
INTRODUCTION
コロナ禍においてリアルのコミュニケーションが制限され、どのようにしてロイヤルカスタマーに特別な体験を提供し、熱量を上げるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は“オンラインだからこそ実現できること”を有効活用し、ファンイベントを大成功させたサッカー日本代表ファン向けイベントの事例をご紹介。
担当アカウントの竹熊とプランナーの渡邉が、ファンの夢を叶えたオンラインイベントの舞台裏を語ります。
OUTLINE
テレビでも。ウェビナーでもない。新しいカタチでのオンラインイベントを模索

渡邉:
サッカーファンに向けたイベント「いま感じよう、世界への熱気」を朝日新聞社主催で開催。抽選で260人の方がイベントにzoomで参加し、その様子をvimeoで配信しました。
1部ではJリーグの話題を中心に元日本代表の那須氏とトークし、2部では男女の日本代表チームについてなでしこジャパン監督 高倉氏や元日本代表選手 戸田氏など、豪華なゲストを交えながら解説という2部制で全体を構成。
さらには、欧州にいる代表戦直前の日本代表選手とzoomでリアルタイムで繋ぎ、ファンとの交流も行われました。
テレビでもない、ウェビナーでもない、参加型オンラインイベントという新しいスタイルを確立し、多くの参加者に楽しんでいただきました。
<実際のイベントの様子>


竹熊:
2020年は、コロナ下でJリーグの試合や日本代表の試合がなくなってしまい、ファンの方々にとってサッカーを見る機会が少なくなってしまいました。
今回は朝日新聞社様から、「試合を観戦するだけではなく、選手と交流することでサッカーをもっと好きになってもらえる機会を作りたい 」というご相談を受けたのがきっかけでご提案の機会をいただきました。
2020年の10月ごろにお声がけをいただいたのですが、キャスティングしている選手のスケジュールの関係で11月上旬にイベント実施という、かなりタイトなスケジュールでの進行に。1ヶ月で企画の中身やグラフィック / 映像の作成、さらには画面構成などプランナーを中心に内容を詰めていきました。
PLANNING
オンラインイベントの特徴を活かし、臨場感を演出
渡邉:
朝日新聞社様からこうしたい!という企画の軸をいただいており、実際にそれを形にするのが博展の仕事でした。
TV番組でもなくウェビナーでもない、オンラインイベントならではの特徴 / メリットを活かすことがポイントになりましたね。
今回は当選した260名の参加者がzoomでオンラインでイベントに参加し、それ以外の視聴者に向けてはvimeoを通してその様子をライブ配信しました。
当選したzoomの参加者はただ視聴するだけではなく、憧れの選手と交流できたり、一緒に画面に映ったりと差別化を図ることで、記憶に残るイベントにしたいと考えていました。
そこで、イベント内ではslidoという双方向コミュニケーションツールを使って選手から参加者全員に質問し、リアルタイムの投票形式で答えてもらうなど、“生配信ならではの面白さ”を追求。
さらに、せっかく憧れの選手と画面越しに会える機会なので、その場で抽選を行い、当選者に選手のサインが入ったボールやユニフォームをプレゼントする、リアルタイムのコミュニケーションが取れるような企画を実施しました。

渡邉:
今回のオンラインイベントの内容は、HAKUTENオフィス内にある配信拠点からの放送でしたが、配信画面の構成やスポンサーロゴの配置、カット割などを細部に至るまでしっかり詰めて本番に臨みました。
特に台本作成においては、“どのタイミングで、どのような画面構成になるか”まで設計していたので、テレビ番組のような飽きない構成と生の臨場感が生まれましたね。
KEY FACTOR
自社のリソースをフル活用し、短納期でもクオリティを追求
竹熊:
社内に配信スタジオがあるだけでなく、実際にオペレーティングがするテクニカルスタッフやテロップ/フリップを作るグラフィックデザイナー、ピッチのような空間をデザインしたデザイナー、さらにはそれを実現した制作部隊など、配信をする上で必要なリソースが全て社内にいて、スムーズなコミュニケーションが取れたからこそ、今回のような短納期でもクオリティの高いオンラインイベントを実施できたと思います。
<実際に作成したフリップ>

<配信スタジオの様子>

NEXT TRY
オンラインを駆使し、記憶に残る体験を届け続けたい
竹熊:
ファンとの交流を大切にしている企業やブランドは、これからオンラインイベントをもっと活用していくだろうと確信しました。オンラインイベントは“憧れの人と話せる、遠く離れた場所とリアルタイムに繋がれる”のですから。
今まで物理的距離によって実現が難しかったことでも、オンラインによってそのハードルがなくなり、「あったらいいな」と漠然と考えていたファンイベントを実現できるようになっています。
これはブランドやスポーツのファンにとっては夢のようなこと。
オンラインであっても、そのひとときはその人の人生に深く刻まれる体験になるのだなと感じました。そのような意味でもオンラインイベントでしかできないことがはっきりしたので、リアルイベントが復活した後でも残っていくだろうと確信しています。
渡邉:
オンラインイベントは視聴者と出演者という一方方向の構図ではなく、出演者と視聴者、オンライン参加者という3つ目の集団を作ることが可能です。
つまり、一般の視聴者でありながらイベントの参加者として迎え入れ、出演者と共に舞台に立って楽しんでもらうという構図です。
これはファンにとって間違いなく記憶に残る体験になるだけではなく、それを見ている視聴者にとっても、ブランドとファンがつながる瞬間を目の当たりにすることで、ファンがブランドにどれほど大切にされているか / どのような体験を提供しているかを実感し、そのブランドへの愛着はさらに高まると考えています。
ですから、今後もオンラインイベントはファンだけを集めたクローズな形式で行うだけではなく、その様子を一般ユーザーへと広げていくことを意識してプランニングをしたいと考えています。

OVERVIEW
CLIENT | 株式会社 朝日新聞社 |
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CREDIT
プロデューサー | 竹熊量平 |
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プランナー | 渡邉歩 |
テクニカルディレクター | 中條 卓 |