展示会の出展が決まり、いよいよ施工日。会場に足を踏み入れると、そこは普段のオフィスとは全く違う、熱気と混乱が入り混じる独特の空間が広がっています。
「準備は万端のはずだったのに、ポスターを貼る道具がない!」
「動画が再生されない!」
「荷物が届かない!」
慣れない環境下でこうしたパニックに陥らないためには、設営日当日の動きをどれだけ具体的にシミュレーションできているかが大切です。今回は、年間約800件ものブース納品を支える展示会出展パッケージサービス「パケテン」の現場責任者・近藤さんにインタビュー。
数々の施工現場に立ち会ってきた経験から導き出した、施工日に慌てないための7つのチェックポイントを解説します。
目次
Q1.ポスターやパネルは自分たちで貼れるものですか?
「自分たちで貼ります」とおっしゃる企業様は多いのですが、当日現場で一番苦労されるのがここです。最大の誤算は「壁の高さ」にあります。
一般的なオフィスの天井や壁は2.1m〜2.4m程度ですが、展示会場のシステムパネルの高さは通常2.7mあります。これ、実際に目の前に立つと想像以上に高いんです。来場者の目に留まりやすい「高い位置」にパネルを掲示しようとすると、背伸びをしてもまず届きません。
現場でよく見かけるのが、搬入した椅子やテーブルの上に乗って作業されている光景ですが、これは危険なので絶対にやめてください。自力で貼るなら、最低限「脚立」の持参が必要です。ですが、脚立はかさばりますし、持ち込みも大変ですよね。パケテンではプロによる貼り付けオプションも用意しています。「プロの手を借りて、自分たちは営業戦略に集中する」という選択も、賢いリスクヘッジの一つです。原則お客様の持ち込み物はお客様自身での取付をお願いしていますが、枚数制限ありで取付サポートも可能なのでお困りの際はお声がけください。

Q2.市販の両面テープでも大丈夫ですか?
実は、設営日の夕方に私がブースを見回ると、パネルが斜めになっていたり、剥がれ落ちそうになっていたりするブースをよく見かけます。
「設営日は完璧だったのに、翌朝本番に行ってみたらポスターが床に転がっていた……」というのは、初出展の方にありがちな悲劇です。掲示物を自前で用意されるなら、掲示物の材質や大きさに合った、強力かつ剝がし跡の残らないテープを準備するようにしてください。加えて現状復帰が必須となるので跡が残らない剥がせるタイプを選ぶのも大事です。また、壁面の素材によって使えるテープも異なるので注意しましょう。パケテンではブース壁面用に接着可能なベルクロも準備しています。うまく利用いただけると準備の手間も軽減されると思います。
Q3.荷物を「時間指定」で送れば安心ですよね?
ここが、一般の宅配便と違う「展示会業界の常識」かもしれません。多くの展示会では、会場付近の渋滞緩和と効率化のために「事務局指定配送業者」による一括集約システムを採用しています。
出展者が「午前中指定」で荷物を送っても、一括で運ばれるため、そこからあなたのブースに届くまでは順番待ちになります。荷物が届かない!と配送業者に電話しても、現場の混乱の中ではすぐに特定できないことも多いのです。また複数個の場合は個口割れすることも、ままあります。個口数が多い時は多少費用が掛かってしまいますが、ボックス(かご車)チャーターサービス便を利用することも選択肢に入れた方が安心かと思います。
「荷物はすぐには届かないもの」と想定し、先にできる作業(レイアウトの確認や挨拶回りなど)と、荷物が届いてから行う作業を分けて計画しておくことが重要です。
また、届いた後の「空箱」をどうするかも盲点です。
- 主催者(会場)で廃棄してくれるのかを確認する
- ストックルームを設ける
- ストック付の展示台を申し込む
など、事前に「箱の処理」についての確認も忘れずに行っておきましょう。ストックルームがない小規模ブースでは、空箱が通路に溢れてしまい、捨てるにも費用がかかって困る方が続出します。事前の「箱の処理ルール」の確認も忘れずに行いましょう。

Q4.動画やデモの準備で気をつけるべきことは?
現場で一番解決が難しいのがテクニカルなトラブルです。「3つ目のチェックポイント」として、徹底したオフライン対策を推奨しています。
「USBメモリに動画を入れたから映るはず」と思っていても、いざ会場のモニターに差すと、ファイル形式(MP4、MOVなど)の問題で再生できないことが多々あります。また、会場のWi-Fiは不安定です。オンラインデモを前提にしていると、当日「画面が真っ白」という事態になりかねません。
対策は2つです。
- 本番で使うモニターと再生機器(PCやUSBメモリ、プレイヤー)を使って、会社でリハーサルを行うこと。
- 万が一ネットが切れても動く「オフライン版デモ」を用意しておくこと。
また近年はMacを利用される企業様も多いです。パケテンのような展示会装飾業者はWindowsを想定して準備しているので、Macの場合は変換ケーブルを自前で準備したり、事前にその旨を施工会社に伝えておくと当日困らずに済みます。
「現場で何とかなる」は禁物です。私たち展示会装飾業者でも当日に対応できることは限られます。先のポスターやパネル貼り付けにも言えることですが、シミュレーションした上で事前に相談してもらうことが慌てないために大切だと思います。
Q5.小さいブースで目立つコツはありますか?
1小間や2小間のブースでは、「情報をワンメッセージに絞る」。これが鉄則です。
出展料を払っている以上、あれもこれもアピールしたい気持ちは痛いほどわかります。しかし、来場者があなたのブースの前を通り過ぎるのは、わずか3秒から5秒です。
文字がびっしり書かれたパネルを、立ち止まって読んでくれる人はいません。「このブースは何の悩みを解決してくれるのか」が5メートル先からでも一瞬でわかるブース。それが、結果として最も多くのリード(名刺)を獲得します。

「誰に、何を伝えたいか」を極限まで削ぎ落とし、一番伝えたい言葉だけをブースの最も高い位置に掲げる。詳しい説明は、興味を持って立ち寄ってくれた後のパンフレットや対面での会話に任せる「勇気」を持ってください。
<参考記事>2秒で足を止める「引き算」の展示会グラフィック
Q6.施工日までに社内で決めておくべきことは?
ブースが完成しても、そこに立つスタッフの動きがバラバラでは成果は出ません。
施工日までに、当日の「オペレーション図」を作っておきましょう。

- 呼び込み担当:誰が通路側に立ち、どんな一言で足を止めてもらうか。
- ヒアリング担当:立ち止まったお客様から、どうやって課題を聞き出すか。
- 商談担当:確度の高いお客様を、誰に引き継ぐか。
また、来場者バッジのストラップの色や職種を見て、ターゲット層を判別するルールをチームで共有しておくことも重要です。「ブース設営」はあくまで手段であり、目的は「出会い」です。設営という作業は私たちプロに任せ、出展者の皆様はこうした「来場者といかに有効なコミュニケーションを取るか」にこそ時間を使ってください。
Q7.事務担当と現場担当が違う場合の注意点は?
パケテンはオンラインで手軽に申し込めるサービスですが、申し込みを担当した出展担当者の方と、当日現場に来る営業担当の方が違うケースがよくあります。
現場で「こんなはずじゃなかった」「あそこに棚があるはずだ」とトラブルになる原因のひとつに社内の共有・引き継ぎ不足が考えられます。
パケテンでは、オンライン上にすべてのやり取りのログ、図面、見積もりが残っています。当日現場に来る方は、必ずそのログを一読し、図面を手元に持った状態で来場してください。
そして、「施工日の体力温存」も立派な準備です。
私たちは施工日の正午に、施工を完了させています。13時頃に来場し、サッと準備を終えて16時には帰路につく。本番の3日間、最高の笑顔でお客様を迎えるために、無理をしないスケジュールを組んでください。
現場の不安は、プロと一緒に解消しましょう
展示会の設営日は、どんなにベテランの方でも独特の緊張感があるものです。だからこそ、物理的な「箱作り」や「高い壁への貼り付け」といった不安要素は、パケテンのような現場のプロに預けてください。
パケテンは、オンラインでのお申し込みから始まりますが、現場では私たちがリアルでのサポートを提供しています。「困った時の駆け込み寺」として、みなさまが万全の状態で本番の朝を迎えられるよう、私たちは全力を尽くします。
パケテンは、多くのお客様にご利用いただくサービスの特性上、一般的な施工会社のように個別に深くヒアリングを行うスタイルとは少し異なります。
その分、お客様ご自身のご要望や課題に応じて柔軟にご活用いただけるサービスとなっております。
もちろん、「展示会出展を成功させたい」「ビジネス拡大につなげたい」という想いは共通ですので、事前にご相談いただけましたら、課題に応じた最適な解決策をご提案し、当日までしっかりサポートいたします。






