STORY vol.3 フェレロ

Ferrero Rocher Bouquet Share
~世界でシェアされる4層のチョコレート~

イタリアを拠点に世界中で食品事業を展開するフェレロ。同社の主力商品のひとつに、世界中で愛されている「フェレロ ロシェ」というチョコレートがあります。この「フェレロ ロシェ」を、競合ひしめく日本でも、より愛される存在にするため、クリスマス・バレンタインを活用したプロモーションを展開したいということで、博展に声がかかりました。

クリスマス・バレンタインといった好機を確かに活用しながらも、オールシーズンでブランドの成長に繋がり、指名買いされる商品ブランディングを効果的に目指したプロジェクトについて紹介いたします。

BACKGROUND チョコレート激戦区、日本での商品ブランディングの確立

当初の与件は「バレンタイン・クリスマスシーズンのプロモーションを強化したい」というものでした。しかしこの時期は、競合ブランドも集中的にプロモーションを行うタイミングです。さらに日本は世界でも類を見ないほどのチョコレート激戦区で、毎年多数の商品が発売されては消えていく厳しい市場でした。
競合ひしめく市場で影響力が限定的なシーズンプロモーションを行うだけではなく、日本でのブランドポジションを確立するような、さらにはブランドとして指名買いを目指せるような、強い企画が必要とされていました。

オケージョン考察の例1

オケージョン考察の例2

SOLUTION 生活者のインサイトを丁寧に把握・検証し、独自の方向性を導き出す

競合ブランドと比較したとき、「フェレロ ロシェ」が持つ優位性は、味もさることながら、「シェアのしやすさ」という点でした。華やかなパッケージで個包装され、大勢で一緒に食べやすく、パーティやイベントの場でシェアするのにピッタリのチョコレート。また、元々ブランドとしても「シェア用ギフト」として市場拡大を狙っていきたい意向はあったので、「フェレロ ロシェ」を「想いをシェアするギフト」として世にアピールしていく方向性で、プロモーションおよびブランディングの施策を練っていきました。「フェレロ ロシェ」が大切な人に想いを伝える、人と人をつなげる存在として認められれば、クリスマスやバレンタインといった特定の時期だけではなく、結婚式や歓送迎会、誕生日など、年間を通じて誰かに感謝やお祝いの気持ちを伝えるために活用されることになります。そうすれば自ずと日本におけるブランド価値も高まると考えたのです。

この方向性は、ターゲットとなる一般生活者のSNS投稿を分析するソーシャルリスニングや、まだ数としては多くないけれども、大きく社会を動かすきっかけとなる可能性を持つ「トライブ」の分析など各種リサーチ手法を駆使してデータを集め、生活者のインサイトを丁寧に把握・検証し、そこに対してブランドが持つ魅力をどのようにアピールすればそれぞれの欲求を充たせるかを考え、導き出したものでした。

プラン策定のプロセス

方向性の提案

OUTPUT コアアイデア「ロシェ ブーケ」を活かした統合プロモーション

「想いをシェアするギフト」として具体的に提案したのが、商品を使ってブーケをつくる「ロシェ ブーケ」を活用したプロモーションです。ブーケは日常的に用いられるものではありませんが、その分、特別感を演出し、大切な人に想いを伝えるにはピッタリのもの。実はこのチョコレートをブーケにするというアイデアは、海外のファン達が自然発生的に実施しており、各種SNSでは「#ferrerorocherbouquet」というハッシュタグ付きで、「ロシェ ブーケ」の画像が投稿されるなど、チョコレートの楽しみ方として受け入れられていました。日本では「ロシェ ブーケ」の認知は限りなくゼロに近い状態でしたが、生活者のインサイトから日本でも受け入れられると考え、「ロシェ ブーケ」をコアアイデアとした統合プロモーションを展開していくことになりました。

SNSを通じたキャンペーンや広告、「想いをシェアするギフト」としての世界観を表現したブランドムービーや特設サイトの制作、サンプリングイベント、人気フラワーアーティストとのタイアップ、マイクロインフルエンサーへのギフティング、一般の方も「ロシェ ブーケ」を簡単に作ることのできる「ロシェ ブーケ」キットの開発など、網羅的な施策を実施し、ブランド接点の拡大と話題化を促進していきました。

各施策を進行していく上で最も重視したのは、「ロシェ ブーケ」がすべてのコミュニケーションのブランド接点として機能しているということ。一般的なチョコレートのうちの一つではなく、「想いをシェアするギフト」として生活者に認めてもらうためには不可欠な視点でした。各種クリエイティブ、キャンペーンフロー、プレスリリース、プロモーションを構成するそれぞれの施策について、どのようなタイミングや言い回しでコミュニケーションをとれば「フェレロ ロシェ」をギフトとして贈りたくなるのか、「ロシェ ブーケ」を活用して大切な誰かへ想いをシェアする勇気を与えられるか、私たち自身も生活者に想いを届けるように取り組んでいきました。

RESULT 想像以上の反響と、新たなギフトイメージの確立

この統合プロモーションは大きな反響を呼びました。各種SNSで「#ロシェブーケ」のハッシュタグとともに、ブランドに共感した一般の方々からの投稿が数多く発生し、公式アカウントのフォロワー数も飛躍的な伸びを見せました。イベント参加者も当初目標を大幅に超え、認知度を高めると共に、「ロシェ ブーケ」をアイコンに据えたことでギフトとしてのイメージを広げることにも成功しました。

その結果、当初ターゲットとしていたクリスマス・バレンタインシーズン終了後も、ミモザブーケを皮切りに、各種記念日やイベントにおける「想いをシェアするギフト」として「ロシェ ブーケ」が活用されるなど、オールシーズンで指名買いに繋がるブランディングに成功しています。

共感を得た生活者からの投稿多数

オールシーズンで指名買いに繋がっている

OUR CREDIT
日本フェレロ株式会社
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~世界でシェアされる4層のチョコレート~
  • Planner : Genki Nakashima
  • Movie : HIGHLAND
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