「展示会への出展が決まったけれど、何から手をつければいいのか分からない」
「事務局からのメールが多すぎて、重要なタスクを見落としていないか不安だ」
初めて展示会出展を任された担当者にとって、準備のプロセスは複雑なパズルを解くようなものかもしれません。しかし、展示会の成功は「当日」ではなく「準備の質」で8割が決まると言っても過言ではありません。
今回の記事では、展示会出展初心者の筆者が、数多くの出展をサポートしてきたパケテンの担当者に、成功へと導く理想的なロードマップと、現場で慌てないための心構えを詳しく聞きます。
目次
理想のスタートは「6ヶ月前」。ゆとりが戦略を生む
──展示会出展を検討し始めたら、まず何から始めるべきでしょうか?
理想を言えば、会期の6ヶ月前には動き出したいところです。まずは「どの展示会に出るか」という選定から始まりますが、この時期に事務局へアプローチし、出展資料を取り寄せておくとゆとりがあります。
展示会選びで意識すべきは、「開催地」「時期」「主催者の集客力」の3点です。
例えば、4月に新商品をリリースする業界であれば、その半年前の秋の展示会に出るのが定石です。また、会場が東京なら全国規模のリードが期待できますが、名古屋や福岡なら地場の企業と深く繋がる絶好の機会になります。
──選定が終わった後の、具体的なスケジュールを教えてください。
大きな流れとしては、以下のロードマップを参考にしてください。

特に、「1ヶ月前」は主催者への申請(電気の使用、車両の搬入、バーコードリーダーのレンタル等)が集中します。このデッドラインを意識して逆算することが、プロジェクト管理の肝になります。
「目的」と「目標」を明確にする
──準備期間の中で、最も「時間をかけるべきこと」は何ですか?
それは「出展目的の明確化」と「目標の数値への落とし込み(KPI)」です。
「なんとなく他社も出ているから」という出展理由では、効果測定ができません。
- 新規リード獲得→名刺交換を◯◯枚する
- 新商品の発表・認知向上→デモ体験を◯◯人に受けてもらう
- 既存顧客との関係強化→アポイントを◯◯件設定する
このように、出展目的を数値目標に落とし込むことで、ブースで何を強調すべきか、スタッフは何人必要なのかといった具体的な判断基準が明確になります。
パケテンをご利用いただくお客様の8〜9割は「販路拡大」を目的とされています。その場合、数値目標は「獲得した名刺の数」や「商談設定数」に絞るのが最も効果的です。
現場で「誰が何をすべきか」をマニュアル化する
──ブースのデザインや設営以外に、担当者が準備しておくべきことはありますか?
非常に重要なのが、「運営マニュアル」の作成です。
展示会当日は、普段は営業ではないエンジニアやバックオフィスのスタッフがブースに立つことも多いでしょう。その際、「何を聞かれたら、どう答えるか」「価格交渉をされたらどうするか」といった基準があやふやだと、現場は混乱し、大きな機会損失を招きます。
また、意外と見落としがちなのが「シフト管理」です。
展示会は長丁場です。立ちっぱなしで接客し続けると、午後のピーク時にスタッフの集中力が切れてしまいます。「お昼休憩は誰がいつ取るのか」「適度な交代枠を設けているか」まで事前に決めておきましょう。
──スタッフが来場者に声をかける際の「コツ」も準備できますか?
はい。来場者がブースの前を通過するのは一瞬です。そこで有効なのが「最初の一言」の準備です。
「何かお探しですか?」ではなく、「◯◯でお困りではありませんか?」といった、相手の課題を突くセリフを数パターン用意しておく。これだけで、接客に不慣れなスタッフでも自信を持って声をかけられるようになります。
展示会を「やりっぱなし」にしない名刺管理
──展示会が終わった後のフォローアップについても、準備段階で決めておくべきでしょうか?
もちろんです。「展示会は終わった後が本番」です。
現場で獲得した大量の名刺を、後から見返して「これ、誰だっけ?」となっては意味がありません。
準備段階で、名刺の「ランク分け」のルールを決めておきましょう。
- Aランク:課題が明確で、すぐにでも商談に進めたい(24時間以内にフォロー)
- Bランク:興味はあるが、導入時期は未定(3日以内にメール)
- Cランク:情報収集段階(メルマガ配信リストへ)
名刺の裏に直接メモを書くか、専用の面談シートを用意しておく。あるいは名刺のデータ化サービスを利用し、現場でタブレット等を使って即座にデータ化する仕組みを導入するのも一つの手です。「鉄は熱いうちに打て」。展示会翌日にアプローチできる体制を、開催前に整えておくことが成功の絶対条件です。
担当者は「戦略」に集中することがコツ
展示会の準備には、ブースの造作、申請手続き、スタッフ教育、販促物の制作など、膨大なタスクが伴います。初めての担当者がこれらすべてを一人で抱え込むのは、現実的ではありません。
パッケージサービスを利用して、「事務的な準備やハード面の苦労をプロに任せる」ことも一つの選択肢です。
什器の手配やデザインの試行錯誤をアウトソーシングすることで、担当者の皆さんは「どんなターゲットに、どんな言葉を届けるか」という、より本質的な戦略づくりに集中できるようになります。
ゆとりを持ったスケジュールと明確な目的意識。この二つを携えて、ぜひ自信を持って初出展の第一歩を踏み出してください。






