生活者一人ひとりが“サステナブル”の判断基準を持つ今、企業はCSR活動に取り組むだけではなく、その活動内容を社会に発信し、生活者に自社の取り組みを理解してもらうことが重要だと言われています。
近年では、サステナビリティ推進のための専門部隊を設けるだけでなく、社内全体の認識を高めるための教育プログラムやセミナーを企画 / 実施している企業が増えています。

博展では、社内のサステナビリティに関する知見の向上だけでなく、持続可能な事業をイベント業界全体で推進すべく、今年から「サステナビリティ・アンバサダー制度」を開始!

1996年以降に生まれたZ世代の社員が中心となってイベント業界における課題を抽出し、実際に調査 / 開発することで博展内のサステナビリティを推進しています。

TEX BLOGではサステナビリティ・アンバサダーの活動を連載形式でご紹介!
働くZ世代のリアルな意見や、サステナビリティに関する社内認知をいかに高めていくのか、その過程を1年間にわたり密着取材いたします。

今回は企画 / 実行を担うサステナブル・ブランド事業部長兼サステナビリティ推進室長 鈴木と同推進室 村松に、サステナビリティ・アンバサダー発足に込められた想いや今後の展望をインタビュー!
サステナビリティに関する社内ブランディングに苦労している方、是非参考にしてみてください!


ーサステナビリティ・アンバサダーの取り組みを始めたきっかけを教えてください。

鈴木:
私たち博展は、MICE業界において持続可能なイベントを創る第一人者になりたいと強く願っています。

サステナビリティは個人単位 / 企業単位で考えることに限界があり、様々な人を巻き込み、連携 / 共創することが必要不可欠な分野。

まずは博展のサステナビリティに関する考え方や取り組みを社外に広く発信し、幅広い方々から私たちの想いに共感していただくことを目指しています

村松:
そこで今回、他社の様々な取り組みを調査 / 参考にして「アンバサダー制度」を導入しました。
「アンバサダー」という名の通り、メンバーには各自で情報収集をし、外部との関係を築き、博展のサステナビリティに対する活動を社会に伝えるとともに、社内にもいい影響を与えていってほしいと考えています。

「Communication DesignⓇ~人と人の、笑顔が創り出す未来へ。~」というパーパスのもと、顧客企業やサプライチェーン、イベントの参加者、そして博展社員ほか様々な人々が幸せに過ごせる未来を創るために、我々サステナブル推進室 / アンバサダーの想いに共鳴する社員を増やしたいですね。

ー博展社員に対するインターナルブランディングの面では、アンバサダーはどのような役割を担うのでしょう?

鈴木:
社内の一部の人間はサステナビリティの重要性を理解していますが、社内全体のインターナルブランデイングが高められていないのが現状。この現象をアンバサダーに打破してほしいと考えています。
社外のいろいろなコミュニティに飛び込み、コミュニケーションをとる中で、博展にいろいろな知見を共有してほしいですね。

最終的にアンバサダーは「サステナビリティの文脈を自分事化して話せる」状態をゴールに置いています。博展の主領域にサステナビリティを組み込むための“事務局”がサステナビリティ推進室であり、それを実行するのがアンバサダーという枠組みですね。

ーまさに“アンバサダー”という言葉がぴったりですね。
サステナビリティ・アンバサダーのメンバーは若い世代が多い印象があるのですが、今回世代は限定しているのでしょうか?

鈴木:
今回はZ世代を中心にメンバーを構成しています。
当社が運営するサステナブル・ブランド ジャパンで調査したデータによると、Z世代はサステナビリティに対する意識や課題の感じ方について、他の世代に比べて顕著な違いが出ていることが明らかになりました。

Z世代は今後のビジネスの中心であり、未来の顧客でもあります。ですから“若い世代のイノベーション”を基本方針におき、博展内のZ世代の知見を拡げ、その考えを取り入れていくことこそ最も重要だと感じています。

推進室のメンバーだけで考えるのではなく、SDGsについて関心が高いZ世代と共創することが今後必要不可欠ですからね。

<サステナビリティ・アンバサダー定例会の様子>


ー確かに、Z世代のサステナブル感度は本当に高く、私も少し危機感を覚えています。社内で新しいプロジェクトを立ち上げるのは難しかったと思いますが、どのように社内のメンバーを巻き込んでいったのでしょう?

村松:
アンバサダーの取り組みを評価の対象であると明記することで、活動時間を組織的に確保しやすくしました。
今回、業務稼働時間を全体10%と決定し、組織としてルール化。経営陣と各部門長の協力を得て、各メンバーを集めています。

ーなるほど。ルール化されていれば若い社員も安心してアンバサダーの活動に専念することができますね。では、実際の活動は何を行っていますか?

鈴木:
サステナビリティの潮流を理解するために学びの場を提供したり、博展事業をよりサステナブルにするための課題を抽出するためのワークショップを行ったりしています。

博展を取り巻く社会課題を抽出し、イベント業界や社内環境をサステナブルに富んだ状態にするために、率先してディスカッションやサービス開発に降り組んでいます。

村松:
5月に行われた初回の定例会で今後1年間かけて取り組むテーマを3つ設定。現在、3チームに分かれて目標設計とアクションプランを設定し、活動をしています。

⑴イベントのごみ問題
イベントのごみ問題に関する“ガイドライン”を作成することを目標に活動中。
展示会ブース / イベントで出るごみを調査するために、会期中に出たごみを一度すべて自社の製作スタジオに持ち帰り、分別することで「リユースできるもの」「リサイクルできるもの」「そもそも不必要なもの」と分類し、ガイドラインの大枠を作っていきます。
最終的にはガイドラインを作るだけでなく、ごみ問題を解決できるパートナー企業を選定することで社内の案件でもすぐに反映させることを目指しています。

⑵マテリアル開発
自社製作スタジオでサステナブルな新素材 / 製品の開発によって、エコフレンドリーなイノベーションを起こすことをテーマに活動中。
イベント業界に関わる人にとっては当たり前になってしまった大量廃棄。Z世代でイベントの撤去現場を見たことのないメンバーがサステナブル観点での“違和感”をピックアップし、アイデアを固めていきます。

⑶ファシリティ評価(会場のサステナビリティに対する指標作成)
イベントで使用する様々な会場の“サステナビリティ指標”となるガイドラインを作成することを目標に、様々な会場のサステナビリティに対する取り組みを調査中です。

先月には環境に配慮し、ごみの分別を徹底しているパシフィコ横浜を視察。
環境負荷の少ない清掃材を使用するなどの細やかな取り組みや、ごみをリサイクルする仕組みについて学びました。
最終的に、イベント会場を選ぶ際コスト / リッチ / 広さだけではなく、サステナビリティに関する指標を持つ社会を目指していきます。


ー3つとも博展の事業に根強く関係しているテーマで非常に興味深いですね。サステナビリティ・アンバサダーの制度を開始してみて、メンバーや社内の反応はどうでしたか?

鈴木:
アンバサダーが自身の所属するセッションで自発的にプレゼンテーションを行ったり、情報共有会を行ったり、実際にコンポストを活用する農場に取材に行くメンバーもいたり、すごく良い方向に進行していると感じています。
「日常会話の中でサステナビリティに関して意見を交わす機会が増えている。」という言葉を聞いたときは、博展にサステナビリティについての関心が徐々に高まってきていることを実感してすごくうれしかったですね。
アンバサダーとのディスカッションでは新しい視点、アイデアを得ることができ、我々としても恩恵を受けています。

<実際にプレゼンテーションを行う様子>


ー同期のアンバサダーも、定例会後にマイボトルを買っていました。すぐアクションできる身近さも、サステナビリティを学ぶ醍醐味ですよね。学ぶことで社会 / 地球を見る目が変化し、自分の行動も変化するというか。

村松:
アンバサダーの活動を通じてサステナビリティに関して学び始める、興味関心を持つきっかけになればいいなと感じています。
今回、アンバサダーの任期は1年間に設定していますが、これはサステナビリティに対しての知識を持ち、行動をしていけるメンバーを毎年継続的に社内に増やしていきたいという狙いがあるから。

初年度の今年は少人数で試験的に開催していますが、今後は少しずつ規模を拡大し、サステナビリティ・アンバサダーに関わる人数を増やしていきたいと考えています。

ー確かに!社内でサステナビリティに関する会話がさらに盛んになるのがとても楽しみですね。社員一人ひとりが日常生活の小さなところからサステナビリティを意識したいですね。
では最後に、お二人が考える本プロジェクトの今後の展望を教えてください!

鈴木:
サステナブルなイベントを提案できる博展を目指しています。そのためにイベントで使用する什器をリサイクルできる仕組みを作ったり、全体のごみを減らす取り組みを提案したり、いろいろなアプローチ方法を考えていきたいます。

同時に、企業様にはイベントを企画する際にサステナビリティの判断基準を持ってほしいと考えています。
社内の意識を変えることはもちろんですが、“イベント”に関するサステナビリティの意識を今一度見つめなおすきっかけを提供したいと考えています。

村松:
イベントは人々にとって記憶に残る体験や深い共感を得られる貴重な場だと思います。ただ、この業界はまだまだサステナビリティに対する取り組みが遅れていると感じます。このまま何も取り組まなければ、将来的にイベント業界は市場から選ばれなくなってしまうかもしれません。イベントに携わる人間として、そのような未来を防ぎたいんです。そのために、サステナビリティ・アンバサダーの活動等を通じて、企業としてサステナビリティに対する取り組みを推進していきたいと思います。
博展をサステナブルなイベントをリードできる組織として変容していき、ゆくゆくは業界全体にいい影響を広められるように、今後も励んでまいります。

<サステナビリティ・アンバサダー集合写真>

<左からサステナビリティ推進室:村松 / 鈴木サステナビリティ推進室 室長:鈴木>