STORY vol.2 POLA B.A

上海、ブランド体感 コミュニケーションの情報設計と実行支援

「やがてお客さまの身体の一部になるものだからこそ、商品の一滴一滴にいたるまで決して手を抜かない」「一人ひとりのためのスキンケアをお届けしたい」ーーそんな願いと決意のもと、製品の質にこだわり続ける日本有数の化粧品メーカー・POLA。成長著しいアジア市場への進出を強めるため、中国における大規模プロモーションを実施することになり、同プロジェクトのプランニングを一任いただきました。

徹底したリサーチと綿密な戦略・情報設計をベースに、中国におけるPOLA B.Aブランドの再定義と認知度拡大、および現地ターゲットの態度変容を実現したプロジェクトについて紹介いたします。

BACKGROUND 正しい認知獲得によるブランドイメージ向上と購買意欲醸成のための大規模プロモーション

近年、日本の化粧品に対するニーズが高まっている中国市場。POLA B.Aもその中の人気銘柄のひとつでしたが、中国では「ソーシャルバイヤー」と呼ばれる個人輸入代行業者が製品を仕入れ、販売しているケースも多く、正しい効果効能などが伝わりきっていないまま、製品が使われている状況が生まれていました。そこで、中国における正しい認知獲得とブランドイメージの向上、そして購買意欲醸成のために現地での大規模プロモーションを実施する事が決定され、依頼を受けた博展がプロジェクトをリードさせていただくこととなりました。

個人輸入代行業者によるブランド情報の広がり

POLA B.Aシリーズ

SOLUTION 徹底したリサーチに基づく綿密な戦略・情報設計

初期段階で注力したのは、現地ターゲットや市場環境に対するリサーチです。中国の女性と日本の女性では、ブランドに抱くイメージはもちろん、購買行動やブランドタッチポイントなど、多くの違いがあります。そこで、POLAブランドがどのように語られているか、競合ブランドとの違いはどこにあるのか、化粧品やスキンケアには何が求められているのか、といったテーマで調査を実施。インターネット上・SNS上だけではなく、グループインタビューや店頭でのヒアリング調査を中心に、あらゆる手法で現地ターゲットを取り巻く環境や深層心理について探っていきました。

その結果、中国の女性たちは日本の女性以上に、化粧品・スキンケアに対して科学的根拠に基づく効果効能を求める傾向があると判明。POLAブランドが元々持つ強みとも合致することから、この点を強く打ち出した施策を展開することとなりました。

ターゲットの情報取得経路を明らかにし、ブランドと接点を持った後の感情や態度変容のあり方を明確にしていくことでジャーニーマップを設計。また、現地で影響力を持つKOL(Key Opinion Leader:専門性を持ったインフルエンサー)や、現地メディアにも協力を依頼。散発的な情報発信ではなく、誰に向けて、いつ、どの媒体から、どのような内容で情報を発信していくかを緻密に設計し、実行計画を立案。KOLやメディア関係者を集めたクローズドパーティーを実施することでPOLAブランドへの深い理解を促進し、参加者それぞれの言葉でブランド・製品の魅力を発信しました。ブランドから発信される公式な情報だけでなく、影響力のある第三者からの正しい情報発信によってデジタル・SNS上で正しい認知獲得とブランドイメージの向上を進めると共に、その後に開催される一般参加イベントへ誘引していくという全体像を描いていきました。

プラン策定のプロセスイメージ

第三者からの正しい情報発信による話題化

OUTPUT 一貫した世界観で多角的にターゲットへアプローチ

各プロモーションは、中国でハイテクノロジーを意味する「黒科技」という言葉の「黒」、そして「黒B.A」として中国で認知されていたPOLA B.Aシリーズの現状から「POLA黒B.A美的“肌遇”」というキャッチフレーズと共に展開していきました。

クローズドパーティーでは、ブランドからの正しい情報のインプットだけでなく、ブランドの効果効能を参加者に体感してもらう機会を作りました。その体験を持ってメディアやKOLから自分の言葉で情報発信してもらうことで、信頼できる第三者情報として一般の方々の正しい認知獲得につなげました。SNSを介したプレゼントキャンペーン、店頭での告知、イベント会場周辺でのOOH広告等も実施、クローズドパーティーを皮切りに、さらなる話題化を図っていきました。一般参加イベントでは、ブランドの科学的根拠や世界観を表現したサイエンスシアター、フラワーアート、ブランドタッチアップなどのコンテンツを用意。もともとPOLAが持っている製品の質へのこだわりと、POLA B.Aのもつ科学的根拠という強みを最大化するため、一貫したコンセプトでターゲット層にアプローチをしていきました。

上海太古匯での一般参加イベント

サイエンスシアターによるブランド体験

RESULT 本質を捉えたプランニングで、価値の最大化を実現

それぞれの施策は大きな成果へとつながりました。SNS上ではPOLAブランドに対するポジティブなコメント・口コミが溢れ、記録的なメディアインプレッションを獲得。各SNSの公式アカウントにおける新規フォロワーの著しい増加やブランドサイトのセッション数増加だけでなく、リアルの施策においても、日中通算でPOLA史上最大の来場動員数を記録しました。課題であった正しいブランド認知や製品理解を通して、ブランド好感度の上昇も実現しました。

最大の成功要因は、徹底した事前リサーチと緻密な戦略・情報設計にあります。表層のデータを集めるだけではなく、データの裏に隠れているターゲットの想いや願いを読み取り、そこに対してアプローチできるブランド価値を詳細なコミュニケーションに落とし込めたことがポイントでした。

これは、プランニングを構築していく上で普遍的に必要な行動でもあります。博展は、最新のフレームワークや手法を駆使していく一方、生活者インサイトを捉えた本質的なプランニングで、クライアントのビジネス価値を最大化し続けていきます。

OUR CREDIT
株式会社ポーラ
POLA B.A
上海、ブランド体感 コミュニケーションの情報設計と実行支援
  • Creative Director : Shoichiro Minami
  • Art Direction : Akiko Hirayama
  • Planner : Genki Nakashima
  • Space Designer : Mami Seki
  • Technical Director : Naomi Kuga
  • Engineer : Masaya Ishida
  • Graphic Designer : Kyoko Sato
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