デジタルマーケティング全盛の今、BtoB企業の販促担当者は常に「効率」を問われています。
Web広告やSNS、メールマーケティングといった低コストで広範囲にアプローチできる手法がある中で、なぜ高コストかつ工数のかかる「リアルな展示会」に出展する意義があるのでしょうか。
今回の記事では、展示会出展初心者の筆者が、博展が提供する業界初のオンライン出展ブースサービス「パケテン」の中の人に、デジタル時代における展示会の真の価値を聞きました。
Webでは不可能な「五感の納得」と、想定外のニーズを掘り起こす「対話」の力
──デジタル全盛の今、あえて「リアルな展示会」に出る最大のメリットはなんですか?
結論から申し上げますと、展示会の最大の価値は「五感を通じた体験」と「双方向のカスタマイズによる深いコミュニケーション」に集約されます。

現代のマーケティングにおいて、Web広告やSNSは「認知」を広げるには非常に効率的です。
しかし、それらは情報の流れが一方通行になりがちです。一方で展示会は、来場者が自らの足で会場に赴き、実際に商品を見、触れ、動かし、体験する場所です。
例えば「製品がどれほどコンパクトか」「操作感がどれほど直感的か」といった情報は、スペック表や動画だけでは100%伝わりません。
展示会場で実物を目の当たりにした瞬間の「なるほど」という納得感。これはデジタルでは決して代替できない、展示会ならではの強みです。
──「体験」以外に、Web施策と比較して優位な点はありますか?
「テストマーケティング」としての機能も極めて強力です。
Webのアンケートやクリック率のデータからは、「なぜ選ばれなかったのか」というネガティブな理由や「本来はこういう使い方がしたかった」という潜在的なニーズはなかなか見えてきません。
展示会では、説明員とお客さまが直接対話します。そこで生まれる「このサイズなら、ラジコンにも応用できるのでは?」「ここがもう少しこうなれば導入したい」といった、想定外のフィードバックが新たなビジネスの種になることが多々あります。
実際にあった例ですが、ボート用エンジンとして開発された製品が、展示会での対話を通じて「小型化できるなら農業用ドローンの動力源として使いたい」という引き合いに繋がったケースがあります。
こうした「偶然の出会い(セレンディピティ)」と、それによる「販路の拡張」は、キーワード設定に縛られるWeb広告では起こりにくい現象です。
リードの「温度感」と「色」を見極める
──展示会で得られる「リード(見込み客)」の質についてはどう考えればよいでしょうか。
私たちはよく、展示会のリードには「色がついている」と表現します。Webで資料請求をした100人と、展示会場で名刺交換をした100人では、その情報密度が全く異なります。
Webのリードは、相手がどのような表情で資料を読み、どの部分に疑問を持ったのかが見えません。しかし展示会なら、「この機能の説明をしたときに身を乗り出した」「競合他社のあの製品と比較していた」といった、相手の「温度感」や「文脈」をセットで持ち帰ることができます。
この「色のついたリード」があれば、展示会後のインサイドセールスや営業担当者は、その温度感に合わせた個別の提案が可能になります。結果として、成約までのスピードが劇的に向上するのです。
──「展示会で名刺交換はしたが、その後の商談に繋がらない」という悩みもよく聞きます。
それは、展示会の場を「単なる名刺集め」と考えてしまっているからです。
展示会はコミュニケーションのキャッチボールの場です。一方的なプレゼンではなく、相手の課題を聞き出し、その場で解決策を提示する「双方向のやり取り」ができていれば、相手にとってそのブースは「単なる展示会の一コマ」ではなく「課題解決のパートナー候補」に昇格します。
展示会出展の投資対効果
──初めての出展を検討している担当者が、出展を決める最後の決め手はなんでしょうか?
多くの担当者が懸念するのは「コストに見合う成果が出るのか」という点です。ここで言う成果とは、短期的な「名刺の枚数」だけでなく、中長期的な「事業成長への貢献」で語る必要があります。
私は、担当者の方に「決裁者を現場に連れて行ってください」とアドバイスしています。決裁者自らがブースに立ち、顧客の生の声を聞くことで、「自社の製品が市場でどう評価されているか」「競合と比べて何が足りないか」を肌で感じることができます。
また、市場動向や競合の動きをリアルタイムで把握できる「フィールドリサーチ」としての価値を強調するのは非常に有効です。「広告費」としてではなく、「R&D(研究開発)や市場調査」の側面も含む投資として検討してみてください。
──「パケテン」を活用することで、そのROI(投資対効果)はどのように向上しますか?
展示会出展において、最もコストと担当者の工数がかかるのは、限られた敷地の中に何を置いたらいいのか、何があると来場者とのコミュニケーションが楽になるのか、いわゆる「装飾」と呼ばれるハード面です。
ここをゼロから自分たちで行うと、本来注力すべき「当日の接客」や「事前の集客」にリソースを割けなくなります。
プロの知見を詰め込んだ出展パッケージプランを利用することで、準備にかかる工数を大幅に削減できます。「最小限の投資で、最大限顧客とのコミュニケーション時間を確保する」。これが初めて出展する企業が確実に成果を出すための戦略です。
デジタル時代だからこそ「リアル」が差別化になる
オンラインで情報があふれる現代だからこそ、直接会い、話し、体験できる「リアルな場」の希少価値は高まっています。展示会は単なる販促イベントではなく、顧客との深い絆を築き、自社の未来を切り拓くための「戦略的接点」です。
準備のハードルが高いと感じるなら、そこはプロのパッケージに頼ればいい。
大切なのは、展示会という「場」をどう活用して、顧客の温度感に火をつけるか。その一歩を踏み出すことで、デジタルだけでは到達できなかった新たなビジネスの地平が見えてくるはずです。






