コートヤード・バイ・マリオット名古屋」は中部地方初のコートヤードブランドのホテルです。今回は、このホテルの開業日に実施したオープニングセレモニーの企画運営と事前プロモーション設計を担当させていただきました。

茂澤:クライアント側の希望は、宿泊機能のみならず施設の持つ複合的な価値を発信したいというものでした。「コートヤード・バイ・マリオット名古屋」は中部地方の中核に位置していて、愛知県内でも最大規模の宴会場を備えたホテルなので、結婚式やビジネスユースのパーティなどさまざまな形で利用していただけるような、ポテンシャルのある施設なんです。

桜本:そのため、遠方からの旅行客だけではなく名古屋近郊の方々にもこのホテルの魅力を伝える施策が求められていました。オープニングイベントは、世界的ホテルブランドの品格と、施設のアビリティを体感していただけるように構成しましたね。

桜本:オープニングイベントでは、ホテル業界の関係者やプレスの皆さまをお招きしてのセレモニーとホテルの内覧会を開催。当日は愛知県知事や名古屋副市長も会場にお越しいただき、スピーチをしていただくなど、メディアからも周辺地域からも非常に注目度の高いオープニングイベントとなりました。

また、大広間の利用シーンをイメージしてもらうため、セレモニー内で読売交響楽団による演奏会を企画しました。

矢島:オープニングイベントの会場をデザインするにあたって、意識していたことが2点あります。ひとつは、ホールをはじめとしたホテル空間そのものを来場者が体感できるよう会場の装飾はシンプルにするということ。ふたつめは、プロジェクターなどの機材を外からは持ち込まず、ホテルが元々備えている設備を活かした演出にするということです。

桜本:ホテルのさまざまな用途を具体的にイメージいただけるよう、会場ではパースの展示も行いました。いずれも、セレモニーに参加した150名以上のゲストやメディアの方々に「コートヤード・バイ・マリオット名古屋」の備えた機能を体感していただくための企画です。

PLANNING

「心身を整えるホテル」を軸に、ターゲットを絞った広告展開

桜本:また、今回博展は当日の企画運営に加え、広告制作、PR業務も担当しました。広告戦略のプランニングを行う中でホテルのコンセプトについて議論する機会を頂いたのですが、そこで「心身を整えるホテル」というホテル像を提案。そのコンセプトが広告戦略のロードマップとなりました。

矢島:「コートヤード・バイ・マリオット名古屋」の主な顧客層は高いパフォーマンスを求められるビジネスマンです。彼らが過ごすホテルがどうあるべきかと考えた時、自らのコンディションを整え、ベストコンディションを維持できる空間であるということは重要な要素でした。

ベストコンディションを維持するためには、適度な緊張とリラックスの両方が必要だと言われています。客室のデスクで仕事に集中し、レストランやバーラウンジで休息をとる。そのようにオンとオフを切り替えられる施設は、実は名古屋ではかなり珍しいんです。その背景もあり、今回の広告ビジュアルは、そうしたオン/オフのメリハリがある過ごし方をコンセプトに表現しました。

矢島:これまでマリオットが展開していた広告は空間をメインにしたものが多かったのですが、今回はコンセプトに合わせ、人が利用しているシーンをメインに訴求したビジュアルを6パターン制作しました。

茂澤:広告の展開は、マス向けではなくあえてターゲットを絞ったものに。周辺地域での認知を高めるために屋外広告、電車の中吊り広告に加え、新聞広告を出稿しています。また、中部の玄関口となる名古屋駅コンコース内ではデジタルサイネージをジャックし、100面にビジュアルを掲示しました。 

KEY FACTOR

高いクオリティと制作スピードを両立

桜本:クライアントが外資系企業ということもあり、進行の後半にはマリオット・インターナショナルのマーケティング責任者と一緒に打ち合わせをするシーンが何度もありました。そのなかで、「オープニングイベントは特に力を入れており、“マリオットブランド”を守りながら成功させたい。」というお話もありました。そして結果的に、博展のクリエイティブのクオリティをしっかり評価していただけたこともあり、最終的には大きな変更もなくプロジェクト全体をスムーズに進行することができたので、私たちとしても安心しましたね。(笑)

矢島:クオリティと同時に、短い納期の中でかなり「速さ」を求められるプロジェクトでもありましたよね。

オープニングイベントと広告制作の両者をスピーディかつ正確に進行するために、

桜本が数ある関係者の窓口になって先導してまとめてくれたおかげで無事当日を迎えることができましたね。

桜本:プロジェクトが進む中で制作物がどんどん増えていきましたが、基本的に全て「やります!」と言って引き受けてました。(笑)オープン日は待ってくれないし、即断即決していかないと間に合わないようなボリュームの仕事がありましたから。プロデューサーの仕事は厳しい状況下でこそやり切る力が試されるものだと思っています。

NEXT TRY

空間を超えたプロモーションプランニングでコミュニケーション戦略を。

桜本:イベント終了後にクライアントからフィードバックを受けたのですが、ありがたいことにプロデュースにおいても、クリエイティブにおいても高い評価をいただきました

茂澤:クライアントからの評価はもちろん、今回のオープニングイベントがテレビを含めた複数のメディアに取り上げられたことも「成果」でしたね。広告換算費としては想定していた金額を大きく上回ることができたので、数値的にも結果が出せたことは嬉しかったですね。

矢島:博展がメディアプランニングまで担当させていただくことはまだまだ多くはありませんが、今回のようにイベントからメディアプロモーションまでワンストップでコミュニケーション設計を行うことで、より強いブランド訴求ができたと手応えを感じています。今回の知見を活かし、空間やイベントを超えたプランニングをしていきたいですね。

左から、矢島・桜本・茂澤

OVERVIEW

CLIENTコートヤード・バイ・マリオット名古屋
PROJECTCourtyard by Marriott Nagoya Opening Ceremony
VENUEコートヤード・バイ・マリオット名古屋
LOCATION愛知県名古屋市中区栄1-17-6

CREDIT

プロデューサー 桜本 洸
プランナー 茂澤 琢人
プランナー / アートディレクター 矢島 大